進路を決める前に確かめたい
私は将来、医療の分野で発展途上国の支援に関わりたいという思いがあり、進路を決める前に少しでもその現場に近い環境を実際に見ておきたいと考えていました。
ボランティア活動は現地の人々のために行うことは言うまでもないですが、それと同時に、その分野の仕事を間近で見られる貴重な機会でもあるととらえています。
そこで、発展途上国で医療ボランティアができるプログラムをインターネットで調べていたところ、世界中の高校生と一緒にボランティアをできるプロジェクトアブロードを知りました。
同じような夢を持つ同世代と関われることにも魅力を感じ、すぐに参加を決めました。
衝撃的だったタンザニアの医療現場
平日は現地の病院でのボランティアをメインで行います。
私が活動した病院は地域の総合病院でした。
平屋の建物に一部屋ずつ診療科が分かれており、高校生数人のグループで半日ずつ診療科を回っていきました。
現地病院でのボランティアで印象的だったことは数えきれないほどありますが、その中で特に記憶に残ったことを3つ紹介します。
まず、割礼により閉じられた女児の膣を針によって開くという小さな手術を見学したことです。
割礼というアフリカや中東に根強く残る文化を耳にしたことはありましたが、初めてその習慣を身近に感じた瞬間でした。
次に、産科に17歳の私より若い女性が多くいたことです。
また、20代の女性で既に9回出産した方も見ました。
タンザニアでは男性が第4夫人まで作ることができ、妊娠しやすい女性は男性から重宝され、反対に妊娠しにくい女性は男性が離れていくそうです。
発展途上国ならではの子供の大切さ、致死率の高さ、一夫多妻制の実状を同時に感じました。
最後に、分娩を手伝わせていただいたことです。
現地では日本の病院ではできないことを沢山体験しましたが、赤ちゃんを分娩する手伝いをボランティアにやらせてくださったのは特に衝撃的でした。
また、現地病院でのボランティア活動に加え、マサイ村や小学校、女学校でもアウトリーチを行いました。
マサイ村では、小さな学校に簡易診療所と薬局を設置し、医療提供を行いました。
普段から医療へのアクセスが限られているため、病状を誇張してより多くの薬を受け取ろうとする人もおり、医療不足がもたらす思わぬ弊害を間近で目にしました。
タンザニアの子供たちに囲まれた生活
私たちは住宅街の中にある宿舎に滞在しました。
夕方になると、毎日のように近くで子供たちが遊ぶ声が聞こえてきます。
私たちもボランティア活動を終えて、宿舎に戻ると、自然と彼らとサッカーやかくれんぼをして遊ぶのが日課になっていました。
最終日前夜には、子供たちの家まで行き、日が暮れるまで一緒に過ごしました。
そして最終日、空港に向かうバスを、彼らが私たちの名前を呼びながら追いかけてきた姿を見て、彼らの温かさに涙がこぼれそうになりました。
現地に行って得た最大の学び
今回のプログラムの参加を通じて、同じ目線で向き合うことの偉大さを学びました。
現地ではスワヒリ語で話すため、患者さんとコミュニケーションをとることは難しかったですが、英語を話すお医者さんにスワヒリ語を教えてもらい、自分を相手の目線に合わせることを意識しました。
それにより、最初は不審な目で見ていた患者さんも笑顔でお話ししてくれて、出産後に赤ちゃんを見せに来てくれました。
ここから、患者さんの立場に立つことが、患者さんと信頼関係を構築につながり、それがより良い診療の土台になるのだと実感しました。
生まれた場所を問わず健やかに暮らせる世界へ
タンザニアの人々はいつも前向きで、今その瞬間を全力で楽しむ方法を知っています。
そんなタンザニア人といるといつも笑顔になれるし、自分も周りをパッと明るくできる人になりたいとつくづく思いました。
人は生まれる場所を選べません。
しかし、生まれる場所は医療の充実度やその人の健康を左右します。
タンザニアに来て、人々の温かさに触れて、「出生地にものを言わせない環境づくりに貢献したい」という気持ちがさらに強まりました。
将来医師として、再びこの地に戻り貢献できるよう、これからも努力を重ねていきたいと思います。
これから参加する高校生へ
これから参加する方々に2つアドバイスがあります。
まず、滞在中に日記をつけることです。
現在、帰国後1年半が経ちましたが、今でも日記を読み返すと当時の出来事や感情が鮮明によみがえります。
せっかくの貴重な経験をしっかり留めておくためにも、日記をつけることはおすすめです。
そして、なんといっても積極的に行動することです。
現地では、驚くほどなんでもボランティアに体験させてもらえます。
「こんなチャンスは二度とない!」と思って、失敗を恐れず、一歩踏み出してみてください。
その挑戦がかけがえのない学びにつながるはずです。
このプログラムは、人生においてきっと大きな意味を持つ経験になるので、ぜひ参加してみてください!
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。