高校生になった今こそ

最初にボランティアに興味を持ったのは、小学生の頃住んでいた中国での経験がきっかけでした。

公共のゴミ箱で誰かの捨てたハンバーガーを漁る子どもなど、日本では信じられない光景を何度も目の当たりにしました。

そこで初めて外国には困っている人が沢山いることを知りましたが、当時小学生の私には何もしてあげられませんでした。

しかし高校生になった今の私なら、何かしらの形でサポート出来るのではないか!と思い、今回Projects Abroadのプログラムに参加しました。

「幸せの定義」を知りたかった

フィジーを選んだのは、幸福度調査で何度も世界一位に輝いているからです。

発展途上国で、インフラの整備も不十分なフィジーがなぜ世界で一番幸せな国なのか、共に生活し現地の人々の考え方を間近で知りたかったため、より親密にフィジーの人と関われる村落でのホームステイを行うチャイルドケア&村落生活体験(高校生スペシャル)と村落開発(通年プログラム)を選びました。

渡航前は、正直あまり不安はなく、幸せな国に行くのが楽しみで仕方ありませんでした。

プログラムのスケジュール以外にも、ホームステイ先で日本食を振る舞う練習や、フィジーの子どもたちに日本の七夕を体験してもらおうと沢山の準備をしていたので、早く披露したい気持ちでいっぱいでした。

充実していたフィジーでの毎日

毎日の主な活動は、午前中に村の幼稚園で修繕活動、午後はCommunity Hall(村の公民館のような場所)で、子どもたちを相手に遊んでいました。

修繕活動では、まず最初に、泥だらけな幼稚園の建物の壁や天井をブラシでピカピカに磨きました。

その後ペンキで一度白く塗り、また後日にカラフルなペンキで全て塗り替えました。

また幼稚園児が楽しめるよう、ちょっとした勉強の要素も混ぜたイラストを描き、校舎を明るくしました。

Community Hallでは、幼稚園児にアルファベットや数字を教えたり、絵の具で絵を描いたりしました。

時には音楽をかけてみんなで踊ったり、鬼ごっこをしたりと体を動かしました。

日によっては、アニマルケアセンターで動物のケージを洗ったり、一日ハイキングに行くこともありました。

フィジーの伝統的な染物やメケダンスを教えてもらう日もあり、毎日が充実していました!

村落生活を体験

滞在先は、都心から離れたSabeto Villageという村落でした。

ホストファミリーや近所の方はとても暖かく、村の中では誰かとすれ違うと、必ず笑顔で ”Bula!” と挨拶してくれました。

ルームメイトは、私の他にオーストリアとニュージーランドからの高校生が3人いて、食事はいつもファミリーとボランティアのみんなで、床に座って食べていました。

ホストマザーの作るフィジー料理はどれも絶品で、床で料理を囲むと会話も弾みました!

洗濯は、ホストマザーが全員の分をやってくれていました。

いつも温かさで包んでくれた

一番印象に残っているのは、通年プログラムに変わってからSabeto Villageに遊びに来た時のことです!

私は一ヶ月間フィジーに留学しましたが、そのうちの最初の二週間は高校生スペシャル、残りの二週間は通年プログラムの村落開発プログラムに参加しました。

後半は別の村に滞在していたのですが、ボランティア活動が休みの日曜日に、最初お世話になったSabeto Villageに一人で遊びに行くことにしました。

滞在したのもたったの二週間だったので、村の人たちが覚えてくれているか不安だったのですが、村に着いた途端見覚えのある村人に笑顔で「何しに来たのー!」と叫ばれました。

その後も、村の中を歩いていると至る所で私の名前を呼んでくれて、丁度日曜日だったので教会に連れて行ってくれました。

教会の中には子どもたちが沢山いて、私を見つけると笑顔で手を振ってくれたのがとても嬉しかったです!

泊まらせてもらっていたホストファミリーに会いに行くと、なんと私の好きだったフィジー料理を沢山用意してくれていて、ランチをご馳走してくれました。

別れるのが本当に寂しかったですが、Sabetoの人々の暖かさを感じた幸せな一日でした。

思いがけない苦労

大変だったのは、高校生プログラムに参加していた日本人以外、全員母国語が英語だったことです。

元々英語での日常会話はできたので、みんなの話す内容は理解できたものの、話の輪に入っていくのがとても大変でした。

日本人は3人いたのですが、日本語で喋るのはやめようとお互い決めていたので、最初の一週間は誰ともあまり馴染めませんでした。

しかし幼稚園の壁にイラストを描いた時、私は絵を描くのが得意だったので、それをキッカケに他のボランティアが沢山話しかけてくれるようになりました。

「私のところにも描いて!」と言われたり、褒められたり、それからは英語にも慣れ、自分から発言もできるようになりました。

フィジーでの私の成長

自分の意見をハッキリと言えるようになったと思います。

プログラムに参加しているのは全員海外からの高校生で、全員自分の主張をしっかり持っていました。

最初の方はつい遠慮してしまい、自分の思い通りにならないことが何度もありましたが。

しかしフィジーで日本人とは離れた生活をしているうちに、自分の思ったことをしっかり伝えないと、何も出来なくなってしまうことに気が付きました。

それからは、自分のやりたいことはきちんと伝え、嫌なものは嫌だと言うようになりました。

そしたら、小さいことでくよくよ悩むこともなくなり、ボランティア同士でも楽に話せるようになったのが良かったです。

明確な夢ができた

私は栄養に興味があり、一ヶ月間日本とは違う食文化を間近で体験しました。

フィジーは、肥満をはじめ様々な生活習慣病の発症率の高さが問題となっていて、バランスの偏った食事を何度も目にしました。

そこで、私の知っている限りの知識で彼らにアドバイスしましたが、「これがフィジアンスタイルだから!」と受け入れてもらえませんでした。

発展途上国で、今までの生活を変えさせるのはとても難しいことだと気がつきましたが、フィジーの人々にはいつまでも健康で長生きして欲しいです。

そこで、大学できちんとした栄養学を学び、自信を持って人にアドバイスできる立場になった後、もう一度フィジーに戻り、今度は栄養プログラムに参加してフィジーの人の健康を支えたいです!

これから参加する高校生へ

今回フィジーで過ごした一ヶ月は、日本では絶対に味わえない貴重な経験になりました。

村の人々や街にいるフィジの人たちは皆暖かく、フレンドリーに接してくれました。

ボランティアで出会った子どもたちもとっても明るく、私の用意してきた折り紙や紙芝居に興味を持ってくれてとても嬉しかったです!

発展途上国だからこそ、お互いの相互扶助する力が日本人とは比べ物にならず、世界一幸せな理由が分かった気がします。

参加してみて思ったのは、日本にいる間に準備をすればするほど、より良い経験になるということです!

私は日本を紹介できるスケッチブックや日本食の材料、駄菓子、七夕を体験してもらう紙芝居やお飾りなど、多すぎるくらい色々なモノを準備していきました。

海外の人々は、私たちが想像しているよりも日本について興味を持ってくれるので、これでも足りないくらいでした!

海外でボランティアするということに自信を持ち、日本人の代表として沢山の経験ができると思います!

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フィジーでチャイルドケア&村落生活体験 栗本朱莉

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。