新しい経験がしてみたい!

私は医学部3年生の3月の2週間、ケニアの医療インターンシップに参加しました。

理由は、人生で一度アフリカに行ってみたい、発展途上国の医療現場を見てみたい、新しい経験がしたい!といった単純な興味からでした。4年生から実習が始まるため、2週間休みが取れる今しかないと思い申し込みました。

プロジェクトアブロードに決めた理由は、自分の好きな日程で活動を行えること、現地のホストファミリーの家に滞在できること、病院での活動や課外活動など受動的だけでなくアクティブな活動ができる点に惹かれたからです。

日本スタッフの方とチャットやメールで何度も相談し疑問点を解決できたので、安心して出発することが出来ました。

病院での活動

2週間、最終日以外はナニュキにあるNanyuki Teaching & Referal Hospitalで活動を行いました。

移動はスタッフの方が送り迎えをして下さります。

病院はとても広く、院内にはゆったりとした空気が流れているように感じました。

一方、衛生面はやはり日本の病院と比較すると劣り、ベッドにハエが飛び回っていたり、手術室にスマホを持ち込んだりと、まだまだ改善の余地はあるのかなと感じました。

活動1週目は小児科をまわり、2週目はドクターストライキが始まったためスタッフの方と相談しながら救急科、Newborn unit (NICU)、私立病院の産科を回りました。

こちらから活動場所などの要望を伝えるとスタッフの方が快く引き受けて臨機応変に対応して下さりました。

初めての手術見学@ケニア

小児科ではドクターによる回診に参加したり、ナースの処置の手伝いをしたりしました。

虐待を受け入院中の子供や、アフリカの貧困ならではの肺炎や栄養失調といった症例を見ることができました。

また、何件か小児の手術を見学をする機会があり、自分にとって初めての手術見学@ケニア というなんとも不思議な気分でした。

ドクターやナース同士が雑談や笑いを混じえながら手術するという独特でラフな雰囲気で、衛生環境も徹底されている訳ではありませんでしたが、執刀医の解説も聞くことができ大変勉強になりました。

救急科では、ドクターストライキがあったため大きな処置は行われませんでしたが、ナースやスチューデントドクターによる処置や検査を見学しました。

急性腹痛や意識障害の患者が運ばれても、痛み止めと点滴、血液検査と簡単な画像検査しか行えず、原因が分からないまま放置されてしまうという現状に衝撃を受けました。

現地での画像検査のハードルの高さ、医療環境や物資の不足を実感しました。

Newborn Unitでは、ケニアの新生児におけるCommon diseaseや、スタッフの過労状況など様々なことを学ぶことが出来ました。

小児科や新生児ユニットは、自分の想像以上に医療環境が整っており驚きました。

救急科と小児・新生児科を両方見学できたことで、双方のギャップや病院内のアンバランスを感じることが出来ました。

最終日は私立病院の産科で活動を行いました。

スタッフの方が親身に説明してくださり、帝王切開の手術も見学できました。

私立病院はそれまで活動していた病院と比べて医療設備、衛生環境が良く、スタッフの数も充実しているように感じました。

2週間という限られた活動の中で、公立病院と私立病院の両方を見学することができて良かったです。

多くのことを感じたメディカルアウトリーチ

週に1度メディカルアウトリーチがあり、医療が受けられない貧しい地域で、体重や血圧、血糖測定、HIV検査、薬の処方などを行いました。

子供たちと沢山遊んだり話したり、地域の方々と触れ合い話すことが出来て、とても楽しく大きな達成感がありました。

一方で、貧困地域の生活の現状、子供達の間の経済格差、住宅の劣悪な環境を目の当たりにしました。

滞在していたナニュキの街であまり見ることがない光景だったということもあり、少なからずショックを受けましたし、実際に見て現状を知ることができ貴重な経験となりました。

ケニアでの生活

滞在先のホストファミリーは優しくフレンドリーな方々で、ハウスワーカーの方とも親しくなり毎日お喋りする仲になりました。

同じ家に滞在したボランティアは2人とも同じ日本人でしたが、同じ時間を過ごし沢山話したり遊びに行ったりして、楽しく濃い2週間を過ごすことができました。

食事は3食出て、どの料理も美味しくいただきました!ウガリ、豆やキャベツのおかず、チャパティというパン、ピラウというチャーハンといったケニア料理が出されました。

特にチャパティは大好物になりました、ハウスワーカーさんに作り方を教えてもらって皆で一緒に作った経験も良い思い出です。

毎朝いただくケニアのチャイもお気に入りでした。

洗濯はハウスワーカーさんにお金を払うと洗濯してくださるみたいですが、私は自分で毎朝庭で手洗いして洗濯していました。

お風呂は熱いお湯が出ますし、トイレも綺麗で日本とあまり変わらない生活ができました。

街中にスーパーやモールがあるので、いつでも必要なものを買い足すことができ便利でした。

天候は雨季でなければ雨が降ることは稀で、朝夜は涼しく、昼は暑いですが30度までは上がらないので過ごしやすかったです。

朝夜の寒さは想像以上だったので持って行ったヒートテックやウルトラライトダウンを重宝しました。

サファリ旅行など自由時間も満喫

平日の活動は14~15時に終わるのですが、その後プロジェクトアブロードのオフィスでビーズメイキング、ダンスレッスンなどイベントが頻繁にありました。

同じ期間に滞在していたボランティア達と活動後にモールのカフェで話したり、一緒に買い物したり街を散策したりと平日でも楽しく忙しい毎日を過ごしました。

週末はオープンマーケットに行ったり、日曜日の教会の礼拝に参加したり、2日間のサファリ旅行に出かけたりと、ボランティア達と自由時間を満喫し良い思い出になりました。

特にサファリで見た夕焼けと朝日は感動的で印象深いです。

滞在中、ボランティア達と皆で経験した色々なことや人生観について話したり相談したり、お互いに学んだことを質問したり教え合ったり、もちろん雑談やお互いの国の話をしたりと、一緒に過ごした時間は最高に楽しく日常の全てが忘れられない思い出になりました。

活動を有意義にするために

活動で大事だと思ったことは「積極性」です。

ドクターやナース同士、患者との会話は英語だけでなくスワヒリ語で行われることも多く、英語で積極的に聞きに行かないと分からないことも多かったため、自分から動くことが大事だと感じました。

病院のスタッフの方は親切な方が多いので、手術の予定があると情報を教えて貰えたり、処置を見学したり体験させてもらえたりと大変有意義に活動が出来ました。

また、予め自分は何を知りたいか、何を勉強したいかを明確にしておくことも重要だと思います。

「何となく怖い」アフリカのイメージが変わった

今回の滞在を通して、実際に自分の目で見る大切さを知りました。

現地の家で生活し、現地の病院で活動し、ケニア人のスタッフと街を歩き、普通の旅行ではありえないほど限りなく現地の人に近い状態でケニアを体感できたと思います。

ケニアの方はフレンドリーで、こちらがスワヒリ語を使って挨拶すると必ず笑顔で返してくれます。

夜は1人で出歩けないですし日本のように安全とは言えませんが、治安が悪く何となく怖いイメージのアフリカが自分の中で大きく変わりました。

ネットや文章上の情報を鵜呑みにし遠ざけるという安直な決断をするのは良くないし、実際に目で見て体験するということに大きな意味があると感じました。

ケニアの方のフレンドリーさを体感し、数え切れないほど現地の方と挨拶したり話したりすることができたのは、実際にケニアに滞在したからこそ得られた経験でした。

遠い異国の地と思っていたアフリカで、言語の壁を越えて人々とコミュニケーションできた経験は貴重です。

忘れられない2週間

見たもの聞いたもの、関わって下さった全ての方々、様々な方面から多くのことを学び経験し、驚き考え、得るものの多い2週間でした。

不安で手が震えて思わず涙の出た行きのフライトでしたが、帰りはもう仲間たちと会えない悲しさとケニアを離れる寂しさで泣きそうで、また充実感と達成感でいっぱいでした。

一生忘れることのないかけがえのない経験となりました。

この経験をただの満足感で終わらせたくないと思っていますし、自分の人生に色んな形で活かそうと思います。

まずは勉強に励み良い医師になれるよう努力します。

最後にお世話になったスタッフの皆さん、一緒に過ごしてくれたボランティアの皆さん、本当に楽しい2週間をありがとうございました!

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ケニアで医療 S.Y.

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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