挑戦してみたい

大学在学中に国際協力に関わるプログラムを探していた際、母が見つけてくれたのがプロジェクトアブロードでした。

海外で実践的な活動ができること、そして医療や福祉分野に特化したプログラムが用意されていることを知り、「ここなら自分の将来につながる経験ができるかもしれない」と強く感じたのを覚えています。

初めて情報を目にしたとき、不安よりも期待の方が大きく、自然と挑戦してみたいという気持ちが湧いてきました。

安心して参加できると思った

数ある海外ボランティアの中からプロジェクトアブロードを選んだ理由は、世界各国から参加者が集まり、多様な価値観を持つ人々と交流できる点に大きな魅力を感じたからです。

また、LINEを通じて個別相談ができたことも安心材料の一つでした。

海外渡航や医療ボランティアに対する疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消していただけたことで、「ここなら安心して参加できる」と思い、最終的に申し込みを決意しました。

選んだ舞台はタンザニア

私は将来、国際助産師として世界で活躍することを目標にしており、参加するプログラムは助産ボランティアに絞って検討しました。

その中でタンザニアを選んだ理由は、アフリカ諸国の中でも比較的治安が安定しており、初めての海外長期滞在でも安心して生活できると感じたからです。

また、動物が好きな私にとってサファリで有名な国であることも大きな決め手となりました。

医療活動だけでなく、その土地ならではの文化や自然に触れられる点にも惹かれました。

日本では得られない活動経験

現地では主に分娩棟で活動し、分娩前の妊婦さんの血圧や血糖、子宮底長の測定を行いました。

さらに、帝王切開や経腟分娩の見学、新生児の体重測定や血糖測定、アイクリームの塗布など、新生児ケアにも関わることができました。

妊婦さんや褥婦さんへのケアを実際に行う中で、日本での学校実習とは異なる、より実践的な学びを得ることができました。

日本では2週間かけて1〜2人の患者さんを丁寧にアセスメントしますが、ここでは3週間を通して15件以上のお産に立ち会い、実際にケアに参加することができたことは、非常に貴重な経験となりました。

思い出あふれるタンザニア生活

現地での生活も、このプログラムの大きな魅力の一つでした。

トゥクトゥクに乗って自由に移動できたため、平日は勤務後に地元のスーパーやマサイマーケットへ出かけ、休日にはサファリツアーに参加しました。

現地で出会った友人と急遽予定を立ててザンジバルを訪れたこともあり、行動力や柔軟性が自然と身についたと感じています。

一度ボダボダ(バス)にも挑戦しましたが、バス停や料金が分からず長い距離を歩くことになり、途中で諦めたことも今では良い思い出です。

ホストファミリーはとても温かく、現地の料理や生活習慣、マサイマーケットでの買い物の仕方など、さまざまなことを教えてくれました。

お互いに日本語とスワヒリ語を教え合う時間もあり、心に残る交流となりました。

現場で得た学び

このプログラムを通して、日本とタンザニアの医療の違いを肌で感じました。

発展途上国では技術が不足しているというよりも、医療資源そのものが圧倒的に不足しているという現実を知りました。

自分で持参した布を敷いて処置を行ったり、消毒途中の器具を使用せざるを得なかったりする場面もあり、衛生環境が医療の質に直結していることを実感しました。

NICUは存在していましたが、保育器一つに二人の新生児が入っていたり、呼吸器が足りずに救えない命があったりと、日本ではなかなか経験できない厳しい現状も目の当たりにしました。

また、患者さんへの関わり方にも大きな違いがありました。

日本では丁寧な声かけやケアが重視されますが、こちらでは陣痛緩和が行われる場面はほとんどなく、産後もすぐに歩行を促していました。

言語の違いも影響しているとは思いますが、語気が強く感じられたり、距離を取ったまま大きな声で会話をしたり、カーテンがなくプライバシーへの配慮が十分でないと感じる場面もありました。

こうした経験から、医療は文化や社会背景と深く結びついているのだと強く考えさせられました。

世界中の妊産婦と赤ちゃんを支えたい

今回タンザニアの医療現場を経験したことで、日本との違いを知ると同時に、より多くの国の医療を見てみたいという思いが芽生えました。

発展途上国では他にどのような課題があるのか、また先進国であっても医療費の自己負担が高額な国ではどのような医療が提供されているのかなど、新たな疑問が次々と生まれました。

今回は産後ケアについて十分に学ぶ余裕がなかったため、今後は資格を取得し、経験を積んだ上で、再び海外の医療現場に挑戦したいと考えています。

もともと国際助産師を目指していましたが、この経験を通して、日本だけでなく世界中の妊産婦と赤ちゃんを支えたいという思いが、より一層強くなりました。

これから参加する方へ

これからプロジェクトアブロードへの参加を検討している方には、英語力や海外生活に不安があっても、少しでも「行ってみたい」という気持ちがあるなら、ぜひ一歩踏み出してほしいと思います。

プロジェクトアブロードのスタッフの方々はもちろん、現地の病院関係者や街で出会うタンザニアの人々も本当に明るく親切で、常に支えてくれました。

このプログラムで過ごした時間は、私にとってかけがえのない財産であり、将来への大きな原動力となっています。

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タンザニアで助産師の海外インターンシップに参加した松本夢さんと現地のスタッフ

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。