海外ボランティア活動は、もし時間とお金が許すなら長期で参加するのがおすすめです。
欧米などの海外では、「ギャップイヤー」として学業の節目に1年ほど「人生の休暇」をとって、長期で海外ボランティアに参加する方もめずらしくありません。
なぜ海外ボランティアは長期参加がおすすめなのでしょうか。
そもそも、長期の海外ボランティアの「長期」とはどのくらいの期間を指すのでしょうか。
そして、長期で参加するなら、どんな海外ボランティアプログラムがおすすめなのでしょうか。
今回は、長期海外ボランティアの魅力についてとことん迫っていきたいと思います。
長期の海外ボランティアの「長期」とは?
長期海外ボランティアの「長期」の定義は個人によってさまざまな解釈が考えられますが、ここでは一般的に4週間を超える5週間以上の参加を長期参加と呼ぶことにします。
これも、日本人ボランティアに特化した解釈。
欧米から参加する多国籍な外国人ボランティアにとって、「長期」の定義は数ヶ月以上だったりします。
しかし、学業、部活、受験、仕事など、忙しいライフスタイルを送る日本人ボランティアは、1週間から参加できる短期海外ボランティア~4週間ほどの参加が大半です。
長期の海外ボランティアがおすすめな理由とは?
長期の海外ボランティアがおすすめな理由は、参加期間が長ければ長いほど活動の推移=成果を見守れるからです。
一番人気の海外ボランティア参加期間は2週間です。
しかし、参加期間が2週間だと、最初の1週目で海外ボランティア中の滞在先や活動先など現地の環境に順応することに追われ、多少慣れてきたかなという2週目に活動が終わり帰国、ということにもなりかねません。
忙しいライフスタイルを送る日本人ボランティアのみなさんにとって、スケジュールの都合をつけるのはなかなか難しいかもしれませんが、できれば5週間以上の長期参加をすると、活動へのより深い理解や成果の実感を期待できます。
長期の海外ボランティアおすすめ第5位:高校生スペシャル4週間
長期の海外ボランティアにおすすめのプログラム第5位は、高校生スペシャルの4週間プログラムです。
高校生の海外ボランティア「高校生スペシャル」で4週間の日程が選択可能な場合は、活動内容などを問わず4週間で参加をするのがおすすめです。
4週間がおすすめな理由は、2週間・3週間の高校生スぺシャルプログラムより、腰を据えてじっくり活動に取り組むことによって見えてくる世界は異なるから。
現地の環境にも慣れ、いろんな意味で世界が開けてきます。
加えて、高校生という未来ある若者が特定の発展途上国で4週間滞在すること自体が、すでにかなり貴重かつ希少な経験になることは言うまでもありません。
途上国での滞在となると、アメリカやイギリス、オーストラリアのようなメ先進国のメジャーな語学留学先と環境は大きく異なり、適応能力の習得や世の中にある問題に対する理解へのきっかけになるのではないでしょうか。
残念ながら、現時点で高校生スペシャルは5週間以上のプログラムがなく、プログラムによっては最長で4週間の参加が可能です。
5週間以上にするには、高校生スペシャル4週間に参加した後に、コンビネーションプログラムとして通年プログラムなどの他の活動や語学留学プログラムを1週間以上追加するなどの工夫もできます。
複数の活動や複数の活動国で参加するコンビネーションプログラムは、嬉しい割引もあるので見逃せませんね。
長期参加におすすめの高校生スペシャル4週間
長期の海外ボランティアおすすめ第4位:教育
長期の海外ボランティアにおすすめのプログラム第4位は、教育です。
プロジェクトアブロードの教育の海外ボランティアでは、基本的に英語または日本語を教えることになります。
その理由は、言語を教えるとなると、やはり一定の期間教えていかないとなかなか成果が見えにくい事が挙げられます。
そして、ボランティア自身の教育の分野への適性を見極めるという意味でも、少なくても1ヶ月以上は活動に携わった方がいいのではないかという考えです。
チャイルドケアの海外ボランティアでは、ようやく言葉でのコミュニケーションができるようになってきた子供たちと活動することになりますが、教育の海外ボランティアでは生徒とのコミュニケーションがより活発です。
学ぶことに貪欲な現地の生徒たちは、ボランティア先生や他国に興味津々です。
「先生!先生!」と笑顔で駆け寄ってきて話したり、「今日こんなことがあってね」「あのアニメ知ってる?」など、授業内外でもたくさんのことを話したりします。
長期で参加すると、生徒の名前と顔が一致しだし、教える側としてもより教育活動へのモチベーションも上がります。
「この生徒は語彙の強化が必要」「この生徒は早口になりがち」「この生徒はこの発音が苦手」など、個々の特徴が見えてきて、それぞれの課題を伝えるようになります。
長期参加によって生徒たちと絆や信頼関係を築いた後の活動最終日の寂しさときたら、凄まじいものがあります。
教育実習の先生が最終日に泣いている理由がよく分かります。
教育活動の醍醐味は、活動を通して生徒一人ひとりの成長が見えることだとつくづく感じることでしょう。
短期でも濃密な教育活動となりますが、やはりできれば1ヶ月以上の長期で参加する方が、ご自身の経験や現地の子供たちにとっても非常に有意義な時間になると思います。
長期参加におすすめの教育プログラム
- フィリピンで教育の海外ボランティア(英語教育・日本語教育)
- スリランカで教育の海外ボランティア(英語教育・日本語教育)
- モンゴルで教育の海外ボランティア(英語教育・日本語教育)
- メキシコで教育の海外ボランティア(英語教育・日本語教育)
- ネパールで教育の海外ボランティア(英語教育)
- カンボジアで教育の海外ボランティア(英語教育)
- タンザニアで教育の海外ボランティア(英語教育)
長期の海外ボランティアおすすめ第3位:人権保護
長期の海外ボランティアにおすすめのプログラム第3位は、人権保護活動です。
マイクロファイナンスのプログラム同様、人権保護活動は専門性が高いため、厳密に言うと海外インターンシップに分類されていますが、国際支援の要素が強め。
人権保護活動では、短期参加の場合はその国や地元の人々を取り巻く人権問題や、課題について学ぶことができます。
一方、長期参加の場合は学んだことを地元の人々に啓発という形で還元したり、ヒアリングを通して人権侵害が行われていないかなどを明らかにしつつ法的な側面で支援をすることが可能になります。
長期の場合は、当たり前だと感じていたことが実は人権が侵害されていたという気付きに繋がるなど、現地の人々の人権が侵されないよう草の根レベルで支援を行うことができます。
また、人権保護活動において、関係者間の信頼関係は非常に重要になってきます。
例えばタンザニアでの人権保護活動は、現地の少年院で活動をするプログラムで、入所している少年犯の中には殺人といった重大犯罪で入所している人もいます。
入所している各少年犯は非常に複雑な家庭環境や犯罪歴を抱えていることがあるため、彼らと一定の信頼関係を築くためには短期での活動の参加ではなかなか難しいのが現実。
日本国内では、少年院での活動や少年犯の人たちと関わって活動をするという機会は珍しいので、法律や人権の分野に関わりたい方だけでなく、複雑な家庭環境を抱えている子供たちとの活動を希望する人にも有意義な経験を与えてくれるプログラムと言えます。
また長期参加することによって、金銭的・社会的立場から法的支援にアクセスできない人々への無料の法律相談サービスを通して、社会的弱者に位置づけられる人々に法的な面からサポートすることで彼らの人権を守ることもできるようになります。
長期的にクライアントに向き合いながら法的な面から支援することで、当事者の救済や社会的地位の向上・回復に立ち会うことができると言えるでしょう。
長期参加におすすめの人権保護プログラム
長期の海外ボランティアおすすめ第2位:マイクロファイナンス
長期の海外ボランティアにおすすめのプログラム第2位は、マイクロファイナンスです。
人権保護活動同様、専門性が高いマイクロファイナンスの活動は金融の分野での経験がある社会人、関連分野を学んでいる大学生からの参加が多いです。
したがって、こちらも海外インターンシップの位置づけにはなりますが、草の根レベルの経済的国際支援としてボランティア要素も十分。
マイクロファイナンスの活動では、融資対象者への事業紹介、融資候補の選定、融資の実行~モニタリング、返済管理、ビジネスに関するヒアリング~ビジネスアドバイザリーなど、クライアントに寄り添いながら活動する特色があります。
短期参加の場合、どちらかと言うとアウトプットよりもインプットの方が多く、一連のマイクロファイナンスの事業に関する知見や当事者からの話を聞く機会を得られることから、それも一つの成果と言えます。
一方長期で参加するほど、上記の一連のプロセスを超えて融資対象者の生活水準が融資後にどう変わったか、ビジネスの推移や課題の抽出、改善プロセスの実行など、より長い目線で地元の方と一緒に収入の向上を目指すことができます。
地元の人々に寄り添い、その国や地元の人々を取り巻く課題や変化をもたらすことの難しさを学びながら少しずつ改善していくプロセスを体験できるのは、長期で参加される方の特権と言えます。
長期参加におすすめのマイクロファイナンスプログラム
長期の海外ボランティアおすすめ第1位:医療&ヘルスケア
長期の海外ボランティアにおすすめのプログラム第1位は、医療&ヘルスケアです。
医療&ヘルスケアも専門性が高いため、海外インターンシップ下にありますが、医療アウトリーチ活動や学校などでの衛生指導などはボランティア要素も多く含みます。
医療&ヘルスケア系の活動は、参加者一人ひとり活動する部署や見られるケースが異なります。
長期で参加するほど、現地の医療現場で働く医師や看護師などの医療従事者との信頼関係も構築しやすくなり、プラスαのタスクを任されるかもしれません。
また、長期で参加するほど一つの病棟だけでなく、さまざまな病棟での視察や活動に携われるチャンスが増えることになります。
そして、長期間活動するほど見られる症例が増えたり変化したり、入院されている方の治療過程の推移なども見届けるられることに。
特に救急科や産科は常に異なる症例が多く、状況が刻々と変わるなど変化が激しいため、長期で活動するほど経験や知見が多くなると言えます。
長期参加におすすめの医療&ヘルスケア系プログラム
おわりに
長期海外ボランティアがおすすめな理由と共に、長期の海外ボランティアにおすすめのプログラムベスト5をお届けしました。
参加期間についていろいろ解説しましたが、まずは海外ボランティア活動に参加することに意義があると思います。
そこから見えてくる世界が必ずあるはず。
短期の海外ボランティアに参加し、ある程度あんばいを掴んでから長期の海外ボランティアに参加するのも良いでしょう。
参加期間で迷っている、自分はどのプログラムが良いか分からないという方は、ぜひ経験豊富なスタッフまでお気軽にご相談ください。