夏休み ✖ 海外ボランティア ✖ 法律&人権
夏休みに海外でボランティアなどの国際プログラムに参加したいと思い、探して⾒つけたのがプロジェクトアブロードでした。
もともと⼈権問題など法律に関することに興味があり、法律&⼈権プログラムで探しているとガーナを⾒つけました。
アフリカのいわゆる発展途上国と⾔われる国で、⼈権がどのように扱われているかを知りたいと思い、参加申し込みをしました。
以前法律⼈権に参加した⽅の活動報告書などを読んだところ、現地の⼦供たちの教育に参加する機会もあるということだったので、それもこのプログラムを選んだ理由の⼀つです。
不安と期待を感じながら
アフリカということで予防接種を多く打ちましたが、やはりマラリアなどの感染症は⼼配でした。
また、英語⼒に⾃信があるわけではなかったので、同じステイ先の友⼈たちや現地スタッフ、現地でボランティア活動をするなかで話す⼈たちと⼗分に意思疎通ができるのか、とても不安に思っていました。
しかし⾃分が⾏ったことのない、実情を全く知らない遠く離れた場所に⾏くというのは、楽しみでもありました。
人権ボランティアとしての活動
主な活動は、ガーナ、アクラのスラム街にある中学校に⾏って、⼈権に関する授業をすることでした。
まず、プロジェクトアブロードのスタッフからガーナにおいての⼈権問題に関するレクチャーを受けた後、同じプログラムのメンバーの中でディスカッションをして、それぞれの国での扱いの違いや考え⽅を共有してから、授業の準備をします。
講義形式ばかりだとつまらないので⼈権問題にかかわるロールプレイを⼦供たちに考えてもらったり、ワードサーチを作って持って⾏ったりと理解してもらいやすいように⼯夫をしました。
すこし余った時間などには、⼦どもたちは「⽇本語で〇〇はなんていうの?」と興味津々だったので、簡単な「ありがとう」などの⽇本語を教えたりしていました。
また、ガーナの⾏政機関や弁護⼠などにお話を聞きに⾏って、国内の諸問題についての実情を学んだり、ガーナの⽂化を学ぶために建国の⽗と⾔われるクワメ・ンクルマの記念公園やビーズファクトリーを訪れたり、実際にスラムの街並みを歩いたりとたくさんの経験をしました。
週末には、ステイ先が同じメンバーでケープコーストを訪れました。
ケープコースト城でアフリカ⼈が奴隷として扱われていた過去を学んだり、カクム国⽴公園に⾏って⾼い橋の上を渡るキャノピーウォークをしたりしました。
にぎやかだった現地生活
滞在先はとても⼤きな家で、最初に⾒た時には驚きました。
部屋は国籍の違う⼥⼦6⼈部屋で、全員法律・⼈権プログラムのメンバーでした。
あまり英語に⾃信はなかったのですが、ルームメイトとの会話はとても楽しいものでした。
国ごと、特にヨーロッパとアジアの⽂化や習慣の違いは、話していて私も⾯⽩かったし、ルームメイトも⽇本の話を聞いて驚いたりしていました。
私の滞在先にはサッカープログラムに参加していた男の⼦たちも多くいて、皆ノリがよく、リビングで全員で集まって話したり、ゲームをしたりするのがとても楽しかったです。
⾷事に関しては⼼配していましたが、思ったよりも⾟くなく、おいしく⾷べられました。
基本、お弁当もそうですがホストファミリーの作ったものを⾷べていました。
⼀回だけレストランで現地⾷のフフに挑戦したのですが、⾟くて半分も⾷べられませんでした。
⽔は、ミネラルウォーターのボトルが常に提供されていたので、安⼼して飲むことができました。
ほぼ体調を崩すこともなく、楽しく⼆週間を過ごすことができました。
ステイ先で過ごした時間のすべてが楽しかったです。
ガーナの現実
⼀番印象に残っているのは、中学校で⼈権教育の⼀環としてドメスティックバイオレンスの話をしたときに、ある男の⼦が話していた⾝近で起こった体験談です。
⾃分のおじが、おば、つまり妻を刺したというものでした。
プロジェクトアブロードのスタッフがその男の⼦に「あなたのおじさんは逮捕されたの?」と聞くと、その⼦は「いいえ」と答えたのです。
アフリカにおいて⼥性が虐げられ、それが⾒逃されるのがいかに当たり前なのか思い知ったような気がしました。
ガーナの⼦供たちは、⼈権の存在や⼈権が守られなければいけないことは、当たり前のように知っています。
しかし、それが守られない環境が当たり前になっているのではないかと感じました。
街を⾞で⾛っていると、当たり前のように⼩学⽣くらいの⼦供が頭に箱を載せて、⾷べ物を売り歩いています。
学校があるであろう⽇中の時間帯もです。
それを⾒た時に、学校で教えるのももちろん⼤事だけれども、⾃分の⼈権が守られていない環境にあるアフリカの⼈々に、どうしたらその事実や解決策を教えることができるのかと考えましたが、それはとても難しいことだと気づきました。
その男の⼦が話してくれた話をきっかけに、私の考えがいろいろと広がりました。
途上国⽀援に特別興味があるわけではなかったけれど、すべての⼈々の⼈権が保障される環境のための⽀援にはなにがあるのかと、考えさせられたきっかけになった出来事でした。
日本を出たから見えたこと
⼤変だったのは、やはり英語です。
もっともっと勉強しておけばよかったと後悔しました。
仲良くなれたステイ先のルームメイトとも、英語が完璧に喋れたらもっともっと仲良くなれたのではないかと思います。
せっかく弁護⼠の⽅や政府機関に⾏ってお話を伺う時でも、やはりどうしても聞き取れない内容がありました。
またプログラムを通して、まずアフリカ、発展途上国の実情について実際に⾒て知ることができたのが⼀番良かったと思います。
アフリカの中では発展しているとされるガーナでも、⾸都だろうと道は舗装されていなくてガタガタだし、下⽔道は道の側溝を流れていて皆そこにごみ、とくにペットボトルやピュアウォーターのパックを捨てるので、とても衛⽣環境は悪いです。
法律・⼈権のプログラムに参加しましたが、⽬にしたガーナの実情は途上国がどんなものなのか、そしてどのように⽀援すべきなのか考えるきっかけになりました。
また、国籍の違う友⼈たちと過ごす中で気づいたことは、皆⾃分の意⾒をしっかりと持っていて、それを臆さずに発表するし、その考えをみな尊重しつつも議論していくという、問題について考えることに対する姿勢が私とは異なっているということを学びました。
⾃分の意⾒をはっきり表さず、いい意味で遠慮するというのは⽇本⼈特有の⽂化なのかもしれませんが、問題に関して議論するときに正解か間違っているかは別として、⾃分の考えをしっかり持つということは⼤事なのだと気づかされました。
⼆週間の最初のほうは、ただ聞いて追いかけるのに必死だったディスカッションも、最後のほうになると「⽇本ではどうですか?」などの問いに、必死でしたが英語を使って伝えようとすることができるようになり、これが私の中での成⻑かなと思います。
ルームメイトとの会話にも、積極的に参加できるようになりました。
ガーナでの2週間を振り返って
全体を通じて、とても楽しい⼆週間でした。
今、⽇本に帰ってきて⼆週間ほどたつのですが、毎⽇ガーナで撮った写真を眺めて楽しかった経験を思い出しては、もう⼀度⾏きたい、中学校の⼦たちともっと話したい、ルームメイトとおしゃべりしたりしたいとずっと思っています。
様々な経験を毎⽇して、⾒るすべてが新鮮だったガーナでの⽣活は私にとってとても刺激的で、さまざまなことについて考えるきっかけをくれました。
途上国のために、今⾼校⽣の私に何ができるか。
少なくとも、ガーナの実情をこの⽬で⾒て知ることができたのは、私にとって⼤きな財産になりました。
⼦どもたちと触れ合っていた時間も、政府機関の⽅や弁護⼠の⽅にお話を聞いた時間も、ステイ先で友⼈たちと過ごした時間も、すべてがとにかく楽しかったです。
参加して本当に良かったと思っています。
この経験とこれから
アフリカに⼀⼈で⾏くというのは、かなり勇気のいることだと思います。
私は「⾏きたい!」という気持ちで申し込みをしたけれど、出発までに不安になったり、緊張したりすることが多くありました。
でも、実際に現地で過ごしたのはとても素晴らしい時間で、これからの⼈⽣の糧に絶対になると断⾔できるものでした。
実際に話したガーナ⼈は皆とてもやさしく、質問をすれば熱⼼に答えてくれました。
ルームメイトは、あまり英語が得意ではない私を優しく受け⼊れてくれました。
⼈⽣で最⾼の⼆週間でした。
今までどちらかというと興味のなかった途上国やその⽀援について、ガーナで⾒たことを活かしてもっと深く考え、⾃分になにができるのかということを考えたいです。
遠く離れたアフリカのことですが、決して⾃分には関係のない問題だなどと考えたりはせず、できるだけ国際協⼒にかかわっていきたいです。
また、今回悔しい思いをした英語、とくに英会話を上達させ、⼗分に英語で意思疎通ができるようになったら、またガーナにボランティアとして訪れ、今回⾏ったこと以上のことをするのが私の今の⽬標です。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。