発展途上国での海外ボランティア参加にあたって、滞在先は非常に気になるところですよね。
結論、至ってシンプル。
一般的な日本の住宅事情と比べると、発展途上国の滞在先は設備もデザインも質素に感じるかもしれません。
生活環境が変わると、抱いていた期待と現実のギャップや予想外の不便さからのストレスを感じ、ホームシックになってしまうことさえあります。
そんなストレスを極力減らすには、まず現地の滞在先事情をきちんと理解することから。
そこで、このブログでは滞在先の「あるある」事情を包み隠さずご紹介します!
①立地
海外ボランティア中の滞在先は、基本的に以下を基準に選定されることがほとんどです:
- その時の滞在先の空き状況
- 活動先からの距離
活動先が決まり次第、活動拠点周辺にある数ある滞在先の中から、活動先になるべく近い滞在先を手配。
徒歩またはバスなどの公共交通を使って、容易に通える距離感です。
時間換算だと、だいたい1時間圏内。
環境保護の海外ボランティアなど、活動によっては滞在先が活動先に併設されている場合もあります。
②ホストファミリー
ホストファミリーと聞くと、ホストマザーがいて、ホストファザーがいて、子供が2人いる円満な家庭を描く方も多いことでしょう。
しかし現地には、日本同様またはそれ以上にさまざまな家族の形態や家庭それぞれの事情があります。
例えば、子供がすでに独立し、シンプルな生活を営む老夫婦の家庭。
仕事で忙しいキャリアウーマンのホストマザーに代わって、お手伝いさんが家のことをすべて取り仕切り、ボランティアとも接点が多い家庭。
2世帯以上の大家族の家庭。
大きな門構えに加え、母屋に加えて離れも構え、一度に複数名のボランティアを受け入れる余裕がある家庭。
シングルマザーの家庭。
どのホストファミリーにあたっても、ぜひありのままに受け止め、出会いやご縁を大切にしてくださいね。
ちなみに、ホストファミリー宅はその時の空き状況や活動先からの距離などの地理的な条件から決まりますが、「猫アレルギーなので、ペットを飼っていない家庭がよい」などのリクエストが可能です。
ホストファミリーの他にも、海外ボランティア中の滞在先はさまざまあります。よろしければあわせてご参考ください。
③食事
滞在先での食事は、以下の方々によって準備されます:
- ホストファミリー宅:ホストファミリーまたはお手伝いさん
- 共同宿泊施設(ボランティア寮など):専属の料理担当
現地では、一日3食の食事が提供されます。
朝食は、食パンやフルーツ、ヨーグルト、シリアルなどのセルフサービスがよくあるパターン。
昼食は、ホストファミリーまたは滞在先の料理担当が用意してくれたサンドイッチとフルーツをはじめ、さまざまです。
夕食は、滞在先でいただきます。
食事の内容は、基本的に現地の人々が普段の生活で食されるものです。
日本でも和食だけでなく洋食が食卓に出てくるように、日によってはピザやパスタなどの洋食も出てくるかもしれません。
「日本食が食べたい!」など、食事のメニューそのものを変更することは難しいですが、「もっと野菜を食べたい」「量が多い・少ない」など、要望があればすぐに滞在先の方またはプロジェクトアブロードの現地スタッフにご相談ください。
食品アレルギーや嗜好(ベジタリアン、辛くない料理など)にも、ちゃんと対応してくれます。
ちなみに、滞在先では十分な飲料水が提供されます。
④Wi-Fi
基本的に、滞在先にはWi-Fi環境は整っていないことを心得ておきましょう。
インターネットは、現地のSIMカードを購入する、またはe-SIMを用意すれば、現地でもアクセスが可能になります。
その他、Wi-Fi設備があるプロジェクトアブロードの現地オフィス、地元のカフェやレストランなどの利用も考えられます。
補足として、稀にWi-Fi環境が整っているホストファミリー宅にあたったら、Wi-Fiを使わせてもらえることもあります(有料)。
ボランティア寮やホテルなどの一部の共同宿泊施設では、Wi-Fi接続が可能です。
とは言っても、現地ではどこもネットのスピードが遅い、接続が悪いことはよくありますので、あしからず。
これを機に、ネット接続は二の次にして「目の前にいる人とこの瞬間を存分に楽しもう!」と切り替えてみては?
⑤部屋
通常、同性2人以上と部屋を共有することになります。
各部屋には、人数分のベッドがあります。
ベッドは、基本的にシングルベッド。
環境保護活動の共同宿泊施設では、2段ベッドが主流です。
滞在先によって、部屋にシンプルなクローゼット、机、金庫なども備わっていることもあります。
ちなみに、日本では家の中に虫が出たらわりと大ごとになりますが、発展途上国では家の中でも普通に虫が出たりします。
そして、寝室、シャワールーム、トイレなど、場所を選びません。
ワイルドですね~!
日本の住居は、靴を脱いで屋内と屋外をきっちり分ける上、家の密閉度が高いからでしょうか。
活動国の中には、靴を履いたまま屋内に上がる国もありますし、「虫がいるから何なの」という感じで誰もあまり気にしません。
でも大丈夫。住めば都、すぐ慣れます 笑
ただ、虫が嫌いで「虫が怖くて眠れなかった」なんて女性ボランティアも過去にはいたので、気になる方はぜひ対策を!
⑥シャワー
発展途上国では、お湯はあたり前ではないんです!
基本的に、滞在先のシャワーは常温。
お湯がでてきたら、「ラッキー!」くらいに思うと良いでしょう。
また、水圧が弱いことが多いので、水が惜しみなく出る日本のシャワーを期待するのはちょっと禁物。
一部の活動国では、バケツシャワーもあります(大きなバケツに貯められた水を、小さなバケツですくってかけ流す)。
例えば、ガーナで海外ボランティア・インターンシップの場合。
ホストファミリー宅には、タイル張りの浴室のみがあり、水は庭にある井戸や貯水タンクからバケツ2杯分ほどを汲んで浴室に持ち込み、バケツ2杯分で体から頭まで全て洗う必要がある場合もあります。
こんな経験、人生で何度できますか?
常温と言えど、最初は凍えるほど寒く感じ、お湯が恋しくなるかもしれません。
でも経験から言って、いずれ慣れます 笑
過去に参加したボランティアのみなさんは、夕陽が沈む前にシャワーを浴びて、シャワー後になるべく寒く感じないよう工夫したなど、すばらしい適応能力を発揮しています。
きっとあなたも、日本の生活がいかに世界の「あたり前」でないかを、身をもって学ぶことになるでしょう。
ちなみに、タオル類は忘れずに持参しましょう(参考:海外ボランティア渡航前必読!みんながすすめる持ち物リスト39 )。
⑦トイレ
海外ボランティア中の滞在先のトイレは、多くの場合が日本でいうユニットバス。
つまり、一つの部屋の中にシャワーとトイレがあります。
基本的に、ホストファミリーまたは他のボランティアと共有です。
突然ですが、トイレットペーパーをトイレに流さない国があることをご存知でしたか?
活動国でいえば、特に東南アジア諸国。
では、「一体どうすればよいの?!おしりを拭かないの???」
なんて当惑されるかもしれませんが、使用済みのトイレットペーパーを備え付けのゴミ箱に捨てれば大丈夫です。
発展途上国のトイレは、水圧が弱い、パイプが狭いことが多いのです。
したがって、つい長年の習慣でうっかりトイレットペーパーを流してしまうと、トイレが詰まる原因に。
また、レバーを引けば水が流れるのではなく、備え付けのバケツから水をすくって流す場合もあります。
その他、滞在先やその他の場所のトイレに入ると、便座があえて取り外されている場合があります。
便座がない場合、人によって対応方法は異なりますが、中腰で用を足す方もいれば、ウェットティッシュで肌が触れる部分を拭いてから軽く座るという方もいます。
加えて、外出先のトイレではトイレットペーパーが常備されていないこともめずらしくありません。
なので、リュックなどにトイレットペーパーや除菌シートを入れておくと安心。
ぜひ、発展途上国のオモシロ・トイレ事情を体験してきてください。
帰国後、温かい便座、ウォシュレット機能、自動水洗、便ふた自動開閉など、トイレ先進国・日本のトイレ技術とトイレへの熱いこだわりを再発見することになるでしょう。
⑨洗濯
海外ボランティア中の基本的に、手洗いです。
過去に参加したボランティアの中には、折り畳めるハンガーや洗濯板などを持参し、工夫した方もいました(参考:海外ボランティア渡航前必読!みんながすすめる持ち物リスト39 )。
洗濯の手洗いのやり方はYoutubeなどで紹介されていますので、渡航前に予習しておくのがおすすめです。
ホストファミリー宅によっては、家族の分と一緒に洗ってくれる、稀に洗濯機がある場合は洗濯機を使わせてくれる、有料で洗濯してくれるなどさまざまですので、その家のハウスルールを確認しましょう。
近所にランドリー屋さんがあれば、そこに洗濯をお願いすることも可能です。通常、洗濯・乾燥後、畳んだ状態で返却されます。
例えば、カンボジアでは、1USドル/1kg前後と比較的安くお願いできます。
ただ、現地のランドリー屋さんにお願いして、ちょっとしたハプニングを経験したボランティアもいます。
シミがついて返ってきた、服が縮んだ、Tシャツをなくされた、他の人のくつ下が混ざっていた、思ったよりも返却に時間がかかったなどの例が報告されています。
お気に入りの服は、特にご注意を。
余談ですが、滞在先がホテルなどでない限り、タオル類は持参しましょう。

⑪停電・断水
発展途上国では、裕福さに関わらずインフラの影響を受けることが多々あります。
そのため、海外ボランティアで現地滞在中に、停電や断水などの不便な時間を過ごす場合があるかもしれません。
その地域の電力事情による影響が大いですが、1週間のうち1日~2日程度停電することもザラにあります。
停電は、1時間ほどで復旧することもあれば、夜通し停電ということもあり得るので、スマホなどはできる時に充電しておくのがおすすめ。
もしくは、モバイルバッテリーなどをあらかじめ持参するとより安心です。
おすすめは、停電時は「しゃべるための時間」と考えること。
例えば、タンザニアで海外ボランティア中に、家の敷地にいるセキュリティーガードの方と話し、星空を見ながらスワヒリ語を学んだボランティアもいます。
断水の時は、買っておいたミネラルウォーターでタオルを濡らして体を拭いたり、日本のドラッグストアで買っておいたボディーシートやフェイスシートで体を拭くなどの対応が考えられます。
おわりに
このブログでは、発展途上国で海外ボランティア中の滞在先について掘り下げてみました。
毎日の生活に関わる滞在先事情を事前にきちんと理解することによって、現地生活への順応に役立てていただければうれしいです。
特定の活動国・活動の滞在先についてより詳しく知りたい、もっと写真を見たいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
日本支店のスタッフは、各国の滞在先を視察し、実際に宿泊したケースもあるので、実体験からのアドバイスが可能です。