将来へのヒントを見つけたい

私は大学に在学しているのですが、いまだに将来何をしたいかを決められないでいました。

生き物に関する仕事に就きたくて生物を学べる大学を選んだのですが、もっと具体的にどのようなことをしたいかということで悩んでいました。

そんな時に、このマダガスカルの環境保護活動を見つけました。

生物が好きなこともあり、環境保護活動などがしたいとぼんやり考えていたので、このようなプログラムがあると知った時にはとても惹きつけられました。

でも、マダガスカルは日本からとても遠いため、航空券にもだいぶお金がかかること、現地スタッフには日本語を話せる人はいないため、全て英語で会話しなければならないことなどから、とても迷いました。

しかし、元々自然の楽園であるマダガスカルに憧れを感じていたことと、自分の将来やりたいことに近く、何かヒントが見つけられるかもしれないと思ったことから、行くことを決意しました。

鳥の鳴き声と音楽で始まる日々

マダガスカルでの生活は、とにかく楽しかったです。

インドリの鳴き声と音楽を聞くことから1日が始まりました。

現地の人々は音楽が大好きなので、宿泊地では毎朝インドリの鳴き声と音楽が聞こえてきます。

ボランティア活動は、平日の朝8時過ぎから12時頃までと、14時過ぎから16、17時頃まで午後の活動で、昼休みは2時間ほどありました。

スケジュール予定はだいたい決まっていましたが、天気などによって変更することはよくありました。

主な活動である植林に関する活動は、植林のためのポットを作るところから始まり、ポットに詰めるための土を集める、ポットに土を詰める、土を詰めたポットに森林から取ってきた種を植える、水やりをする、植林をする、そして植林のための苗を育てている柵の手入れをすることまで続きます。

今まで「植林というのは木を植える事」というイメージでしたが、1から植林に関する作業を手伝い、ただ植えるだけが植林ではないと考えさせられました。

また、週2回行われる調査や、週1回行われるナイト・ウォークで実際に森に入り、野生の生き物を探しに行くのはとても楽しかったです。

動物園ですら見たことがないマダガスカルの固有の野生の生き物を見ることができて、とても興奮しました。

自由時間と食生活

休日はボランティア活動が休みなので、他のボランティアと国立公園などに遊びに行く、町を散歩する、お土産を買う、現地の子供たちとあそぶなどしていました。

マダガスカルの公用語はマダガスカル語とフランス語であるため、英語が話せる人は限られており、現地の人と会話することはあまりできませんでしたが、宿泊地に遊びにきていた現地の子供たちは写真や日本から持参したおりがみに興味津々だったので、おりがみで子供たちと一緒に遊んでいました。

また、食事がとても美味しかったです。

外国の食べ物は口に合わないことがあると聞くので少し不安でしたが、毎日いつでもおいしい食事を食べることができました。

朝はパンとコーヒーがメインでしたが、マダガスカルは日本と同じように米を主食としているので、昼か夜には米も出てきました。

たくさんの学びを得た

貧困国であるマダガスカルで英語だけで3週間環境保護活動に参加することは、たくさんの学びがありました。

まず、貧困国についてのこと。

日本よりも、人と人との距離が近いなと思いました。

日本はしっかり家を持っていて、パソコンだけで済ませられる仕事も多くあります。しかし、私のいた町では家の一つ一つも日本より小さく、売買が主な仕事であり、人と人が支えあって生きているような感じがしました。

技術の発展に伴って消えてしまった文化なのかなと思いました。

英語だけで生活することも初めての経験でした。

自分がどのくらい英語を話せるかわからないままにマダガスカルに行きましたが、なんとか現地の人とも他のボランティアともコミュニケーションは取れました。

文法が間違っていないかなどを気にするよりも、とにかく言いたいことを声に出してみる、話そうとしてみると、一生懸命意味を理解してくれたり、正しい単語を教えてくれたりするので、積極的に話すことは大事だと思いました。

しかし、次にどこか行くときはもう少し英語を勉強してから行きたいです。

そして、特にこのプログラムを通して、一番感じたのは、環境を保護するためには現地の人の生活を守るところから始めなければいけないということです。

活動先の町はかつて森林伐採をしてその木材を売ることで栄えた町でした。しかし、伐採してよい森林を伐採してしまい、現在、木材加工工場は廃業し、プロジェクトアブロードでやってきた外国人のボランティアがお金を落とすことが主な収入源になっている気がしました。

現地の人は収入を得るために自然を利用する必要があるけれども、それは環境破壊につながることがあるという事実があります。

環境を保護するために、私たち先進国に住んでいる人は現地の人の収入も考えなければならないなと思いました。

環境や生物、生態系だけではなく、貧困国についても学んで、どのようにしたら現地の人の収入を助けることができるのかを考えていきたいと思います。

3週間の経験を私の未来へ

1週間目は英語で話すことや、異文化に慣れることに一生懸命だったり、そこら中に生き物がいることが楽しくて、2週目に入ってから気が付いたことも多かったので、3週間いて良かったなと思います。

そして、また、他の国の様子も見てみたいと思うようになりました。

他の国も同じように環境保護活動が必要だとしても、異なる理由であると思うし、行ってみないとわからないことも多いと思ったからです。

そのように考えるきっかけにもなったので、マダガスカルでボランティアをしたことはかけがえのない経験です。

この経験を無駄にしないように、私の未来を作っていきたいと思います。

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マダガスカルで熱帯雨林保護 R.H.

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。