医療の道に進むべきか見極めたい

医者になりたいと思っていたものの、自分にあっているのか、本当に自分はこの道を選んで良いのかを悩んでいたため、一度医療を自分の目で見てみようと思い、ボランティアに参加した。

公衆衛生を選んだのは、普段の様子を見れ、病気の予防や健康についての教育をなど行いたいと思ったため、病院での病気の治療がメインとなる医療ではなく、地域に密着していると感じたからだ。

渡航前は、自分の英語力でついていけるか、周りの学生の足を引っ張り迷惑にならないかを心配することもあったが、現地の活動を想像することで不安を消し、期待を膨らましていた。

誰かの役に立つことへの喜び

まず、公衆衛生について・栄養について・応急手当についての講義やトレーニングを現地の先生から受けた。

その後、村の女性や子供たちに、講義の内容を教えた。

また、診察を行うためマサイの村へ医者やスタッフとともに出向いて、薬を届け、簡単な測定の手伝いや薬の準備、診察の見学をした。

村の女性たちに自分が新しいことを教えられたことが、特に印象に残っている。

赤ちゃんが熱を出した時の対処法について教えていた時に、赤ちゃんがショックを受けないよう冷水ではなくぬるま湯を使うように伝えると、彼女達は知らなかったらしく、初めて聞いたことのようで少し驚いていた。

赤ちゃんを守るには大切なことだったため、スタッフからはありがとうと言われた。

自分がここに来て話し、教えることが意味のあるもので、誰かの役に立ったのだと思うととても嬉しかった。

ぶち当たった言葉の壁

日常生活の英語も堪能でない中で、聞き慣れない医療の英語が多く使われ、スピードの速い講義についていくのに苦労し、くじけそうになることもあった。

だから、講義の内容については、講義中にとったメモを夜に振り返りながら、調べたり日本語でまとめ直したりすることで理解する工夫をした。

ただ、講義中に突然来る質問に答えられないこともあり、自分の英語力不足が悔しかった。

言いたいことがあっても質問できなかったり、うまく表現できなかったりするもどかしさを感じた。

タンザニア生活

ホストファミリーはみんな仲が良く、夕食後にはみんなで話したり、テレビを見たりしていた。

おばあちゃんやおじいちゃん、小さな孫達も毎日のように家に遊びに来てくれ、賑やかに楽しく遊んで過ごしていた。

朝ごはんは、果物・ジュース・紅茶・コーヒーが用意してあり、パンは自分でトースターで焼き、自分の好きな時間にとると言うスタイルだったが、たまに卵料理などを作ってくれることもあった。

昼食・夕食は、お手伝いさんが用意してくれており、学生みんなで同時にとった。

水に関しては、ウォーターサーバーやホットシャワーがあり、困ることはなかった。

たまに停電することはあったものの、太陽光発電の電気が通っていたため、暗闇の中での生活になることはなかった。

毛布なども用意してあり、快適に過ごせた。

自分自身は着替えを余分に持って行っており、現地で洗濯はしていないが、他の学生は手洗いをしていた。

くらいついた自分の成長

自分の出来ないことに直面した時に、諦めるのではなく、今自分が出来ることを使ってどう解決するのかを考え、実践できた。

英語の講義で理解出来ない部分があったところは、英語を調べ直して日本語に訳し、自分が納得いくまでまとめ、復習し、他の学生に教えながら自分の理解を深めていった。

「タンザニア」という国柄なのかは分からないが、基本的に時の流れがゆっくりだったと感じた。

予定が時間通りに進まないことも多く、少しもどかしい思いをしたこともあったが、その分、他の学生ボランティアや家族との時間、自分一人の時間、講義や復習や一日の振り返りをする時間もたっぷりととれ、しっかりと休養もでき、リフレッシュしながらも有意義な学びを得られるという貴重な時間となった。

自分の存在がほんの少しでも他人の役に立ったと感じられた時は本当に嬉しく、参加したかいがあったと感じられた。

また、患者さんの笑顔や診察見学、講義を通して、自分の医療への関心を再確認することができた。

医者としてかは分からないが、今回活動させてもらったお礼として、将来現地へ再び行き、還元となるような活動を行い、地域に貢献できればと思う。

これから参加する高校生へ

現地では、英語力の高さは問題になりません。

日本でも医療の勉強となると難しいのですから、英語につまづくのは当たり前です。

そこから変えられるのは、自分がどれだけ食らいついていくかだと思います。

面倒くさがられるほど質問したり、聞き直しても良いと思います。

貴重な機会を必ず自分のものにしてください。

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この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。