セネガルでマイクロファイナンスインターン中の高村遼馬と現地の起業家

セネガルでマイクロファイナンス 高村遼馬

大学2年生の春休み、今まで行ったことのない大陸に行きたいと思っておりまして、南米かアフリカか迷っていました。

もともと長期休みは海外に行く習慣があり、今回はただの旅以上のことがしたいと思っていました。

自分の中の春休みのミッションとしては、"ローカルに馴染んで活動をする"と"新しい言語を習得する"でした。

ネットであれやこれやと探しているうちにプロジェクトアブロードのサイトにたどり着きました。

見つけた時は、こんなに活動先や活動内容が豊富なのかとワクワクしたのを覚えています。

すぐに横浜のプロジェクトアブロードオフィスに行き、丁寧に活動内容など説明してもらいました。

将来海外と日本を繋ぐようなビジネスをしたいと考えていたので、「マイクロファイナンス」が一番自分に向いていてチャレンジングだと感じました。

また、セネガルに行けばフランス語も学べると聞いたのでオプションでフランス語の講座もとりました。

プロジェクトでは、毎日のようにビジネスプランをタリベや女性のために立てたり、ダーラを訪問したりしました。

具体的には彼らににどんなビジネスを展開したいのかインタビューをし、それをもとにエクセルで数字を割り出し、パワーポイントでプレゼンを作成し、用意が整ったらプロジェクトアブロードセネガルのトップの人にプレゼンをして、実際に融資を出してもらうというフローでした。

働く時間に関しては、月曜日から金曜日まで、午前は朝9時から12時半まで、お昼休憩4時まで(私はこの時間に1時間ほど学校でフランス語を教わっていました)、午後は4時から6時半まで働いていました。

個人で動くというよりはマイクロファイナンスのチームとして常に共に活動していました。自分と同じマイクロファイナンスボランティアにイングランド人で証券会社で働いている人がいて、毎日のように彼とビジネスの話や、"彼の国で働くということ"や"日本での就職とは"などについて話しました。

またタリベセンターなどで活動しているボランティアの人達とも毎週のように語り合い、各々の国の良し悪しを紹介し合いました。ヨーロッパの人たちが多かったのですが、彼らのリベラルな考え方は自分にとってとても新鮮で、こんな自由な生き方もありなのかと刺激を受けました。

日本にいては、良い大学に入って、良い企業に勤めて、家族を養うという考え方が"普通"ですが、セネガルで出会ったボランティアの人達は皆、特に若者は、「そのレールに乗って正しいのか?」「自分にとって幸せは何か」「どんな人生を送りたいか」「自分たちの国(先進国)で働いて幸せなのか」などなど"普通"を常に疑って考えていました。

そんな彼らと真剣にディスカッションをし、時にお酒を飲んで騒いだりできたのは、価値観を見直す良い機会だと思えました。

フランス語がまだ得意では無かったので、出発前、ホームステイに関しては心配していました。うまくコミュニケーションがとれるのかとか、どうしても伝えたいことが伝えられないのではないかとか。

でも実際に行ってみて家族全員がとても穏やかで優しくて、自分の拙いフランス語を一生懸命聞き取ろうとしてくれました。

彼らとうまくコミュニケーションをとりたいがために、毎日フランス語を勉強しようとモチベーションが保てました。

また、サッカーが盛んな国なので、家の前で毎日のように子供達とサッカーしてコミュニケーションをとっていました。

セネガルの食事はとても美味しく、日本人が好きな味だと思います。家庭によっては味が濃すぎるところもあるかもしれませんが、魚やお肉をご飯と一緒に食べるスタイルは炊き込みご飯のようでした。毎食毎食とっても美味しいので、日本食に飢えることはほとんどありませんでした。

また、食べ方は、家族全員で一つの大きなプレートを囲んでみんなでつつく形式でした。食事の時間は家族全員が集まる時間であり、みんなで一つのプレートを分け合う"シェアの精神"を学べたような気がします。

イスラム教の"シェアの精神"には驚きました。普通に考えたら日本人の自分の方がお金を持っているのに、彼らはそんな自分に例えばコーヒーを奢ってくれるのです。たった数十円のコーヒーなのですが、"みんなで飲もうよ"って。見知らぬ人でも友達みたいに自然に喋れるし、そういう温もりある日々に居心地の良さを感じ、自分はこういう環境が向いてるんだなと認識しました。

問題としては、差別に関するモラルの低さだと思いました。多分日本人いやアジア人なんて人口比率から考えてほとんどいないと思うのですが、そのせいか道を歩いてると知らない人(特に子供)が「シノワ!(中国人!)」って声をかけてくるのです。

リスペクトがあれば良いのですが、そんなことはなく集団で嘲笑ってくる調子です。もちろん良い気はしないし、最初は相当腹立っていました。

日本にいては差別したりされたりすることはほとんどないと思いますが、もしかしたら無意識にしてることもあるのかななんて、セネガルにいて思いました。

人種とか性別とかキャリアとか関係なく、対個人で人と向かい合う時はリスペクトを持つ意識が必要だと再認識できた気がします。

これは当たり前のことだと思うんですが、集団主義の日本では周りに流されちゃう雰囲気とかあると思うんですよね。「アイツは大学出てないから云々」とか、「彼は良い会社に就職した」とか。あくまで個人として意思を持って誰かと向き合っていきたいですね。

今回の体験を通して、世界に対する好奇心がより一層湧きました。

ただ、別に世界一周の旅がしたいとかいうわけではなくて、各地のローカルに入り込んでその国の考え方を学びたいと思ってます。

何カ国回りたいとか、あの景色が見たいとか、旅にもいろんなスタイルがあると思いますが、自分は現地にある程度長期滞在して現地の人と遊んだり仕事をしたり、一緒に生活させてもらったりした方が学びがあると思っています。

そういう意味で、プロジェクトアブロードのプログラムから学べるものは計り知れないと思ってます。

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セネガルでマイクロファイナンス 高村遼馬

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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