発展途上国の医療現場を確かめたい

大学時代にフィリピン、シンガポールの大学へ短期交換留学等を通し、看護教育や医療の現状を知りました。

しかし、世界のなかで最も医療が遅れているといわれる発展途上国では、どのような医療が行われているかを自分で見て確かめたく思い、中でも病院等が少ない郊外の地域での活動ができる機関を探し、たまたま見つけました。

また、私はトビタテ留学ジャパンで留学予定だったため、その先輩からの情報も活用しながら決めました。

タンザニアを選んだ一番の理由は、医者の数が世界で一番少なく、医療者数の不足がアフリカの中でも問題になっていたからです。

また、病院がない地域でのアウトリーチ活動などもあったため、タンザニアのプログラムに決めました。

2週間主体的に取り組み続けた

私は首都から離れたアルーシャという市の少し田舎の病院に行きました。

始めは指示が全くなく、何をやるか分からない状況でしたが、2週間しかなく、様々な医療現場を見ることが今回の目標だったため、一般病棟と小児病棟などを周り、一番自分に合っていて、できることが多い小児病棟に決めました。

また仲良くなったドクターが、病棟をみたいと行ったら病院内を全て説明してくださり、手術室なども中までは入ることができました。

初めは午前で帰っていましたが、午後に看護師の仕事があるよと教えてもらったため、途中から午後も残り、看護師の業務を手伝いました。

スワヒリ語が分からず、患者さんとコミュニケーションをとれないことも多く、もどかしいかともたくさんありましたが、関わり続けることで、顔を覚えてもらえたり、感謝されることが増え、限られたなかで少しずつやりがいを感じることができました。

また、薬の調合の仕方やカルテの見方、物品準備や簡単な看護ケアを手伝わせてもらえ、看護師、医師などとも仲良くなり、異なる医療についてディスカッションする機会もありとても興味深かったです。

他のヨーロッパから来ているボランティアの人たちとも関わる機会があり、日本の医療や制度がいかに発展しているかを学びました。

目をつむりたくなる医療を目にすることもありましたが、日本ではできない経験をたくさんでき、視野が広がりました。

肌で感じたタンザニア生活

ダラダラというミニバンに、定員の二倍くらいの人数がのっている交通機関がメインでした。

治安は思っていたよりもよく、フレンドリーな人ばかりで歩いていると目があったほぼ全ての人に挨拶されたり、話しかけられたりします。

ホームステイ先もとてもいい家族で、ご飯もとても美味しかったです。

シャワーもお湯が出ますし、ほぼ日本と変わらない生活が送れました。

休日はサファリやhot spring(温かくなかった)、スネークパークなど、フラットメートやボランティアで仲良くなった人など必ずどこかへいっていたので、アクティブに過ごすことができ、タンザニアの文化を肌で感じ、思いっきり楽しめました。

現場で得た私の成長

自分から積極的に学びに行くことの大切さを改めて感じました。

また、医療事情の違いを見て感じることで、文化の違いや価値観の違い、今後の医療の課題などについて考え直すきっかけになりました。

患者の知識不足や、重症になってから患者が多く救えるはずの患者が救えない現状を目の当たりにし、非常に悔しくもどかしかったですし、知識普及の必要性も感じました。

感染症はもちろんですが、肥満患者が多く、それによる糖尿病などの慢性疾患が流行っていることを知り、肥満問題についての興味が深まりました。

また、アウトリーチ活動に参加した際に、高血圧の患者に対し、薬を処方するだけで、体重を落とすことや、食生活に対する健康教育が全く行われておらず驚きました。

単なる物品不足などだけではなく、医療従事者の知識や教育レベルについても改善しなければならないと感じました。

タンザニアにおける医療の現状を知れたことで、視野が広がったように思います。

明確にいなった今後の展望

帰国後は残りの留学生活をし、日本の大学で残りのカリキュラムを行うため、日本の医療を当たり前と思わず、様々な視点から考えられる医療者として働いていきたいです。

また炭水化物の摂取量が多く、特に中年女性の肥満が目立ち、肥満問題について興味を持ったため、卒業研究では、先進国、発展途上国の肥満問題について研究して行きたいなと考えています。

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タンザニアで看護 森下りの

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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