プロジェクトへの参加を決めた理由

私は大学を卒業してから看護師・保健師として病院や地域で働いてきました。

学生時代にはCOVID‐19の感染拡大に伴い海外渡航を断念。

そのことを長年悔んでいました。

転職のタイミングで、海外に行きたい!と思い立ち、折角ならば何かに貢献しながら自身の経験や学びにつなげようと、気づけば海外ボランティアを検索していました。

このプロジェクトへの参加を決めた最大の理由は、医療資源が十分とはいえない国において、アウトリーチ型の保健活動を自分の目で確かめ、実際に携わりたいという思いからでした。

見つけたときには、これだ!と叫んでいました。

なぜ、自分が医療や健康を大切にしたいのか。

自分の原点を見直す機会にもしたいと思い、このプロジェクトへの参加を即決しました。

現地での生活の楽しみ方

活動の中心地であるカンボジアの首都プノンペンは、想像以上に発展とその影が混在している場所で、滞在した2週間は本当に濃密でした。

実際は、相手の話が聞き取れない、伝えたいことが伝わらないという場面に何度も陥り、毎日悔しさでいっぱいでした。

しかし、コーディネーターさんをはじめ活動先の人々は、つたない言語に対しても明るく優しく接してくださいました。

誰にでも誠実に向き合う姿勢でいると、自然と壁も乗り越えられる気がします。

クメール語は「○○って何と言いますか⁈」と英語で繰り返し聞き、練習しました。

自己紹介をして喜ばれたときの嬉しさはひとしおです。

活動には不安も伴いますが、常に楽しむ気持ちでいることが大切だと思います。

カンボジアの歴史や文化的背景は必ず現地で見聞きするので、事前に調べることをおすすめします。

滞在期間中、寮には世界各国からのボランティア参加者が集っていたため、食事の際に互いの国やその日の活動について話したり、カードゲームで盛り上がったりと交流も楽しめました。

寮の食事も本当に美味しくて、時にはお好み焼きが登場し嬉しかったです!

観光地へのおでかけなどは自由にアレンジができるので、他のボランティア参加者と歴史を学んだり、遺跡巡りをしたりしました。

様々な場所をまわる活動

活動の内容は学校や施設での健診、健康教育、地域住民のヘルスチェックなど多岐に渡ります。

医療コーディネーターさんとともにトゥクトゥクで様々な活動拠点に出向きました。

移動中、日本では目にすることのない数々の露店や混雑する道路状況、現地の人々の生活スタイルを目にし、生活環境と健康問題が密接していることもわかりました。

活動を通じて体感したショック

学校の健診においては、むし歯が深刻な状況にあるこどもが本当に多く、また慣習として残る民間療法を受けた跡を目の当たりにし、衝撃を受けました。

また地域住民に対するヘルスチェックでは、実際に血圧や血糖値の測定、問診に関わりました。

中には症状を多く抱えているにも関わらず、貧しさや多忙を要因として病院へのアクセスが難しいと感じる方々もおられました。

状況を一から変えるのはとても難しいことだと思います。

しかし、継続的な保健指導により意識や生活習慣を変えて、実際に数値が改善している方もおられたので、地道なアプローチがとても有意義であることを学びました。

時に感じる一生モノの感動

健康教育の一環でポスターを手作りして、私は日本のラジオ体操をこどもたちの前で実演し運動の重要性を説明しました。

その際に、こどもたちは目をキラキラ輝かせながら一緒に運動を楽しんでくれたので、とてもやりがいを感じました。

こどもたちから家庭にも広まってほしい限りです。

こどもたちは無邪気に楽しく迎えてくれ、この国に来て本当に良かったと何度も思いました。

施設では身体・知的障がいのあるこどもたちとおりがみや紙風船で遊び、リハビリテーションにも一緒に取り組みました。

出会った一人ひとりの笑顔はかけがえのない一生の宝物です。

自分なりの気づきとこれから

カンボジアでの2週間は短く、インターネットで検索したとて味わえない驚きや感動、責任感、達成感等を凝縮して感じられました。

今回の活動を通じて、医療や健康は人の命だけでなく笑顔や幸福をつなぐ揺るぎない賜物だとあらためて気づきました。

世界を自分自身で切り拓いたおかげで自身に対する問いの答えが一つみつけられた気がします。

活動に参加して本当に良かったです。

今回の学びと実感は、自分の今後の看護活動の原動力となるだけでなく、より多くの人に医療を通じた喜びを届けたいという新たな目標につながりました。

今はカンボジアの各施設に必要とされている物資を送るなどの支援を計画しています。

これから参加する方へ

このプログラムを通じて、医療者を目指す人であろうとなかろうと、人々の暮らしに触れてたくさんの笑顔に出会うことができると思います。

カンボジアにおける貧困や様々な健康問題、医療・教育格差といった数知れない課題と現状をみつめ、多くの人たちと交流できた経験は何にも代えがたい大きな財産です。

最後に、関わってくださった全ての人に感謝します。

またカンボジアを訪れる日を待ちわびています!

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カンボジアで医療 矢野沙幸

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。