はじめに

私は2014年11月に中国・上海の法律事務所でインターンシップを経験しました。

これからの人生やキャリア形成においても重要な貴重な体験ができたので、今後の参加者のみなさまの参考となるように体験談を書かせていただきます。

インターンシップに参加したきっかけ

私は、弁護士になることを目指して、日本のロースクールを卒業し、司法試験に合格しました。

法律家として働くためには司法試験合格後に司法修習生として一年間トレーニングを受ける必要がありますが、合格発表のあと司法修習が始まるまでの数ヶ月間は自由に使える時間であったため、その期間を利用して海外の法律事務所でインターンをしたいと考えました。

私は国際的なビジネスに関する仕事に興味があり、将来弁護士としてそのような仕事をしたいと考えていたので、海外でインターンをして実務的な経験を積むことでよりはっきりとした将来像を持てると思ったからです。

そこで、海外インターンについての情報をインターネットで探していたところ、プロジェクトアブロードのウェブサイトを見つけました。

プロジェクトアブロードでは上海と成都での法律プロジェクトが用意されていますが、これまで中国に行ったことがなく、中国語もほとんど分からない自分にとっては、アジアの国際ビジネスの拠点のひとつであり、日本企業も多く進出している都市である上海のほうが働きやすいだろうと考え、上海のプロジェクトに応募しました。

業務内容について

インターンとして配属された法律事務所は、上海のローカルファームでありながら、多くの日本企業をクライアントに抱える事務所で、弁護士やスタッフのなかにも日本語ができる人が何人かいました。

そのため、日本人である自分がインターンとして働くことで、日本法についてのリサーチやアドバイス、日本語での書面作成などの業務において役に立てることが多く、単に職業体験をするにとどまらず実質的な貢献ができたという点でとてもやりがいのある職場でした。

また、日本企業が上海に進出したりビジネスを行ったりするにあたって、法的に問題になりやすい点や日本企業が注意するべき点を、実際の事例から学ぶことができたのが大変面白かったです。

異なる法制度や文化のなかで事業をしようとすると、予想していなかったような問題に直面することがよくあります。適切なアドバイスをすることでそのような問題を解消する、というのが弁護士に求められる役割となりますが、実際にどのような場面において弁護士のアドバイスが必要とされているのかを学ぶことができ、とても貴重な経験となりました。

このように、主な仕事はリサーチや書面作成ですが、他にも、会議に参加させて頂いたり法廷に連れて行ってもらったり、いろいろな場面を見せていただきました。

さらに、インターンの終盤では、事務所の中国人弁護士に対して日本法のレクチャーをさせて頂く機会がありました。英語で1時間に渡る専門的な内容のプレゼンテーションをしたのは初めてのことだったので、これもまた素晴らしい経験となりました。

上海での生活について

上海は近年急速にインフラが整備され、高層ビルが次々と建設されていることもあり、東京での生活とほとんど変わらない水準で生活を送ることができます。

自動車の交通マナーの荒さや大気汚染など気をつけるべき点は当然ありますが、日常生活を送る上で不便に感じることはほとんどありませんでした。

日本と中国とで国は違うけれど、同じアジアということで親和性の高い文化なのだなということを改めて感じました。

また、困ったことがあったときでも、プロジェクトアブロードのスタッフに連絡をすればすぐに対応してもらえるので、とても心強かったです。

プロジェクトアブロードの他の参加者もたくさんおり、入れ替わりがありながら常時十数名のインターンやボランティアが上海に滞在していました。私のルームメイトはイタリア人、フランス人、ドイツ人と多様で、それ以外にも世界各国から集まった人々と交流することができ、楽しい思い出となりました。

参加者の交流のためのイベントが毎週用意されていて、ボーリングをしたり観光をしたりなど、とても充実した生活を送ることができました。

中国にいながらもヨーロッパの文化にも触れられるという点で、一石二鳥でお得な環境でした。

本場の中華料理はやはり格別ですし、素晴らしい夜景や多くの観光地など上海はとても魅力的な都市ですので、業務以外の面でもたくさん楽しい経験をすることができると思います。

おわりに

これから司法修習を経て無事に弁護士として働くことができたら、将来的に海外で働くような機会にも恵まれるかも知れませんし、そうでなくても国際的なビジネスに関わる仕事をする機会は多くあると思います。

そのようなときに、今回上海で経験したことをぜひ活かしていきたいと考えています。

人から話を聞いたり本で読んだりするのとは違い、自分で実際に現地に赴き、日本人として海外でどんな仕事ができて、どんな能力が必要なのかということを学ぶことは、とてもいい経験になりました。

皆さんも是非機会があれば中国でのプロジェクトに参加してみてください。

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中国で法律 丸山翔太郎

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。