当たり前の差をなくしたいという想い

私は世界で起こっている様々な問題に関⼼があり、その中でも貧困や教育格差に興味がありました。

多種多様な問題を知り直⾯していく中で私は、「私たち⽇本⼈は当たり前のように教育をうけ、当たり前のように夢を持つことができ幸せに⽣きているが、果たしてこれは本当に当たり前なのだろうか」と疑問をいだきました。

先進化が進むこの世の中ですが、世界には貧困などの様々な理由から教育を受けたくても受けることができない、受けられても教育の質が良くない環境にいる⼦供達が数多くいます。それでも私たちは当たり前だといえるのでしょうか。

⽇本の教育レベルは⾼く、世界にも評価されています。ですが私たちは教育を受けられることに対してありがたみを持っているとは⾔えないと思いました。なぜなら、「⾯倒くさければサボればいい」「⾏かないとダメだから、学校に⾏く」そんな気持ちが"当たり前"になってしまっているからです。

それに⽐べ、世界の国々では学校に⾏き勉強をしたくてたまらないという⼦供達がいます。「この意識の差、つまり"当たり前"が変わらなければいくらグローバル化が進んだとしても意味がない。この"当たり前"を変えなくてはいけない」と私は強く思いました。

当たり前の差を少しでもなくしていく上で、私は私たちのような⽇本⼈がこれからどのように途上国の⼈々に接していけばいいのかということを学びたいと思いました。

南アフリカの都市部は植⺠地⽀配があった背景から先進国並みに発展しています。ですが、少し郊外に⾏くとアパルトヘイトの影響からタウンシップなどが広がっており、先進国と途上国の両⽅の側⾯をもったこの国で当たり前の差を学ぶとともに、現地の⼈々がどの様にお互いに接しているのかを学びたいと思いました。

そして同時に、これからの将来を担う⼦供達に少しでも夢を持つ楽しさを伝えていきたいという気持ちから、私は南アフリカでのチャイルドケア&地域奉仕活動プログラムに政府が主催しているトビタテ!留学JAPAN⽇本代表プログラムというものを通して参加することを決意しました。

私は今回の留学が初めての海外経験でした。そのため⾮常に緊張しており、事前にインターネットで南アフリカについて調べるとどこのサイトでもこのように⾔ってました。「南アフリカは犯罪発⽣率が⾮常に⾼く、殺⼈も頻繁に起こっている」と。

初めての海外が⽇本の裏側にあるそんな国で⼀か⽉も過ごすのかととても怖く不安になりました。

ですが私のやりたいことを成し遂げてみせるという強い意志も同時にあったため、楽しみな気持ちと不安な気持ちが⼊り交ざっていました。

再確認できた教育への道

今回のプログラムでは、現地の保育園にて⼦供達への教育⽀援というのが主となる活動でした。

保育園では数多くの⼦供達がおり、先⽣の⼿が回っていないませんでした。

ですので、クラスで先⽣の補助や外遊びの際に⼀緒に遊んだりしました。

トイレや⾷事の前後に⼿洗いをする習慣をつけるため毎回指導をしたり、⼿を洗うタイミングをかわいくデザインしたポスターを作成し、⾳楽とともに授業をおこなったりもしました。

また、⼦供達に動物の鳴き声を教える授業ではフラッシュカードを作成し、⼀緒に歌を歌い楽しみながら学ぶという事に重きを置きました。

その他にも、地域奉仕活動として、みんなで⾷材をカットし調理したものをタウンシップで配るといった活動をしました。

南アフリカ生活

滞在先はホストファミリーの家に同じプログラムに参加する⼈みんなが宿泊するという形でした。

⾷事は毎回様々な種類のおかずをホストマザーが作ってくれ、それを好きなように⾃分で取り分けるという形式でとてもおいしかったです。

毎回のご飯だけでなく、常にフルーツやパンが机においてありお腹が空いたら⾃由に⾷べてよく、ケトルもあったのでお茶や持参のカップヌードルも⾷べることができたので⾷事で困ったという事はありませんでした!

洗濯は私の泊まった家では⼀回R50(約400円)で住み込みのハウスキーパーさんに洗濯してもらえるという形でした。ただ、結構⾐服が返ってくるのが遅いので後半になってくると⾃分で⼿洗いという⼈も出てきました。

ちなみに隣の家に泊まった⼈権プログラムに参加した⼈たちは、⾃由に洗濯機が使えたので各⾃⾃分でしていたそうです。

部屋は男⼥で別れており、各部屋にシャワーとトイレがついていました。

⼤きなキャビネットもあり沢⼭荷物を持ってきた私でも全部収納することができ便利でした。

ルームメイトは今回⽇本⼈参加者が多かったため、男⼦部屋は⽇本⼈3⼈と、フランス⼈の⼦が1⼈、後半は中国⼈の⼦がもう1⼈加わりました。

⼥⼦部屋にはリビングルームがあったので、そこで基本みんなと過ごし雑談やカードゲームなどをして過ごすことができ、とても楽しく充実した⼀か⽉間を過ごすことができました。

南アフリカでのできごと

私は現地で誕⽣⽇を迎えたのですが、その時に現地のケアセンターを訪問し、そこで皆から5分間ものバースデーソングを歌って踊ったことが⼀番楽しい出来事になりました。

そして、⼼に深く残った事と⾔えば、私たちが現地のファストフードでフィッシュアンドチップスを⾷べた時の出来事です。

私たちは昼⾷のピザを⼆時間ほど前にすでにとっていたのですが、訪れた港では有名だという事でフィッシュアンドチップスを⾷べることになりました。

ですが皆お腹がいっぱいだったため少しだけ⾷べてそのまま残してしまいました。そこで現地のアドバイザーが「ストリートチルドレンたちにあげるから捨てないでね」と⾔いました。私はその⾔葉に⽿を疑い驚きを感じました。

そして帰り際にホームレスの⼈から「何か恵んでください」と⾔われ、私たちが⾷べ残したフィッシュアンドチップスを上げるというと⼦供達も駆け寄ってきて嬉しそうに受け取りました。私はその時⾮常に複雑な気持ちになりました。

確かに捨てるよりはよっぽど良いのかもしれない。だけれどもこれは果たしていいことなのだろうかと。そしてまた、私たちの⽇本は⾷料廃棄率が⾼く、世界では⾷べることすらもままにならない⼈がいるのに、私たちはなんて愚かなんだろうと感じ、⼼に深く刻みこまれました。

現地にきて、初⽇から私は⼤きな壁にぶつかりました。それはコミュニケーションの壁です。正直、私は英語がそこそこ喋れる⽅だと⾃分で過信していました。ですが、いざ来てみると全く聞き取ることができませんでした。

そして⼀週⽬から仲間との打ち合わせをするときでも、⾃分の意⾒をうまく伝えることもできずとても苦労しました。2、3週間⽬でようやく現地の発⾳も話すことにも慣れて、不⾃由のないようになりましたが、やはり苦労しました。

出発前はただ淡々と毎⽇を過ごしていましたが、毎⽇が濃いプログラムを過ごすことによって、ひとつひとつの物事について深く考えられる⼒を⾝につけました。南アフリカでこのプログラムだったからこそこの⼒は⾝についたものだと思っています。

今後の展望

今後の目標は、このプログラムを選んだきっかけでも述べたように、私の夢はこの地球上の住むすべての⼈が夢を持ち幸せに⽣活できる世界をつくることです。ですから、私はその第⼀歩としてこの留学がありました。

その次のステップは、より多くの⼈に私が⾒て経験したことを発信していき、世界で何が起こっているのかに興味を持ってもらい「当たり前の差」の改善に努めます。

そして当たり前の差を改善するにあたって、私は教育に特に⼒を⼊れていきたいと思っています。教育はとても重要なプロセスであり、これからの未来を担っていく⼦供を養う⼤事なことです。

ですから私はこの留学で学んだことを広め続けていき、将来は教師という職に就きたいと思っています。教師は⼀つの世代だけでなく、多くの世代を相⼿に教鞭をとることができます。そこで幅広い世代の少しでも多くの⼈に伝えていくことでさらに良い社会を形成することができると思います。

私は、今回このプログラムでしか経験できなかったであろうことを沢⼭しました。チャイルドケアとしてタウンシップを訪れたのもそうですが、週末アクティビティで発展した都市部を⾒ることもでき、当たり前の差ということを今回の留学テーマにしていた私にとって、とても良い学びになりました。

また世界各国から集まった仲間と共に活動することはとても楽しく、プログラムをさらに素晴らしいものにできたと思います。

これから参加する方へ 

チャイルドケアのプログラムに参加しようと思っている、ならぜひこの南アフリカがおすすめです!

現地公⽤語も英語であり、また先進国のような側⾯と途上国の側⾯の両⽅を持つこの国であなたに沢⼭の刺激と成⻑する機会を与えてくれます。

Lekker な体験を南アフリカでしてください!

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この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。