世界 ✖ 医療 ✖ 保健の経験を

私が参加したのは、カンボジアでの高校生スペシャル公衆衛生プログラム2週間です。

そもそもプロジェクトアブロードに出会ったのは、実践的な活動ができる留学に参加したいと思ったからです。

特に公衆衛生学は、医学に似ていてもその幅は広く、健康診断や児童への教育、衛生環境の改善など、様々なアプローチができるという点に惹かれました。

また、将来は医療、特に世界を舞台に保健などの分野で活躍したいと思っていました。

発展途上国で経験を積みたいと思っていた中でカンボジアという国を選んだのは、日本と友好的な関係を結んでいて、活動を円滑に進められると考えたからです。

たくさん学んだ地域型公衆衛生活動

普段はSilk Islandという島に行き、子供たちやお年寄りの健康状態のチェックなどを行っていました。

島のPrimary Schoolでは、児童の耳の掃除、擦過傷等の手当て、爪切り、体温測定などを行いました。

当初はどのようにすればよいかわかりませんでしたが、コーディネーターの方々が細かく教えてくださり、子供たちを丁寧に見ることができました。

Home visitでは、お年寄りがSilkをつくっている集落のようなところに訪問し、お年寄りの血圧、心拍数、血糖値、体温の測定を行いました。

コーディネーターの方がそれらの測定方法だけでなく、結果からわかること、それに対する薬の話などを丁寧に教えてくださいました。

血糖値の測定などは人に針をさすため、非常に慎重に行いました。

子供たちとは、健康チェックだけでなく一緒に遊ぶ機会も多く、例えばだるまさんが転んだ、鬼ごっこ、ダンスなどは言葉が通じなくても楽しんでもらえました。

公衆衛生活動では、これに加え子供たちに健康な体を維持するために大事な要素【水、健康的な食品など】についてのプレゼンテーションも行いました。

みんなが分かりやすく学べるようにと、クイズ形式にしたり、ジェスチャーを混ぜたりといった工夫もしました。

公衆衛生の実務と共に、カンボジアにある総合病院を見学し医療の現状などを見て回ったり、Home of Hopeという障がい者や体が不自由な人々が住んでいる施設を訪問し、子供に昼食を食べさせてあげるなど、ふれあいをもったりといった機会があたえられ、様々な経験を積むことができました。

カンボジア生活と冒険

発展途上国ということもあり、決して贅沢な生活というものは出来ません。

しかしながら、滞在先はきれいな部屋(with 毎日の清掃)、食事、シャワー、インターネット環境など十分な生活環境で、集中して活動に取り組むことができました。

従業員のみなさんもとても、優しく団体の私たちを温かく迎えてくれました。

2週間の中で、カンボジアの様々な観光名所にも訪れることができました。

残虐な歴史を生々しく伝えているKilling FieldやS-21という牢獄、38年かけ築かれたという壮大なアンコールワット寺院群、現国王も居住しているロイヤル・パレスなど、今でも心に残るものばかりでした。

なお、活動していたPhnom Penhからアンコールワットまでの5時間移動は、いまでもいい思い出です。

見えてきた課題とアプローチ

今回、カンボジアでの活動を通して公衆衛生という分野を深く知ると共に、様々な人との出会い、関わりをもつことが出来ました。

公衆衛生という分野において、多くの人々が健康を保てるようにチェックし、指導するといったことが、医療器具の少ない発展途上国において大変重要なことであるのではと考えました。

特に子供たちのチェックや教育は、楽しんでくれる子供たちの笑顔を見るととてもやりがいを覚えることができたと共に、この活動が少しでも次に生まれてくる子供たちのためになればなと思いました。

カンボジアの人々はみな寛容で優しく、人の温もりを感じることができたことで、人と接する仕事への興味がわきました。

一方で、発展途上国のインフラなどの現状、医療のresourceの少なさなど、これらの地域で健康を維持するための十分な手段をえる難しさをしり、今回の経験を踏まえ、もっとこのような国について考え、働きかけをしていかなければいけないと思いました。

今後への展望

このプログラムを通して、自分の中でチームとして活動すること、そのなかで自分の個性・特技をアピールし発揮する力、また言語を超えてコミュニケーションをとる力を磨くことができたと実感しています。

私は、今回の経験を活かし、将来的に世界で同じように公衆衛生において地元の人々と関われる仕事に就きたいと思っています。

そして、この活動で学んだチームで取り組む姿勢や話す以上のコミュニケーションなどを大切に、一人でも多くの人を健康にできるように尽力したいと思いました。

最後になりましたが、ここまで私たちの活動を全力でサポートしてくれたコーディネーター、特に現地のKanithaとKimsongに心から感謝申し上げます。

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カンボジアで公衆衛生 佐瀬光雄

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。