現状に向き合った経験を

元々将来の夢が医師になることで、昨年夏にフィリピンでスラムを目にした時から、発展途上国の医療について興味を持つようになりました。

そこで、ただの滞在よりも、深く現地の雰囲気や実状を体感できるボランティアという形で学ぼうと決めました。

治安が比較的良好であることと、アジアの中では最貧国の一つとも言われていることから、ネパールを滞在先に選びました。

渡航前は、あまり不安はなく楽しみでした。

現地で病院を見学するということは知っていたので、日本とネパールとの統計などを比較して、できるだけ多くのことを学んできたいと思っていました。

また、他国の同じ志を持った高校生と交流できることも非常に楽しみでした。

適応能力が試された活動

現地では、病院見学がメインでした。

大学病院を中心に、眼科や家族計画のクリニックも訪れました。

大学病院では診療科の選択が非常に重要で、かなり科ごとの差が顕著に表れていました。

中でも手術見学は人気だったのですが、私はむしろ基礎的な医療に興味を持っていたため、自分が見学したい科を見ることができました。

大学病院で整形外科の病棟を見学した際に、看護師が素手で昼食をとっていたのを目にして、比較的大規模な医療機関でも、衛生的にはまだまだ改善の余地があると知りました。

もちろん文化的な側面もあるとは思いますが、医療技術や設備だけでなく、衛生に関する意識も含めて向上させていく必要があるのだなと感じました。

大学病院以外でも、基本的には誰かに相手をしてもらうのではなく、自分から先生方や看護師の方々に話しかけていく必要があり、数日間は少し戸惑いました。

実際に仕事を行なっているため、手が空いている時間に思い切って話を伺いにいかなければなりませんでした。

最初のうちはどうしてもためらってしまい、思うように会話できなかったこともありました。

また話を伺えるタイミングがいつ来るかわからないため、興味を持った点や疑問などを素早くまとめておく必要があり、かなり大変でした。

しかしその分学べたことも大きく、非常に貴重な経験でした。

また、英語で聞きたいことが思うように聞けず、苦労しました。

日常会話にはある程度自信を持って臨んだつもりだったのですが、例えば小児科や整形外科など医療における基礎中の基礎の単語も知らず、ろくに勉強しなかった自分を本当に後悔しました。

その後は、医療英語を必死に調べながらたくさんお話を伺うことができ、良い経験になりました。

ネパール生活

滞在先はホテルで、数時間に一度停電はありましたが、特に不便な点はなく概ね快適でした。

ただ、メインのカトマンズのホテルでは、マイページには温水を使用できると記載されていたにも関わらず使用できなかったため、そこに関しては出ないこともあると明記していただきたく思います。

洗濯は、ルームサービスがあったため、全く不自由しませんでした。

食事に関しては、安全で美味しいものが多く、他の参加者も含めてとてもよかったです。

ルームメイトは1人のみでしたが(2人部屋なので)、参加者全体として仲が良く、関係は非常に良好でした。

感じた自分の成長

一番の成長は、初対面の人にもガツガツ行けるようになったことです。

度々述べてきたように、スタッフの方とお話させていただくのは本当にタイミングが重要で、恥ずかしがったり躊躇している余裕がありませんでした。

以前はそこで相手に迷惑かもしれないなどと心配して、結局積極的に関わりに行けなかったのですが、今回医師の方々などが本当に丁寧に対応してくださって、踏ん切りがつくようになりました。

もちろんTPOは重要ですが、いらぬ遠慮でチャンスを逃すことがなくなり、成長できたと実感しています。

すべてが、自分を築く糧に

全体的には、スケジュールの変更や急なトラブルなど、予定と違うこともありましたが、それも含めて非常に貴重で面白い滞在でした。

病院での見学だけでなく、他国の高校生と交流できたことも、また本当に刺激的でモチベーションをもらえました。

今後もこの経験を活かして、次のステップへ向けて努力していきたいと思います。

ありがとうございました。

今後は、まず日本国内で医学部に進学し、医師を目指そうと思っています。

もちろん医師になるためには難関がいくつもあると思いますが、今回の経験をモチベーションに目標を達成したいです。

その後は、WHOなども視野に入れながら、医師として幅広く活動していけたらいいなと思っています。

これから参加する高校生へ

現地の方と交流するにも、他の参加者と仲良くなるにも、一番大事なのは積極性です。

どうせ数週間なのだから、細かいことは気にせず、まず一言話しかけてみてください。

学べることが何倍にもなります。

そして最後に、専門英語はしっかり勉強していくことを強くオススメします。

今後参加するみなさんの活躍を心から祈っています。

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ネパールで医療 浅岡秀輔

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。