中村茂樹 | 2022年 11月 30日

Jambo! みなさんこんにちは、プロジェクトアブロード日本支店代表の中村です。

前回のフィジー渡航記から数年ぶりとなる今年2022年10月、東アフリカのタンザニアに行ってきました。

タンザニアはアフリカ大陸の中で一番人気と言っても過言ではないほど、人気の活動国です。

そこで、タンザニアとは一体どんな国なのか、みなさんにより身近に感じてもらえるよう、現場で体験したリアルな感想をお届けします!

タンザニアってどんな国?

今回の訪問で、中心都市ダルエスサラーム、一大観光地ザンジバル、プロジェクトアブロードがオフィスを構えるキリマンジャロという3つの場所を訪問しました。

今回の訪問を通して最も強く感じたことは、いずれの場所においても人と人との距離が近いということ。

どう見ても知り合い同士ではない、たまたまその場で出会っただけにも関わらず、お互いにフランクに声を掛け合うシーンは、日本ではあまりない光景かなと感じました。

至る所で地元の人が井戸端会議をしている様子からも、人々との距離の近さを感じました。

何回か利用したダラダラと呼ばれる乗り合いバスでは、スワヒリ語に不慣れな外国人(自分)が乗車していると、どこで降りるのか聞いてきてくれたり、ここで降りたいと意思表示するとそれを係の人に伝えてくれたりと、外国人に対しても気遣いをしてくれるものなのかなと思いました。

意外と(?)、イスラム教の人が多く、国全体でも約4割の人がイスラム教を信仰していて、ザンジバルにおいては95%ほどの人々がイスラム教徒だそうです。

今回は訪問していませんが、セレンゲティやンゴロンゴロ国立公園に代表されるサファリ、ザンジバルや国東部にあるリゾートと、タンザニアは観光資源も豊富な国です。

タンザニアの公用語はスワヒリ語ですが、中にはスワヒリ語ではなく地元の部族の言葉を話す人もいるとのことで、スワヒリ語をもってしても必ずしもすべての人とコミュニケーションを図れるわけでないということを初めて知りました。

タンザニアのキリマンジャロ市街の様子

タンザニアでの安全対策

アフリカで海外ボランティアと聞くと、多くの人が安全面やマラリアといった感染症を懸念すると思います。

まず治安に関しては、活動先および滞在先であるキリマンジャロにおいては、一般的に街中を歩いても大きな支障はないと感じました。

これは万国共通かもしれないですが、夜間の外出は現地スタッフからも推奨されていません。

どうしても夜間に外出、滞在先へ帰宅が必要な場合は、プロジェクトアブロードが提携しているドライバーの紹介も行っているので、安全に滞在先に戻れるよう配慮しています。

あとは感染症に関して。

A型肝炎や破傷風、狂犬病など、現地の日本大使館からもいろいろと推奨という形で案内していますが、これらの予防接種を打てば現地での滞在はより安心だと思います。

タンザニアで最も一般的な感染症はマラリアのようですが、キリマンジャロおよびアルーシャは他のタンザニアの地域に比べて気温も低く、マラリアを媒介する蚊はいないそうです(現地の医師情報)。

ただ、例えばダルエスサラームやザンジバルといった他の地域では、一般的にマラリアを媒介する蚊は存在するため、肌をなるべく露出しない服を着る、夜は蚊帳を利用して寝るといった対策が必要とのこと(プロジェクトアブロードの滞在先には蚊帳は備え付けられています)。

私がキリマンジャロに滞在していた時は、蚊はほとんどいませんでした。

犯罪や病気へのしっかりとした対策を怠らないように!

移動のためバスに乗り込むタンザニアのボランティアたち

タンザニア生活のあれこれ

今回の滞在中、あまり大きな不自由は感じなかったかなというのが率直な印象です。

滞在先のホストファミリー宅でほぼ毎日停電が起きたり、移動はガタガタな道が多い(幹線道路を除く)など、日本とは異なる環境ではあるけれども、それもある意味想定内。

プロジェクトアブロードのホストファミリー宅のように大きな家がある一方で、レンガ造りの古い家も多く、地域内格差というものも垣間見ることができたと思います。

食事に関しては、パンや目玉焼き、それにジュースといった欧米風なもの、パスタ、加えて日本と同じようにご飯と一緒に食べるカレーなどさまざま。

東アフリカで一般的なウガリも食べてきました。

あまり味付けは強くないのかなと?思いましたが、カレーなどと一緒に食べるとなかなかです。

地元の人はスプーンなどは使わず、器用に手で食べます。

10月という気候も関係していたのか、キリマンジャロは朝は15度位まで気温が下がり、ほぼ毎日曇りか雨。

決まって昼前ぐらいから天候が回復し、日中は半袖一枚でも過ごせるぐらいの気温でした。

タンザニアのホストファミリー宅での夕食

タンザニアのおすすめプログラム3選

おすすめ①:チャイルドケアの海外ボランティア

タンザニアでチャイルドケアの海外ボランティアプログラムは、市内から車で1時間弱ほどの場所にあるマサイスクールでの活動。

文字通りマサイ族の人々が利用している学校で、子供たちに英語を教えるといった活動に取り組みます。

マサイスクールは他のNGO団体などと協働ではなく、プロジェクトアブロード単独で運営されており、ここでの活動はプロジェクトアブロードのボランティアによって成り立っています。

マサイスクールに通う子供たちは、年齢別に3クラス、合計40~50名ほど。

教育や遊びの場を提供するマサイスクールでの活動は、子供好きな方、教育現場に携わってみたいと考えている方に特におすすめです。

おすすめ②:人権保護の海外インターンシップ

タンザニアで人権保護の海外インターンシップは、アルーシャ市内にある少年院などにおいて活動。

少年院に留置されている少年犯に直接携わりながら活動が行われています。

二人の社会福祉士が、現地プロジェクトアブロードスタッフと共にみなさんをサポートします。

ここでの活動は、日本では一般的に得ることができない内容ばかりです。

少年犯として留置されている一人ひとりの境遇を踏まえながら活動に取り組むため、犯罪が起きた背景なども学びつつ、途上国の厳しい環境下で暮らす人々に寄り添う機会になると感じました。

もちろん、活動を通して裁判所の訪問、地元弁護士の人とも関わりますが、法律や人権などの専門知識・経験がなくても、複雑な環境下で育ってきた一人間との関わりをもつ意義あるプログラムとしておすすめしたいです。

おすすめ③:マイクロファイナンスの海外インターンシップ

タンザニアでマイクロファイナンスの海外インターンシップは、地元の女性グループへの融資を行い、貧困状態からの脱却を目指すプログラム。

「金融の知識がないと難しいのでは?」と思う人も多いかもしれないですが、活動を通して何を行うべきか、把握すべきポイントは何か、プロジェクトアブロードの現地スタッフが細かくサポートを提供しています。

マイクロファイナンスという活動は、滞在しているだけではなかなか気づきにくい、地元の人々の生活の実態を垣間見ることができる貴重な活動ではないかと思います。

もちろん、ただ生活を垣間見るだけでなく、何をどうすれば経済的に困難な状況を改善できるかを思考する。

そして、そもそもの貧困の根源を把握しつつ、サポートを必要としている地元の女性たちに経済的に支援する活動は、開発などの分野に興味をもっている人にもおすすめできるかなと思います。

タンザニアにあるプロジェクトアブロード出資のマサイスクールで学ぶ子供たち

おわりに

いわゆる発展途上国、特にアフリカにおいて何かしらの活動をしてみたいと考えている場合、タンザニアはおすすめできる活動国の一つだと思います。

理由として、1つ目に、チャイルドケアおよび教育、建築、医療、人権およびマイクロファイナンスといった多岐にわたる活動を実施していること。

2つ目に、例年、日本も含め参加者が多く、さまざまな国の人たちと共に活動できる可能性が高いこと。

3つ目に、サファリ、マサイ族といったあまりアフリカに馴染みがない人にもイメージしやすい要素があることなどが挙げられます。

日本から片道20時間位かかりますが、乗り継ぎは一回で済むことも多く、遠いことに変わりないけれども中南米&カリブ海での海外ボランティアと比べると移動はまだ楽です。

アフリカの地で自分の足跡を残してみたいという方は、ぜひタンザニアで海外ボランティアも候補に入れてみてください。

その他、スタッフ渡航記~法律&人権 in 南アフリカ共和国編~もぜひあわせてご参考ください。

シェア:

SNSでのシェアやコメントをお願いします!