ある日、特に明確な計画はなかったものの海外に留学してみたい、という強い思いから学校で行われた日本学生支援機構の「トビタテ留学JAPAN」という奨学金説明会に参加しました。

小学生の頃から海外でのボランティア活動に興味を持っていたため、国際ボランティアコースを選択したのですが、その時点でも具体的な構想はなく、そんな私を見かねた先生があるパンフレットを紹介してくれました。それが、プロジェクトアブロード高校生スペシャルです。のちにこのパンフレットが私の夏を最高なものへと変えてくれることになったのです。

私は、ジャマイカで行われたケア&コミュニティプロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、小学生から中学生までの子どもたちが参加するサマーキャンプに、ボランティアスタッフとして活動するものです。

具体的な活動内容は、新聞記事の切り抜きをしたり絵を描いたりすることで仕事や生き物について学んだり、裁縫では、友情の証としてミサンガを作りプレゼントし合ったり…。また、昼休みや放課後にはみんなでボール遊びや歌を歌って交流を深めました。

多くの子どもたちは、キリスト教を信仰しており、朝の挨拶では必ず讃美歌を歌いました。彼らの歌は、心からお祈りする気持ちと歌を楽しんでいる雰囲気で教室がいっぱいになり、あまり歌詞を理解できなかった私ですら強く胸に響き感動してしまうものでした。

ジャマイカで出会った人たちは、みんな思いやりがあり温かく、困難にぶつかる私を何度も何度も助けてくれました。最初の1週間は、慣れない環境・英語のみの日常に全く適応することができず、信じられないほど無口で消極的な日々を送ってしまいました。もったいないことをした、と今でもすごく悔やんでいます。

しかし、そんな私を心配して、プロジェクトアブロードのスタッフの方・ボランティアの仲間たち・子どもたちまでが私に話題を振ってくれたうえ、「大丈夫?」と声をかけてくれました。私は助けるために来たのに…。彼らの優しさにどれほど救われたか計り知れません。

少しずつ慣れてきた2週目は、自ら話しかけることで、連絡事項以外の他愛ない会話も徐々に膨らみ、子どもたちとはより関わりをもつことで最終的にはアドバイスをすることもできるようになりました。もしも彼らの助けがなかったら、私のジャマイカライフはもっと悔いを残すことになっていたに違いありません。

お別れが近くなってきた頃、私たちボランティアは子どもたちとメッセージ・プレゼント交換をしました。どの子どもたちも"I’ll miss you."と書いてくれ、それらの贈り物は、たどたどしい会話しかできずに悔しい思いをしていた私に計り知れないパワーをくれました。

そのなかでも特に、「2週間、どんなにつらい時も笑顔で頑張ってきてよかった」と思わせてくれたある女の子からの手紙があります。

それが、これです。

” Your smile is brighter than the sun and your laughter is sweeter than juice.”
(あなたの笑顔は太陽よりも明るく、ジュースよりも甘いわ)

嬉しくて嬉しくて、言葉では言い表せない感動をいただき、幸せに包まれ、何度も繰り返し読み返しています。笑顔は国境を超えることができる、と身をもって体験しました。

素敵なことはサマーキャンプだけではなく、明るいホストファミリーとの毎日はもちろん、ほかのプロジェクトの高校生ボランティアも含め全員で行なったジャマイカの文化体験アクティビティなどもかけがえのない経験になりました。

昼間の活動後、医療や建築系など様々なボランティアが集まり、ボブマーリーで有名なレゲエ音楽に合わせてみんな一緒にダンスで交流しながら、ACKEE&SALTFISH・パティなどの食事を楽しみました。この活動を通じて、多くのボランティアとぐっと距離を縮めることが出来、友好関係は帰国後も続いています。

ボランティア活動後の帰路はコンサートみたいに大盛り上がり、シェアハウスに戻り絶品のお夕飯を頂き、カードゲームや恋バナ…と毎日が修学旅行みたいな賑わいでした。

このプロジェクトを通じて、世界中の”壁”を越え、人の温かさ、勇気や感謝の気持ちなど、生きていくうえで大切なものをたくさん学ぶことができました。

そして、日本での生活では、絶対に得ることが出来なかったであろう「積極性」を少しでも身につけることができました。自ら言葉や思いを発信することで、たとえ話すことが上手ではなくても思いを通わせることが出来たのです。この発見は、私にとってかけがえのない大きな成長であり、宝物だと感じています。

私は、もっと英語を流暢に話すことができたなら、更に大きな気づきと理解を得ることができると考えています。

将来再び海外ボランティア活動に参加できると信じ、そのときに今回の経験を必ず活かすことができるよう自分に何ができるのかを考え、確実に実践したいと思っております。

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ジャマイカでチャイルドケア&地域奉仕活動 磯川舞優

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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