国際医療支援の第一歩となる経験を

私は、2023年2月1日から2週間、プロジェクトアブロードの医療インターンシッププログラムに参加しました。

私は将来医師として、国際医療支援を行いたいと考えており、その第一歩として学生のうちに何か海外経験をしたいと思っていました。

そんな中、ガーナでチャイルドケアに参加した経験のある友達の紹介でプロジェクトアブロードの存在を知りました。

これは参加するしかないと思い、すぐにプログラムへの参加を決めました。

アフリカの医療の現状を知るために、ケニアでのプログラムに申し込みました。

青空が広がるケニアでの生活

活動先は、ケニアの首都ナイロビから車で3時間ほど離れたナニュキという町でした。

ナニュキは赤道直下に位置しており、雨はほとんど降らず毎日綺麗な青空が広がっていました。

2週間、ホストファミリーの家で過ごしました。

毎日母親と息子の手料理をいただきました。

部屋は、息子の部屋を借りました。

家の扉と敷地に入る扉に南京錠がかかっていたため、夜も安心して過ごすことができてよかったです。

病院での医療インターン活動

私が参加した医療プログラムでは、主に総合病院と産科病院で活動を行いました。

それに加えて、週に一度、町から離れた村に赴いて医療支援を行うボランティア活動も経験しました。

まず、病院での活動では、看護師さんの業務のサポートをし、medical officerといって医師に近い職種の方と共に患者さんの回診と医療面接・診察をしました。

日本の病院とは違いほとんど屋外のようなところで、真ん中には庭があり、患者さんは陽の光を浴びながら話をしていました。

現地の医療従事者は、一仕事終えるとチャイという砂糖の入った紅茶を飲み休憩するなど、日本とは違った仕事の雰囲気が個人的には興味深かったです。

病棟内は、男病棟・女病棟と、男女で病棟が分かれているところも日本とは異なる点でした。

日本での病院実習は医師について回診や検査・処置見学をするのがほとんどですが、ケニアで看護師やmedical officerなど他の職種の方と行動できたのは良い経験でした。

その病院では紙カルテを使っていたのですが、字が汚く医療従事者の方に一つひとつ聞かないと理解できないことが大変でした。

検査に関しては、超音波やレントゲン、採血キットなどの大方の機器が不足なく備わっていましたが、一方で建物は古く、病棟内も決してきれいとは言えない環境でした。

基本的に、現地の人々同士は英語でなく現地言語(スワヒリ語)を話すので、診察中は自分から質問しに行かないと置いてけぼりになってしまいます。

私たちメンバーはプロジェクトチームと合流して間もなく、現地の先生からスワヒリ語のレッスンを受けました。

そのレッスンでは、簡単な挨拶や病院で必要になる言葉(水、薬)などを教えていただきました。

そのおかげで患者さんとコミュニケーションをとることができました。

産科病院では、出産を控えた患者さんやお産を終えた方の診察を見学しました。

また、帝王切開の手術がある日は助手として実際に手術に入る経験もさせていただきました。

お産後は看護師さんにつき、新生児の採血をとったりビタミンを注入したりと、新生児ケアも経験することができました。

残念ながら、活動中に自然分娩に立ち会うことはできませんでした。

地域各所に出向いての国際医療支援

次に、村に赴く医療支援活動についてですが、ボランティアメンバー全員で、現地スタッフの方と協力し、患者さんの体温、血圧、血糖値などを測り、医療従事者と共に患者さんへん問診、薬の処方を行いました。

一緒について問診をした看護師さんには、それぞれの薬がどういうものでどの位の頻度で服用すべきなのかも詳しく教えていただきました。

活動で向かった村にはかかりつけの医者はいなく、ボランティアの活動なしでは診療を受けることも薬をもらうこともできません。

さらに、人々は雨がほとんど降らない乾いた土地に暮らしており、満足な水が得られない環境で暮らしていました。

私たちは、それぞれお金を出し合って水を買い、村の人々に配りました。

また、村にある小中学校へ行き、女子生徒向けにHPVワクチンの接種をしました。

ワクチン接種前には、スタッフが子宮頸がんに対するHPVワクチン接種の必要性を生徒に説明レクチャーしました。

このようなヘルスケアへの提供もボランティア活動の主な目的の一つであり、改めてボランティア活動の意義、大切さに気づきました。

ケニアは日本と比べて一般の人々に医療が行き届いていないため、我々のようなボランティアの介入が必要であるということを学びました。

国境を越えて医療を届けたい

今回のプロジェクトを通して、将来は医師として世界のどこかで医療を必要としている人々の助けになりたいという気持ちがさらに強くなりました。

これを読んでくださっている方の中には、ボランティア活動に興味はあるけど一歩踏み出す勇気がない方がいらっしゃるかと思いますが、自分が本当にやりたいことなのか、自分に合っていることなのかはまず経験してみないと分からないと思います。

そういう意味でも、高校生や学生など、若いうちに海外経験を積んでおくことは人生において重要な意味をもつのではないかと、今回の活動を通して気づきました。

ぜひ、新しいことに挑戦してみてください。

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ケニアで医療 八巻圭

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。