大学生になった今こそ

私は約2ヶ月、カンボジアで理学療法のプログラムに参加しました。

私は高校生の頃から、海外留学や海外ボランティアに興味がありました。

ですが、長期での時間を作ることができず、活動に参加することができませんでした。

大学生になり、私は大学で理学療法学を専攻しました。

今回、国家試験の準備をする期間を利用し、ボランティア活動に参加したいと思い、短期かつ理学療法のボランティアを行える団体をインターネットで調べました。

多くの団体はTOEICや英語検定が必要、かつ理学療法免許が必要でした。

また短期間での参加募集は少ないです。

そんな中、無資格・短期での参加が可能なプロジェクトアブロードを見つけました。

初めて見つけた時、私でも参加可能な団体があることを知り、とても嬉しく思いました。

それと同時に、海外ボランティアに参加したいと思う気持ちが高まりました。

プロジェクトアブロードは活動国が多く、またどの国にもオフィスがあり、海外経験のない私でも安心して活動国にいけると思いプロジェクトアブロードで参加することを決めました。

カンボジアで取り組んだ活動

私はHome of Hopeで2ヶ月活動しました。

Home of Hope は、エイズ疾患を持つ子どもの孤児院です。

主に発達障害、脳性麻痺、筋ジストロフィーの患者さんと成人男性のパーキンソン病、片麻痺の患者さんです。

活動内容としては、ADL能力の向上、維持を目標に理学療法を行いました。

彼らは学校には通っていないので、基本はクメール語でコミュニケーションをとります。

それに加え、英語を多少理解しています。

成人患者は英語が理解できる人が数名、他はクメール語です。

職員の中に理学療法士の方が1人いらっしゃいます。

ですが、日本の理学療法の大学と、カンボジアの大学では、学ぶ内容が多少異なりました。

なので、私達は、理学療法を行う中で、評価・治療プログラム立案・目標設定を一緒に行いました。

治療プログラムを一緒に行うことで、お互いの知識向上も行えたと思います。

私が帰国した後も、理学療法プログラムを継続してもらうためにも必要なことだと思いました。

彼は英語とクメール語を話すことができるので、是非、彼と一緒に理学療法を行ってみてください。

新しい見方や考え方を知ることができると思います。

Home of Hopeには医療知識のある人があまりいません。

ある人もいますが、日本とはレベルが違うと感じました。

また、日本ではチーム医療が推進されており、患者についての報告・相談・連絡等の情報交換を密に行いますが、カンボジアでは行う習慣がなかったです。

なので、自分で作ったエクササイズ等、何か継続して行って欲しい場合は、一人の職員に伝えるだけでは、全体に伝わることが困難ですので、施設職員に詳細かつ、頻繁に説明することが大切でした。

実際に活動して学んだこと

私のイメージでは、孤児院の子どもはあまり笑顔が無いと思っていました。

ですが、子ども達はとても人懐こく、笑顔が多かったです。

遊ぶことが好きですので、理学療法にその子個人の好みを入れ込むと、スムーズに行うことができました。

理学療法室は鍵をかけることができますので、個別で理学療法を行うこともできました。

理学療法を行う中で、私は子ども達の笑顔から力をもらいました。

彼らは、両親がいなくても、靴がなくても、好きなご飯が食べられなくても、笑顔で生活していました。

私より幼い彼らは、私よりも辛い経験を多く経験しています。

彼らのことを思うと、今私ができる精一杯のことをしたいと思い二ヶ月を過ごしました。

そして帰国した今はもっと知識を増やして、今回のプログラムよりもより多く、力になりたいと思っています。

多国籍な仲間との共同生活

私は、英語があまり得意ではありませんでした。

そんな私に、アパートの皆はフレンドリーに接してくれ、楽しく生活することができました。

特にルームメイトとは、一緒に生活していく中でより仲を深めることができたと思います。

彼らとは一緒に食事や、買い物に行きました。

他にも土日の休みを使ってAngkor Vat にも行きました。

ルームメイトやアパートの皆がいたからこそ、二ヶ月楽しむことができたと思います。

食事は、お米、パン、パスタと、日本とそんなに違いはありませんでした。

カンボジアには日本料理店がありますので、外食すれば日本食を食べられます。

今回参加してできた友達とも、日本食を食べに行きました。

日本食以外にも、友達の国の食事にも行きました。

お互いの国を知れるきっかけにもなったので、とても楽しかったです。

また、アパートでは自分たちで料理をすることもできます。

彼らは日本食にとても興味があったので、私はお好み焼きパーティを行いました。

みんなが喜んでくれたこと、日本に興味を持ってくれたこと、どちらも嬉しかったです。

今とこれからへの意気込み

私は今年、国家試験を受けます。

ですので、経験値としてはまだまだ未熟です。

ですが、カンボジアでの経験は今後、働く上で重要になって行くと思っています。

Home of Hopeでは、日本で行う実習とは異なり、器具の少なさや、周りに知識を持っていて助けてくれる人や教えてくれる人もいませんでした。

そのため、「自分で努力すること」の大切さを知り、実感できました。

特に自分の知識の足りなさを実感しました。

カンボジアまで行ったのに、自分の思うような理学療法ができなかったとこもありました。

日本での実習は器具や資料が揃っている。

または、患者が理学療法に積極的である等、理学療法を行いやすい環境が揃っていると実感しました。

他にも実感したのは、基礎の大切さです。

私が初めてHome of Hopeに行った時、血圧計は使われていませんでした。

血圧測定の方法・重要性を知らず、使用していなかったのです。

血圧測定は患者さんの身体状態を知るため、また患者さんを守るためには必須だと思います。

その大切さを彼らに教えていく中で、基礎をしっかりと固め、患者さんに何ができるのかを考え行動することが患者さんの笑顔につながり、より良い治療が行えるとHome Of Hopeで学習しました。

今後は国家試験を受け、免許を取得し、今回の経験を生かし日本で働きながら、知識を増やしたいと思っています。そして、数年後にまたHome Of Hopeに行きたいと思っています。

次行くときは、今回よりも、もっとよい理学療法を提供できるように勉強していきたいと思っています。

今回、このような貴重な経験をさせていただけたことにとても感謝しています。

プロジェクトアブロードのスタッフの皆様を始め、Home of Hopeのスタッフ、子ども達、一緒に生活した皆、そしてカンボジアで出会った人々、皆様に感謝しています。

ありがとうございました。

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カンボジアで理学療法 田中由里菜

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

この体験談は孤児院での活動に言及していますが、現在プロジェクトアブロードは地域型のチャイルドケアに焦点をあてた活動に取り組んでいます。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。