ふと、立ち止まったその時

幼いころ、いつか途上国などで活動したいと思い、漠然と看護師を目指しました。

そして資格を取り看護師として病院で働いていく中で、自分の将来のことを改めて考え、このまま日本の病院で働いていくのだろうという思いと、やはり海外に行ってみたいという思いと両方がありました。

そんな中、転職をする機会があり、行くなら今だと思い、思い切ってプロジェクトアブロードに申し込みました。

転職を決意した頃、インターネットでボランティア関係で検索してプロジェクトアブロードを知り、自分の考えに一番近く、サポートも充実しており、またグローバルフェスタで実際に話を伺って信頼できる団体であると感じ参加を決めました。

アフリカ、ガーナへ

私がガーナを選択したのは、アフリカに興味があったこと、アフリカ初心者にはガーナがおすすめであると聞いたこと、また何より公用語が英語であったため、英語も同時に学びたかった私にとっては最適な環境であると思ったからです。

看護師として看護プログラムに参加もしたかったのですが、英語力に自信がなかったことと、実際に現地に出向いて活動することにも興味があったため、公衆衛生を選択し、併せて英語を語学追加コースとして追加しました。

これまで海外旅行には何度か行っていましたが、長くても1週間であり、かつ友人と一緒であったため、一人で11週間アフリカに行くということがとても不安でした。

海を越えた先で私を待っていたもの

約1日かけて現地に着き、ホストマザーが笑顔でハグをして迎えてくれた時には、一気に緊張がとれました。

ホームステイ先はホストマザーが1人で住んでおり、他に2匹の犬を飼っていました。

初めの1か月は、その家にボランティアが私1人だけであったので、犬好きの私には素敵な友人であり、癒しでもありました。

私が滞在したドドワには、直ぐ近くに他のホームステイ先があり、私が1人でいた期間もお互いの家を訪ねたり、夜には一緒に近くのバーへ出かけたりと、寂しく思うことはあまりありませんでした。

週末にはみんなで旅行を計画し、ガーナ生活を満喫できました。

スマートフォンをガーナへ持っていくか迷っていたのですが、他のボランティアも含め皆カメラ代わりとして使用していました。

また家の近くにインターネットカフェがあり、wi-fiを格安で利用でき、また途中からポケットwi-fiを手に入れることができたので、みんなで共有して使用し、頻繁に日本と連絡も取ることが出来ました。

公衆衛生インターンとしての活動

活動は主にCWCと呼ばれる、5歳以下の乳幼児とその親・妊婦を対象とした活動と、学校で生徒と先生を対象とした活動を行いました。

母・子への公衆衛生活動

CWCでは、主にドドワの病院に集まってから、現地の看護師の方とその日の活動地へタクシーで移動しました。

活動先は小さな集落で、比較的スペースがあるところに机と椅子を置き、近くにある木に吊り下げ式の体重計を下げてセッティングし、活動しました。

そのため、基本的には外で屋根がなく、雨期になるといつ雨が降り出すかわからない状態であるため、人の集まりは乾季に比べると少なかったように思います。

活動内容は、赤ちゃんの体重測定や予防接種、ビタミン投与や栄養状態のチェック、母子手帳の記録、母親に対してのカウンセリングなどです(予防接種・カウンセリングは、現地の看護師が実施しました)。

中には、マラリアで生後数か月の子を亡くした母親もいました。

涙をながして看護師と話している姿はとても胸が痛み、マラリアがガーナでは深刻な問題であることを目の当たりにしました。

現地で使用している病院記録用の用紙はもちろん英語であり、スペルや数字が読みにくかったり、それ依然に間違いの記録も多く、慣れるまで苦労しました。

学校での公衆衛生活動

学校では、first-aidとして怪我や白癬のある子供達に対しての簡単な処置や、マラリアの簡易チェック、マラリアやエイズ、個人衛生についてなどを、子供たちの年齢に合わせてティーチングをしたりしました。

私は英語で教えることが難しかったため、他のボランティアの方が教えているのを生徒と一緒に聞いていましたが、専門用語をたくさん覚えられたり、クイズ形式で質問をしたりして説明しており、指導方法についてなど学びが沢山ありました。

ある時、生徒全員のマラリアのチェックをした際、明らかな症状が無いにもかかわらず、約7割の生徒が陽性だった時にはとても衝撃を受けました。

先に述べたように、ガーナではマラリアはとても身近なものでありながら、子供たちの知識が乏しいことにも驚きました。

そして先生たちに対しては、血圧測定、HBVのチェックなどを行い、血圧が高い方には簡単にアドバイスを行いました。

生徒に対してティーチングをしているときに生徒と一緒に話を聞き質問をする先生もおり、大人でもあまり知識が定着していないのだと感じました。

また、追加で行った英語の授業は、基本的に月~金曜の活動後に毎日2~3時間行いました。

授業自体が英語での会話となるため、初めのころは大変でした。

しかし1対1のため、生活の中で一番英語を話す時間となり、ガーナについても先生が詳しく話してくれ、時には町の中を歩きながら会話をする時もあり、とても有意義な時間となりました。

ゆっくり話すことの出来る授業が楽しみでした。

常に電子辞書を持ち歩いていたため、わからないときは直ぐに調べ、寝る前には一日の振り返りをし、徐々につたない英語でもコミュニケーションがとれるようになれました。

11週間のこの経験を今後へ

今回の活動は11週間と長期であったため、より深く文化と現状について学ぶことが出来ました。

当たり前のことが当たり前ではない、ということも肌で感じ、柔軟に対応することの必要性も学びました。

またこの経験を通して、現地の方や他のボランティア、また日本で同じ思いを抱いている方や国際協力に携わっている方と知り合う機会も得られ、かけがえのない経験となりました。

そして、改めてボランティアや国際協力について考える機会となりました。

将来的には、今回の経験を生かして何らかの形で国際協力に携わる仕事がしたいと考えています。

今後も世界に目を向けながら、まずは看護師として経験を積み、機会があれば今度は看護師として活動できればと思います。

これから参加する方へ

参加に迷っているのなら、ぜひ、現地に足を運んでみてください。

得るものは大きいです。

長くなりましたが、これが皆さんの参考になれば幸いです。

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ガーナで公衆衛生 安達恵

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。