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斉藤 舞 - カンボジア 高校生スペシャル 公衆衛生

Projects Abroadとの出会い

高校生ボランティアが抱える途上国の医療活動に携わるという夢

2018年の夏、カンボジアでの公衆衛生プロジェクトに参加しました。Projects Abroadとの出会いはオンラインでの説明会です。私は、トビタテ!留学JAPANでボランティア留学をするためのエージェントの選択に迷っていました。そんなとき、Projects Abroadは安全管理が徹底されていて、活動も充実しているという話を聞きました。実際に説明会に参加したところ、自分のやりたいことである「発展途上国における医療の実情を学び、実際に医療活動をすること」が可能であり、日本人だけではなく、世界中の高校生たちと共に英語で活動できるという点に魅力を感じ、ここで頑張ろうと決めました。留学前は日本オフィスにメールやLINEで心配事を気軽に質問し、活動国が決まってからは、南アフリカオフィスのスタッフの方とSkypeを通して事前準備をしていく中で、現地での活動のイメージができるようになり、留学に対する不安は期待へと大きく変わっていきました。

渡航前は、現地語であるクメール語の基本的な会話を覚え、活動中に必要となる医療英語などの英単語学習に集中して取り組みました。予防接種に関しては特に決まりはないとのことでしたが、私は医療活動をするため推奨とされるものは全部打っていきました。その中でも狂犬病は、野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりして感染すると致死率が100%という恐ろしい病気です。実際カンボジアには犬、猫、サルなどが道の至る所にいたので、リスクを避けるためにもワクチンの接種は大切だと思いました。

日本を飛び出して見えた世界

カンボジアは世界遺産のアンコール・ワットなど歴史的建造物がある一方で、過去の内戦により、教育も医療も全て崩壊してしまった国です。日本からは比較的近いアジアの発展途上国のひとつですが、国際協力や途上国医療について学びたいと考えていた私は、Projects Abroadでこのプロジェクトを見つけたときワクワクした気持ちでいっぱいになりました。また、渡航前から同じプロジェクトに参加する仲間たちとSNSで繋がれたことはとても心強かったです。

日本からカンボジアへは直行便が出ていて、首都プノンペンへは約6時間で到着しました。飛行機の上空からふと下をみると、今まで目にしたことがないくらい広大な茶色い川、密集して建てられた赤い屋根の家の数々が見えてきて、異国に着いたなという感覚をはっきりと感じました。入国日はカンボジアで大統領選挙があり、暴動が起きるなど危険な日と言われていたのでとても不安でしたが無事到着することができました。

カンボジアの医療に携わりたいという思いから

高校生スペシャルプロジェクトで行ったカンボジアの子ども達への公衆衛生活動

活動場所は経済発展が著しいプノンペンの都市部ではなく、メコン川にあるKoh Dach Islandという貧困地域の島へ毎日フェリーに乗って行きました。プロジェクトメンバーは3人ずつのグループに分かれ、私はアメリカ人のキャロラインと香港のサムと一緒の活動班になりました。そこでは、小学校の子供たちの健康診断や傷口の消毒や手当てをし、髪の毛や耳や爪を掃除して汚れを綺麗にするなど、基本的なヘルスチェックを行ったあと、ビタミン剤を処方しました。最初の数日間は2人の話す会話についていけず、英語しか使えない状況での医療活動の難しさに焦りと不安を覚えました。またカンボジアは湿度が高く、蒸し暑い炎天下での作業は慣れるまでがきつく感じました。しかし、子供たちの生活環境や衛生とは決していえない状況を目の当たりにし、できるだけ多くの子供たちを清潔に、そして健康を守ってあげたいという思いでいっぱいになりました。

地域コミュニティでは訪問診療を行いました。そこでは、大人の方々の血圧や血糖値を測定し、現地の医師を介して問診をして患者さん一人一人に適した薬を処方し、歯ブラシなどの生活用品を配布しました。血糖値は実際に指に針を刺し採血して測定しました。日本にいては絶対に経験できない行為に触れることができ貴重な体験になりました。この島には病院はなく、人々の健康はこうしたボランティアによるアウトリーチ活動により支えられていると知りました。

その他の活動としては、子供たちの健康意識向上のため、模造紙にイラストを描いて小学校でレクチャーしたり、手洗い・歯磨き指導を行ったりしました。また、汚れがひどくて長い間使われていなかった小学校のトイレの清掃活動を行ったのですが、メンバーで協力して使える状態まで綺麗にすることができたときは、目に見える達成感を感じました。プノンペンの国立病院見学とカンボジアの医療について学ぶワークショップでは、日本の医療環境との違いを学びました。病院見学では、メディカルコーディネーターの方に解説してもらいながら全ての科を見学しました。そこでは、お金が払えないためベッドを使わずに床に寝て点滴をうけている患者さんがたくさんいて、ICUは仕切り扉などのプライバシーを守るものが何もなく、患者さんは外から見える状態でした。また医療機器は非常に少なく、床には血痕もたくさんあり、病院なのにこんなに不衛生で大丈夫なのだろうかと心配になりました。ワークショップでは、カンボジアのクメール医療という誤った伝統医療により、多くの人の命が失われていることや、クメールルージュの支配下で家族を亡くした悲しみに起因しておこる精神病患者の多さなど、その国独自の医療の現状を知ることができました。

最終日には、Home of hopeという障害を持つ方や精神的な病を抱えている方の暮らす施設を訪問し、食事の介助をし、施設の清掃をして、歯ブラシやシャンプーなどの生活用品を配布しました。素直で優しい方が多く、身体が不自由な中でも一生懸命に生きている姿に心を打たれました。

週末にはアンコール・ワット遺跡群を訪れる機会もあり、神秘的な歴史に触れる貴重な体験ができました。また、Killing FieldやS‐21というカンボジアの負の歴史がそのまま残された場所を訪れたときは、あまりにも残酷すぎて言葉を失いました。人間の偏った思想の恐ろしさや戦争の非情さを学ぶ機会となり、命の尊さや平和について深く考えさせられました。

医療の届かない場所に笑顔を

カンボジアの学校で日本の文化を紹介した高校生ボランティア

トビタテのアンバサダー活動の一環として、子供たちや外国人留学生に日本の書道文化を通して交流する時間をいただきました。小学校の子供たちには、うちわを用いた書道の授業を企画していました。日本からうちわを持参し、子供たちと一緒に筆を使って漢字や絵を書き、オリジナルなうちわを作ろうというもので、これは子供たちに日本文化の面白さを知ってもらうだけでなく、湿度が高く暑いカンボジアで、うちわをあおぎ涼しさを感じることで熱中症を予防することも目的としていました。企画当初はうちわを20本くらい持って行けばいいかなと考えていました。一方で南アフリカのスタッフの方と事前に話を進める中で、1クラスだけにうちわをあげると生徒間に不平等が生まれてしまうということや、書道が出来る環境が整っていないということがわかり、どうしたら現地の子どもたちに平等に書道を教えられるのかを留学直前までずっと悩みました。その結果、書道に必要な硯を小さなバケツに変え、ほかにもかさばるものは全て別のもので代用するなどして荷物を最小限にしました。その代わりにうちわを50本準備し、折り紙メダルを100個ほど作り、現地で子供たちに筆ペンで自分の名前を書いてもらえば場所を選ばず書道の面白さが伝わるのではないかと思い、学校の友達にもメダル作りを協力してもらい持っていきました。

小学校では、事前に聞いていたように、毎日予定がびっしりと詰まっている中で、十分な時間と場所を確保することは非常に困難でした。しかし、これまで準備してきた企画を断念したくなかったので、現地コーディネーターと交渉を重ね、健康診断と訪問診療の合間を縫って実行できることに決まりました。そして、当日。与えられた時間は30分でした。その中でどうやってクラス全員の子とうちわを作ろうか考えていたとき、公衆衛生のメンバー全員が私の活動に協力してくれ、みんなで一つのものを完成させることができました。活動後、子供たちがすごく楽しそうにうちわを振り回したり、あおいだりする姿を見ると、いくつもの困難があったけれどやってよかったと心から思いました。今でも忘れることのできない思い出です。貴重なボランティアの時間を割き、私の個人的な活動に協力してくれたメンバーとスタッフには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

医師になるという夢を胸に

高校生スペシャル参加者が抱く医師になってまたカンボジアに戻ってくるという夢

カンボジアで過ごした2週間は、最高に濃い14日間でした。毎日朝早くから夜遅くまで活動がぎっしり詰まっており、実践的な活動を通して途上国の医療の実情を見て学ぶことができ、そして実際に現地の人々と直接関わることができたのは忘れられない思い出です。初めての途上国では、最初の数日間は様々なカルチャーショックに苦しみました。滞在先の部屋では、日本では目にしたことがないような虫がたくさん出現したり、トイレットペーパーがなかったり、わずかしか出ない水で体を洗うなど、日本の恵まれた生活に慣れてしまっている私にとっては衝撃の連続でした。

また、活動についての説明や指示は全て英語で行われたのですが、特に処方する薬剤についての説明を受けるときに専門用語が飛び交っていて理解するのが大変でした。

2週間という期間は、長いようでいて本当にあっという間で、日がたつにつれて語学の面でも精神的にも全く成長できていない自分に焦りと孤独を感じ、日本に戻りたいと思う日もありました。しかし、ひとたび学校や地域コミュニティへ出向けば、そんな思いもすっかり忘れてしまうほどの笑顔がありました。いつ行っても、私の名前を覚えてくれて「マイ!」と笑顔で駆け寄り思いっきりハグしてくれた子供たち。言葉は通じなくても、表情やジェスチャーで分かり合える温かいものを感じました。公衆衛生活動中に目にした子どもたちの貧困と衛生状態。そして、都市部に病院が集中し、1番医師が必要な農村地域には医師がほとんどおらず、医療が平等に受けられないという現状。私がボランティアとして行えたことはほんの一部分であると思うし、高校生の私たちだけで解決できるような単純な問題ではないことがたくさんあるけれど、今回カンボジアに行ったからこそ見えた世界はとても大きく、この国や世界のためにこれから自分にできることはたくさんあるという考えに変わりました。

そして、同じ志を持つ仲間たちとこの思いを持続させていくことで、いつの日かカンボジアの国民全員が平等に医療を受けられ健康に過ごせる日が来るのではないかと思いました。

海外でボランティアをしてみたいと少しでも思われたら迷わず参加してほしいです。たくさんの選択肢のあるProjects Abroadのプロジェクトにきっと自分のやりたいことが見つかるはずです。短い期間ではありましたが、このプロジェクトに参加したことで、自分の未来につながる大きな一歩を踏み出すことができました。かけがえのない最高の仲間たちに出会えたこと、毎日夜遅くまで夢を語り合った時間、一つ屋根の下での共同生活だからこそできた異文化交流、仲間と協力して活動することを通して国際的な視野を持つことができました。このような経験をさせてくださったProjects Abroadに心から感謝しています。

帰国の際、現地の医師と「カンボジアに戻るとき、次は医師として」と約束しました。その約束を実現できるよう私も頑張ります。いつかまた、カンボジアでみんなと再会できる日を信じて。 Projects Abroadの皆様、カンボジアコーディネーターのKanithaとKimsong、2週間共に過ごした仲間達のことはいつまでも忘れません。本当にありがとうございました。

斉藤 舞

この体験談は、特定のプロジェクト活動、時期、期間に参加した一個人の経験に基づいて綴られています。プロジェクトアブロードの各プロジェクトは、現地の需要の変化や活動の進捗状況に応じて絶えず更新されるため、同じプロジェクトに参加しても体験者が語るストーリーとは異なる経験になることもあります。また、天候の違いなどによっても経験は大きく異なってきます。まずはこのプロジェクトの詳細を見てみよう。または経験豊富なスタッフに相談してみよう

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