たった1週間、されど1週間
私は、令和7年8月17日~25日の約1週間、通年プログラムでタンザニア建築ボランティアに参加しました。
約1週間という短い期間でしたが、たくさんの人と出会い、様々な経験を通じて、多くのことを学びました。
ここで私が経験したこと、学んだことについて少しでも共有できたらと思います。
未知の世界へ
私は子供の頃から国際協力、特に貧困問題の解決に興味がありました。
そのため、戦争、貧困、差別などの漠然なイメージがあったアフリカという未知の世界にいつか行ってみたい、実際に自分の目で確かめてみたいとずっと心の中で思っていました。
そんな中、インターネットでプロジェクトアブロードが実施するボランティアを見つけました。
アフリカの国でのボランティアもいくつかあり、その中でも私はタンザニアを選びました。
理由は、私の仕事内容に近い建築ボランティアを選ぶことができたからです。
また、初めてアフリカに行くということもあり、タンザニアがアフリカの中でも比較的治安が良いということも選定理由の1つでした。
タンザニアの建築ボランティアに参加すると決めて申し込みした後も不安はたくさんありましたが、プロジェクトアブロードの担当の方がオンライン面談等を通じて私の疑問・不安などに対して的確にアドバイスしてくれたため、滞りなく出発準備を整えることができました。
日々の建築活動
私は、タンザニアのアルーシャという町で活動しました。
この町の周辺には、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロがあり、アルーシャも標高が高いため、とても過ごしやすい気候でした。
私は、アルーシャの町から少し離れた場所にある、マサイ族(ケニア南部からタンザニア北部一帯で暮らす先住民のこと)の子供たちのための学校を建設するというボランティアに参加しました。
毎日この学校まで片道約1時間をかけてダラダラという、日本でいうハイエースのような車に乗って移動しました。
このダラダラは、タンザニア市民の主要な移動手段の1つで、多いときには1台当たり20人以上乗るので、日本の満員電車に乗っているような感覚でした。
建設予定の学校は、5つの教室、トイレ、厨房、食堂、学校のフェンス、遊具で構成される予定であり、その中でも私は、厨房の外壁・内壁のペンキ塗り、屋根の修理を行いました。
作業は、プロジェクトアブロードの現地職員の指示のもと、私を含め3人のボランティア参加者と一緒に行いました。
私は、建築について素人でしたが、教えてもらいながらなんとか作業することができました。
将来、この学校で多くの子供たちが教育を受ける姿を想像しながら、楽しく活動できました。
力強く生きるマサイ族の人々
活動中、マサイ族が実際に住む家に訪れることができました。
家は土と木でできており、小屋のような狭い空間で、家族が寄り添いながら生活していました。
電気、ガス、水、インターネット、時計などはなく、水は歩いて取りに行かなければならず、また朝起きるのはニワトリの鳴き声だそうです。
外には、ヤギやロバ、ニワトリなどがおり、そこはまるで縄文時代にタイムスリップしたかのような感覚でした。
日本で生活していれば当たり前が、ここでは当たり前ではありませんでした。
それでも、マサイ族の人々は、この地で力強く生きていました。
私にとって貴重な経験であり、将来、何かこの人たちのためにできることはないかと強く感じました。
日本ではできない現地での時間
ボランティア活動期間中、ホストファミリー宅で滞在させてもらいました。
このホストファミリー宅には、ボランティア参加者が私も含めて6人滞在しており、一緒に朝食・夕食を食べたり、近くのスーパーマーケットに買い物に行ったり、夕食後にカードゲームをしたりしました。
このホストファミリー宅では、毎食ごと、お祈りをしていました。
お祈りの内容は理解できませんでしたが、タンザニアの文化・宗教について少し触れられた気がしました。
停電は1回ありましたが、毎日暖かいシャワーを浴びることができ、特に大きな不自由なく快適に過ごすことができました。
また、休日にはサファリを楽しみました。タンザニアは雄大な自然環境が魅力的であり、私も国立公園に行きました。
キリン、シマウマ、バッファロー、イノシシ、フラミンゴなど、たくさんの野生動物を間近で見ることができました。
日本では経験できない素晴らしい時間を過ごせたと思います。
ボランティアを通じて感じたこと
ボランティアを通じて感じたことは大きく2つあります。
1つ目は、自分の狭い世界観を広げられたということです。
アフリカに対し漠然なイメージしかありませんでしたが、本ボランティアに参加して、少しアフリカについて知ることができたと思っています。
そこは決して悲観的なイメージだけでなく、お互いが助け合い、力強く生活していました。
日本にも良いところがあるように、アフリカ(タンザニア)にも、陽気でフレンドリーな人柄、大自然など良いところがたくさんありました。
お互いを知り、相互に理解・尊重し合うことが国際協力の第一歩だと感じました。
本ボランティアに参加して、本当に良かったです。
2つ目は、語学勉強の重要性です。
私は、今回のボランティアに、積極的に参加できなかったと感じています。
原因はいろいろあると思いますが、やはりコミュニケーションがとれなかったことが大きな要因だと思います。
現地では、英語、スワヒリ語が使用されていましたが、ほとんど理解することができず、会話に入れずうまく意思疎通をとることもできなかったため、信頼関係を構築することもできませんでした。
言われたことをやるだけになってしまい、積極的にボランティアに参加できませんでした。
言語が分からなくても主体的に活動できるかもしれませんが、コミュニケーションを円滑にとれれば、もっと内容の濃いボランティアになったと感じました。
今回は、このように悔しい思いをしたので、引き続き語学勉強をしていくとともに、日頃からのコミュニケーションも大事にしていきたいです。
今後も携わっていきたい
本ボランティアに参加して出会ったすべての人に感謝しています。
多くの人に助けてもらい、自分にとってかけがえのない経験をさせてもらいました。
今後も仕事などを通じて国際協力に携わり、本当に助けを必要としている人たちに何かできればと思っています。
これから参加する方へ
大きく2つお伝えできたらと思います。
1つ目が、「迷ったら、まずやってみる」ということです。
私は本ボランティアに参加することにとても不安を感じていました。
これまでに行ったこともない場所に一人で行って大丈夫だろうか、うまくコミュニケーションをとることができるだろうか、犯罪などに巻き込まれたりしないだろうか、食事は自分にあうだろうかなど、不安だらけでした。
しかし、出発前はプロジェクトアブロードの担当の方がサポートしてくださり、現地では現地スタッフ、ボランティアの仲間たち、現地の人々が歓迎してくれ、様々なことを吸収することができます。
自分の狭い世界観が必ず広がります。
これは、何事にも代えがたい経験だと思います。
なので、いろいろ考えたりすることも大切ですが、迷ったらまずやってみてください。
大抵の場合、なんとかなると思います。
2つ目が、語学勉強等の重要性です。
言語はコミュニケーションの基盤となるものだと思います。
英語は日常英会話レベル以上が必須だと感じました。
加えて、現地語も話すことができれば、より現地の人と信頼関係を構築できると思います。
そして、コミュニケーションをとろうとする姿勢も忘れないでください。
英語が話せても、コミュニケーションをとらなければ意味がありません。
また、語学勉強をしつつ、日々のコミュニケーションも大事にすることが重要だと思います。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。