「いつか」が「今」になった瞬間

私がプロジェクトアブロードを知ったのは、友人のTwitterでした。

高校生の頃、地理の授業で発展途上国(ガーナ)について勉強したのがきっかけで、医師を目指した私ですが、これまで特段そのための何かをしてきたわけではありませんでした。

学生時代も興味はありましたが、なかなか行動に移す機会は少なく・・・

初期研修2年目の夏、たまたま友人のTwitterをみて、今年の夏休みを逃したらしばらくは長期休みなんてないだろうと思い、海外ボランティアに行くことを決断しました。

仕事の休みの関係で、1週間しか参加することが出来ず、参加可能な国も少なかったですが、選択肢にガーナがあったので、迷わずガーナに行くことに決めました。

予防接種やビザ取得など、時間の制約はギリギリでしたが、Projects Abroadの方のアドバイス等もあったおかげで無事参加することができました。

限られた時間で充実した日々

ガーナでは、初日のオリエンテーションで様々な診療科を見学させていただいた後、Accident and Emergency Departmentで活動させていただくことにしました。

3交代制で日勤勤務のみでしたが、多くの患者さんに関わることができました。

医師として診療は出来ませんでしたが(そのための手続きをしていないので)、看護師や医学生/看護学生と一緒にバイタル測定や、問診・身体診察をしました。

英語での診療は慣れず、また英語のアクセントも少し聞き慣れず、スムーズなコミュニケーションとはいかなかったですが、やることは普段の診療と変わらないな、という印象でした。

また、病院外での医療ということで、ハンセン病患者の集落に出向いての創部の処置や、少年サッカーチームへのBLS指導にも同行させていただきました。

プログラムの活動は8-15時だったので、それ以外の時間は自由時間として、滞在中の街を散策したり、買い物に行ったり、観光地に行ったりしました。

その他にも、同じ地域に来ている他の参加者とご飯を食べに行ったりしました。

実質5日間の滞在だったので、遠方には行けませんでしたが、十二分に楽しむことができました。

地域医療と医師の役割とは

ガーナでの1週間で経験したことを通じて、多くのことを考えるようになりました。

医師として、これが出来るようになった、この疾患の治療について詳しくなった、といった目に見える成長はないですが、そもそも医療の提供とは何かということを考えるようになりました。

日本と比べると、医療をするための物品・機材が不足しているのはもちろんですが、公衆衛生等といった面で環境整備が不十分ということもあり、医療だけではできることに限りがあると感じました。

医療環境を改善するためには、色んな分野での協力が必要だという当たり前のことに気づけたという点で視野が広がったと感じます。

また、日本とは違う医療環境に身を置くことで、今の医療環境がいかに恵まれているかを実感しました。

日本でも、地域によっては医療崩壊が問題になっていてそのために色んな取り組みがされていますが、日本とは全く違う「地域」に行って、医療に関わることで、「地域医療」とは何か、それに関して自分は医師としてどう関わりたいか、というのを考えるきっかけにもなりました。

今後、研修・仕事をして、精進していきながら、医療という形に限らず、何らかしらの形でまた関わっていきたいと思っています。

これから参加する方へ

1週間という短い期間でしたが、プログラムに参加して、本当によかったと思っています。

もちろん、期間が長ければ、より多くのことができたり、勉強できたりするとは思いますが、0(行ったことがない)と1(少しでも現地で関わったことがある)には大きな差があると思います。

もし、短期間だしどうしようかな、と悩んでいる人がいれば、是非実際に行動してみてほしいと思います。

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ガーナで医療 大石祐希

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。