海外ボランティアと留学は、どちらも海外での貴重な経験を得る手段ですが、その目的や内容は大きく異なります。
海外ボランティアと留学のどちらを選ぶかは、結論、あなたの目的や状況、予算、時間的余裕などによって異なります。
そこで、海外ボランティアと留学のどっちが良いのか、両者の違いやメリット・デメリットを詳しく比較。
どちらが自分に合っているのかを考えるためのヒントをお届けします。
海外ボランティアと留学の違いとは?
海外ボランティア・留学のどちらも、国際経験を得る・語学力を伸ばす・将来の進路に活かす上で有益な経験となります。
そんな中、海外ボランティアと留学の主な違いは3つ考えられます:
- 参加目的:他者貢献か、自分のキャリア形成か
- 参加期間:フレキシブルか、主に中・長期か
- 渡航先:発展途上国か、欧米か
さらに詳しく見ていきましょう。
海外ボランティアとは?
海外ボランティアとは、自分の時間や労力を使って、他国で困っている人々を助けたり、社会的・経済的問題の解決を支援する奉仕活動です。
主に発展途上国や、紛争地域・災害被災地などの支援を必要としている地域で実施。
活動内容は、教育支援、環境保護、医療支援、災害復興など、実にさまざまです。
例えば、教育ボランティアとして途上国の学校の教壇に立ったり、医療ボランティアとして医療アクセスが乏しい地域に医療を届けたりと、自分のスキルや経験を活かした活動が考えられます。
海外ボラティアのメリットとは?
海外ボランティアの最大のメリットは、国際的な他者貢献に加えて、自己成長を促進し、異文化理解を深められること。
現地の人々と直接関わりながら、社会問題について学び・貢献することで、自分の視野を広げ、人生における価値観を変えるきっかけになります。
海外ボランティアに行く5つの魅力にもある通り、ボランティア活動を通じて得られる満足感や達成感は、非常に大きな魅力です。
海外ボランティアのデメリットとは?
海外ボランティアのデメリットとしては、活動にかかる費用や安全性の問題があります。
多くの海外ボランティアプログラムは参加費用が必要で、現地での生活費も自己負担となる場合が多いです。
また、危険な地域での活動や、十分なサポートがない場合もあるため、安全面に十分な注意が必要です。
安全な海外ボランティア団体を見く8つの条件でも触れていますが、どのような国と地域にボランティアを派遣しているか、そして24時間体制の現地サポートを提供しているかどうかは、海外の見知らぬ土地で安全に生活・活動する上で重要な判断要素となります。
海外ボランティア後の進路とは?
実践的な語学力、専門分野での国際経験・スキルを得られる海外ボランティアは、国際的な仕事やNGO・NPOでの活動を目指している方にとって特に有益です。
海外ボランティアは、将来の進路を具体化する意味でも有効です。
例えば、看護と助産に関心がある大学生ボランティアが、海外で実際の医療現場を経験し、どちらの専門医療に進むべきか決断するケース。
最近では、高校生の海外ボランティアを通して進路を具体化する高校生も増えています。

留学とは?
留学とは、語学力を向上させる、あるいは専門的な知識を学ぶことを目的として、海外の教育機関に一定期間通い、勉強する行為です。
日本からの留学は、アメリカやオーストラリア、イギリス、フランスなどの主に欧米諸国が一般的。
留学のタイプは、数週間の語学留学から、中・長期の交換留学、海外の4年制の大学への進学など、その種類も留学期間もさまざまです。
留学は海外の教育機関で学術的な知識を習得できる他、異文化に触れることによって国際感覚を養えることも大きな特徴です。
留学のメリットとは?
留学の最大のメリットは、留学のタイプによってことなります。
語学留学は、実際に現地でその言語を集中的に学びながら生活することで、語学力や国際的視点が鍛えられます。
交換留学や海外の大学・大学院への進学であれば、専門分野の学びや国際的な人脈を広げられる点も大きな魅力です。
海外で専門的な学びを深めることは、キャリアの選択肢の拡大につながります。
留学のデメリットとは?
留学の最大のデメリットは、何と言っても費用面のハードルです。
留学には高額な費用がかかる場合が多く、学費や生活費を事前にしっかりと準備する必要があります。
また、長い留学生活の中でホームシックになる、慣れない環境での勉強からストレスを抱える、なんてこともめずらしくありません。
そのため、留学は金銭的・心理的準備を計画的に進めることが求められます。
留学後の進路とは?
語学力や異文化理解、グローバルな視野が求められる職場では、留学経験が有利に働くことが多いです。
また、海外の教育機関を卒業した学歴は、就職活動において強力なアピールポイントへ。
海外で学士を取得後、修士・博士と専攻分野をさらに突きつめ、世界を舞台に研究職の道が開ける可能性も考えられます。
海外ボランティアか留学で迷ったら、おすすめなのは?
海外ボランティアと留学の違いを理解した上で、それでもまだ海外ボランティアか留学で迷ったら、今おすすめなのは海外ボランティアです。
海外ボランティアが留学よりもおすすめな理由は、主に7つあります:
理由① 語学力が伸びやすい
海外ボランティアに参加すると、語学力の上達が早い傾向にあります。
その理由は、海外ボランティアの場合はその言語で会話し、生活し、活動せざるを得ないから。
留学と比べてインプットよりもアウトプット中心となるため、語学力の向上が期待できるというわけです。
理由② 現地で受け入れてもらいやすい
体感として、「留学生」として渡航するより、「ボランティア」として赴く方が、現地で受け入れてもらいやすいことが多いです。
留学は自分の語学力向上や自身のアカデミックなキャリアを追うことを目的としている一方、海外ボランティアはその土地およびそこに暮らす人々を支援するために来ているので、現地の方からもウェルカムされるというわけです。
理由③ 現地の人々とつながりやすい
海外ボランティアは、海外ボランティア活動という「やること」があるため、コミュニケーションに自信がなくても人とつながれる可能性が高いです。
留学は、学問という机上の勉強が主になりますが、海外ボランティア活動は常にアクションが求められます。
人と関わりながら進行することが多いため、一人ぼっちになるということは考えにくいです。
理由④ 幅広い層の人々と交流できる
留学は、主に20代までの学生が中心です。
特に語学留学の場合は、英語圏外出身の10代の若い学生が中心。
したがって、交流の幅も若者のみになりがちです。
一方、海外ボランティアの場合は、英語圏出身の方も含め、国籍・年齢・経験が異なるボランティア参加者、現地スタッフ、地域住民、支援対象者など、さまざまな出会いが期待できます。
理由⑤ 人とは違う経験を得られる
アメリカやオーストラリア、イギリスなどへの英語圏への留学が多い中、「何でその国に行ったの?!」と聞きたくなるような海外ボランティア経験は、差別化となり、目立つ経験に。
例えば、アフリカのタンザニアで海外ボランティアや南米のペルーで海外ボランティア。
人とは違う経験を得られる海外ボランティア活動は、自分の経歴に箔が付き、就活の面接などでも注目を浴びる要因になり得ます。
理由⑥ 短期でも参加できる
海外ボランティアは、1週間前後の短期の海外ボランティアから数年に渡る長期まで参加期間の幅が大きいため、誰でも参加しやすいメリットがあります。
一方、留学は交換留学でも1学期(半年)または1年以上、海外の大学や大学院に進学の場合は数年の長期になるため、ある程度の予算とコミットが必要です。
理由⑦ 短期でも学びが多い
海外ボランティア体験談によると、海外ボランティアは短期の参加でも「自己意識の改革」「価値観の刺激」「先進国軸の世界観の変革」など、さまざまな学びがあります。
海外ボランティアは参加期間を問わず、異文化に触れ、人生観が刺激され、自分の人生を見つめ直す経験。
日本のすばらしさや、いつも支えてくれる家族や友人への感謝の気持ちが芽生え、当たり前が当たり前ではないということに気づかせてくれます。
留学の語学力アップや単位取得などの自分軸の経験から、他者貢献という他人軸での経験を得ることで、自己成就が期待されるというわけですね。
他者貢献や社会奉仕を通して、自身の幸福度や自己効力感が上がることも科学的に証明されています。
