気候変動アクションプランに基づいて木を植えるボランティア

気候変動に対する行動計画

2021年、プロジェクトアブロードは「観光における気候変動対策に関するグラスゴー宣言」の創設メンバーとなり、Tourism Declares a Climate Emergencyの署名団体となりました。

Tourism Declaresは、観光業が世界規模でより良い未来を創造するために協力し合う、旅行団体の国際コミュニティです。

プロジェクトアブロードは、持続可能な渡航は地球の未来にとって不可欠であるという考えに乗っ取り、運営するプログラムは最大限・渡航は最小限の影響を与えられるよう努めています。

その努力の一環として、プロジェクトアブロードは気候変動に対する行動計画を策定。

二酸化炭素排出量の測定・削減・軽減という3原則から成るこの行動計画によって、プロジェクトアブロード自身の環境負荷に対する具体的な取り組みを実施しています。

1. 二酸化炭素排出量の測定方法

プロジェクトアブロードは、独立したコンサルタント機関CLevelにプロジェクトアブロードの二酸化炭素排出量を測定し、継続的な排出量の枠組みを作成するよう依頼しました。

CLevelは最新のDEFRA炭素換算係数を使用し、プロジェクトアブロードの二酸化炭素換算排出量を算出しました。

CLevelは、プロジェクトアブロードのオフィスの電力消費、スタッフの在宅勤務・通勤に加え、スタッフの活動国までの往復や活動国内での移動・滞在をもとに、全事業における排出量を算出。

また、CLevelは活動国内での移動、滞在、食事に基づき、ボランティア・インターン参加者の二酸化炭素換算排出量も算出しました。

これには、現地住人と比較して、訪問者としての参加者の消費量が相対的に高くなることを考慮した加算も含まれています。

計算方法

参加者一人当たりの平均二酸化炭素換算排出量は0.27トンです(この計算方法については、下記の「参加者による二酸化炭素換算排出量合計」をご覧ください)。

この数値は、一人で小型ガソリン車(1.4L以下)を1,500km運転した場合、約270kgの二酸化炭素を排出することを意味します。参考までに、これはプロジェクトアブロードの本社があるイギリスのブライトンとロンドン間の往復約10回分、ニューヨークとフィラデルフィア間の往復約5回分に相当します。

プログラム運営および参加者による二酸化炭素換算排出量の内訳は以下の通りです:

プログラム運営による二酸化炭素換算排出量合計(2023年1月~6月):65.8トン

  • エネルギー - 電力:7.9トン
  • 通勤+在宅勤務:6.1トン
  • スタッフの渡航:39.3トン
  • スタッフの滞在先:12.5トン

参加者による二酸化炭素換算排出量合計(2023年1月~6月):290.5トン

  • 滞在先:59.1トン
  • 食事:171.4トン
  • 空港送迎:2.1トン
  • 滞在先と活動先間の移動: 9.5トン
  • +20%:48.4トン

参加者が現地の住人よりもより多くの商品やサービス(ギフト、お土産、洗面用具など)を購入する可能性が高いという傾向を考慮し、すべての参加者の渡航で発生する二酸化炭素換算排出量の計算に20%を加えています。

参加者一人当たりの二酸化炭素換算排出量0.27トンは、上記の排出量合計を該当期間の参加者総数で割ったものです。

プログラム運営+参加者による二酸化炭素換算排出量合計:392.2トン

  • プログラム運営+参加者合計:356.5トン
  • +10%:35.7トン

念のため、予想外の誤差も考慮して不測事態分の10%も計算に入れています。

プロジェクトアブロードは、今後この確立された計算方法をさらに発展させ、データの入手可能になるにつれて新しい手法を盛り込んでいきたいと考えています。

上記でご紹介した計算方法について、さらに詳しく解説していきます:

オフィスのエネルギー消費:

プロジェクトアブロードのオフィスの二酸化炭素換算排出量合計は、7.91トンでした。

在宅勤務の推計値も含めると、合計13.91トンになります。

空港送迎および滞在先と活動先間の送迎:

現地空港と滞在先間の自家用車での平均移動距離(km)を記録の上、総移動距離に空港送迎の回数を掛け合わせました。

参加者の滞在先と活動先間の往復の移動は、移動手段(バス、タクシー、船など)に基づいて平均距離を算出しています。

例えば、トゥクトゥクの1km当たりの二酸化炭素換算排出量は2kgなど、現地のデータが存在する場合はそのデータを採用。

マタトゥ(ケニアのミニバス)のようにデータがない場合は、代わりに公共バスの数値を採用しました。

排出量を過小評価しないよう、常に排出総量が多いと予想される代表的な代替案を選んでいます。

食事:

総食事日数を算出するため、報告期間中の参加者とスタッフの総労働日数を計算しました。

各食事の総食事日数は、以下の一日当たりの二酸化炭素換算排出量を掛け合わせています:

  • 肉食:5.63kg
  • ベジタリアン:3.81kg
  • ヴィーガン:2.89kg

上記の排出量は、2014年の研究「英国における肉食、魚食、ベジタリアン、ヴィーガンの食事による温室効果ガス排出量」に基づくものです。

食品の排出量については、プロジェクトアブロードの活動国で信頼できるデータが存在しなかったため、活動国よりも高いであろう英国の排出量を採用しています。

滞在先:

ボランティアやインターンが滞在する宿泊施設は、以下の4タイプです:

  1. ホストファミリー
  2. ホテル
  3. ゲストハウス
  4. キャンプ/太陽光発電エコロッジ

CLevelがタイプ別の総宿泊数を計算し、各国の係数を掛け合わせました。

各国のホテル客室数/泊数は、英国政府発表の数値を参考にしています。

データがない場合は、一番近い代表的な国の入手可能な数値を使用しています。

スタッフと参加者のフライト:

プロジェクトアブロードは、参加者のフライトまでに直接的な影響力を及ぼすことができないため、参加者のフライトは計算に含まれていません。

ただし、スタッフや参加者が簡単にフライトの二酸化炭素換算排出量を計算し、相殺できるよう、専用の計算機を導入しています。

2. 二酸化炭素排出量の削減方法

プロジェクトアブロードは、二酸化炭素排出量を削減する最善の方法はそもそも二酸化炭素を排出しないことであると考えています。

これを最優先事項とし、排出量を削減するために、常にプログラムの見直しを実施しています。

現在と今後予定している削減への取り組みは以下の通りです:

現在の取り組み:

  • 可能な限り二酸化炭素排出量を削減できるよう、すべてのプログラムの順応に努める(例えば、国内線のフライトを電車やその他の公共交通機関に置き換える、地元の食材を調達する、週末の自由行動における観光などに相乗りのオプションを手配するなどを含む)
  • 環境保護プログラムに関する認識促進キャンペーンを実施し、一般の人々や参加者に気候変動に配慮した選択を促す
  • リサイクルされたペットボトルを再利用して、現地の学校に有機菜園の設置に努める
  • 海洋環境保護プログラムにおいて、プラスチックゴミの回収に特化した取り組みを実施する
  • ボランティアやインターンに乗り継ぎのない直行便を選び、森林再生活動を支援することでフライトによる二酸化炭素排出量吸収の検討を呼びかける

今後予定する取り組み:

  • 渡航中の使い捨てプラスチックの使用をなくし、再利用可能な素材に置き換える(プラスチックの生成から廃棄において、多くの二酸化炭素を排出)
  • 古い技術機器、生ゴミ、家具など、オフィスの廃棄物はすべて計量し、リサイクルする
  • 紙の利用をなくす
  • ボランティアやインターンが徒歩や自転車で通勤できる滞在先をさらに採用する
  • 可能な限り公共交通機関を利用するよう、全員に働きかける

3. 二酸化炭素排出の軽減方法

プロジェクトアブロードは、二酸化炭素排出量を相殺するだけでなく、排出量の相殺を遥かに超える森林再生に投資することに全力投球しています。

その主な取り組みは以下の通りです:

予想外の誤差も考慮:

プロジェクトアブロードは二酸化炭素換算排出量(100%)を計算の上、予想外の誤差も考慮して不測事態分の10%も加えています。

排出量の相殺:

プロジェクトアブロードは、Ecologiとの提携により、すべての二酸化炭素排出量を相殺しています。

上記の計算では、2023年1月~6月までに二酸化炭素換算排出量は356.5トンが排出です。10%を加えると、392.2トン分の排出量を相殺したことになります。

こうして、自然保護地域の拡大、持続可能な暮らしの支援、劣化した景観の回復、温室効果ガス排出回避の促進に貢献しています。

植林活動:

プロジェクトアブロードは、単に二酸化炭素排出量を相殺するだけにとどまらず、排出量以上の二酸化炭素を吸収することに専心しています。

具体的には、まずEcologiを通じてカーボン・ニュートラルを達成し、Ecologiとプロジェクトアブロードの温室効果ガス管理プログラムを通じて、参加者が一人増える度に一本の木を植える植林活動を実施。

環境保護プログラムの重要な一環であるこの取り組みは、2015年以来13万本以上の植樹を達成しました。

内8万本を占めるマングローブは、気候変動との闘いにおいて極めて重要な役割を担っており、他の森林に比べて二酸化炭素の蓄積効率が最大で4倍も高いと言われています。

特筆すべきは、フィジーでの取り組みだけで、2014年のプログラム開始以来、ボランティアが6万平方メートル以上のマングローブを植林し、国連開発計画からも取り上げられているほどです。

このアプローチは、単に排出量を相殺するだけでなく、環境回復と持続可能性に積極的に貢献し、気候変動との闘いに永続的な影響を与えることを保証しています。

将来の計画:継続的なコミットメント

プロジェクトアブロードは、持続可能な取り組みにおいて完璧を目指す一方で、まだ道のりは長いことを理解しています。

そんな中、プロジェクトアブロードは海外への渡航が問題の一部となるのではなく、むしろ解決策の一部になることを目指し、進捗状況や調査結果を透明性をもって共有することに全力を注いでいます。

プロジェクトアブロードのコミットメントは、参加者やスタッフだけでなく、気候危機の影響を最も受けやすい提携コミュニティにも向けられます。

プロジェクトアブロードの最優先事項は、すべての工程から二酸化炭素の排出をできる限り削減することです。

というのも、気候変動への最善の対処法は、そもそも二酸化炭素を排出しないことだと考えているからです。

プロジェクトアブロードは毎年事業計画を見直し、より効率化できるエリアの特定と実行を予定しています。

今後も継続的に進捗状況をアップデートし、最新情報をメールマガジンで発信していく次第です。

 

違いを生み出す一員へ

気候変動に対するプロジェクトアブロードの行動計画改善に役立つご意見やご提案がありましたら、ぜひ info@projects-abroad.jp までご連絡ください。

プロジェクトアブロードは、地球の今と未来に長期的な変化をもたらすこの行動計画を推し進めるべく、環境保護ボランティアを募集しています。

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