南アフリカでのボランティアに参加しようと思ったきっかけ

南アフリカで人種間の対立が現在も続いているニュースに衝撃を受け、南アフリカの人種間の対立の現状やその中で暮らす人々の生活を知りたいと思うようになりました。

またそれに加え、貧困が重なる厳しい状況で生活している子ども達に教育面で力になりたいと強く感じました。なぜなら「教育」は社会の中で生きていくために必要な学力や知識、教養を身に着けた人材を育て、その人材が社会に出て活躍することは将来的に様々な社会問題を解決していくことに繋がると考えるからです。

その中でこのプロジェクトに出会い、自分のやりたいことをすべて実現できると思い、「トビタテ留学JAPAN」を通して参加を決めました。

そしてタウンシップ内でのボランティア活動を通して、彼らの衣食住の現状、今求められている支援を知りたいと考えていました。

また今の自分が現地で行うことができることとして、現地の子ども達に、言葉がうまく通じなくても身振りなどで教えることができる、折り紙を教える計画を立てました。折り紙は指先の巧緻性を高めたり、創造力、集中力、諦めずに挑戦する心を養うことができる、という教育的要素を含んでいます。彼らが折り紙をすることは、広い世界を知る きっかけとなるとともに「学ぶ」楽しさを自然に感じることに繋がると考えました。

また帰国後も折り続けてもらえるように、折り紙はできるだけ多く日本から持っていき、折り方をまとめた本と共にケアセンターに寄付しました。

印象的だったタウンシップでの活動

タウンシップ内にあるケアセンターでの活動を通して、タウンシップの現状、子ども達の衣食住や教育の現状を知ることができました。

子ども達の教育の場として問題のある点が多く、特にお皿を洗わずに使いまわしている様子に衝撃を受け ました。その他にも、トイレや食事前後の手洗いなどが不十分であり、基本的な公衆衛生の改善、またそのための支援の必要性を強く感じました。

また日本の幼稚園と比べ、明らかに人手不足であり、先生の教師としてのレベルが低く感じました。支援を行うだけではなく、子ども達の教育の質や、教師のレベル向上など自国の教育システムを改善する必要があると思いました。

また折り紙を教える活動は、大成功しました。言葉がうまく通じなくても伝えることができ、子ども達にとても喜んでもらうことができました。特に紙飛行機を作って、飛距離を競ったゲームを子ども達と共にしたことはとても印象に残っています。

最初の 2週間は英語で苦戦したものの、どのようにうまく簡単な英語で伝えるのか、考えを整理して、一番伝えたいことから順に自分の使える英語を用いて伝える力を身につけることができたと思います。

考え方の違う外国人の仲間と意思疎通を行い、共同作業を行うことは難しかったものの、とても達成感があり楽しかったです。

温かく見守ってくれたホストファミリー

ホストファミリーはとても温かく私のことを迎えてくれ、本当に嬉しかったです。

ケアのプロジェクトだけでなく、法律&人権や一般のプロジェクトの人たちもホームステイしていたため、様々な国の人たちと関わる機会がありとても面白い毎日でした。

食事はどれもおいしかったですが、お米だけは日本の米の炊き方と違ったため合いませんでした。家にはいつも自由に食べられるフルーツやパン、アイスなどがあり、食事が足りないなどという問題は全くありませんでした。友人と共にキッチンで夜食を作って食べることも多く、楽しかったです。

洗濯も家の洗濯機を使うことができ、自分のタイミングで行い、シャワーもそれぞれのタイミングで自由に入っていました。

部屋には、自分の荷物を入れるロッカーがあり、4週間で荷物も多かったものの十分入る大きさで、とても便利でした。

現地での生活を一言で言うならば、自由な寮生活、のような感じです。とても充実したホームステイでした。

ボランティア経験を生かして、将来どうしていきたいか

このプロジェクトに参加して、南アフリカ社会の現状、とくにタウンシップの子ども達の生活や教育の現状について深く知ることができました。

基本的な公衆衛生の改善、教師のレベル向上が特に今、必要とされていると感じました。独善に陥らず、現地の人々の考え方や生活を尊重しながら支援を行うことで、受け入れてもらうことができると思います。

そのような支援を行うことのできる人材になるために、私はこれから大学での専門的な学びなどを通して、南アフリカの過去や、現在の社会状況、伝統的な文化や風習、さらに実際に支援を行うための具体的な方法や、そのための知識も深く学びたいと考えています。

また英語に苦戦し、自分の思ったことを的確に伝えることや、相手の話をうまく聞き取ることができなかったため、英語の能力は相手と討論できるレベルが必要最低限だと感じました。

大学在学中もボランティアとして南アフリカで活動を行うことで、現地の現状に目を向け続け、継続的に子ども達の力になり続けます。

そして、大学での学びや、今回の経験、継続的な活動を通じてできた人々とのつながりを生かして JICAの職員として現地の支援を実際に行っていきたいと考えています。

そして将来的には、子ども達が「学ぶ」楽しさを実感することのできるような教育環境を整えたいです。

プログラム詳細へ

体験談一覧へ

南アフリカ共和国でチャイルドケア&地域奉仕活動 伊藤百花

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。