長年の想いを現実へ

私は長年、海外で野生動物の保護に携わりたいと考え、ネットで野生動物保護のボランティアや活動を探していました。

そんな中で、プロジェクトアブロードの「サイ生態保護プログラム」にたどり着きました。

いくつかのボランティアや活動を比較した結果、プロジェクトアブロードの「サイ生態保護プログラム」が比較的費用が安く、また日本人の参加者が少ないこと、英語力が不要な点に惹かれ、最終的にこのプログラムに決めました。

このプログラムを選んだ理由

私は野生動物保護に興味があり、国立公園という野生動物が多く住む場所で実践的に野生動物を見て学べると思ったから、プロジェクトアブロードの「サイ生態保護プログラム」に参加しました。

実際のボランティア活動

主にチトワン国立公園内で、目視による野生動物の個体数調査を行いました。

発見した時間、種名、個体数をメモし、エクセルにデータをまとめるという作業でした。

ボートやジープ、たまに歩いて国立公園内を調査し、毎日いろんな動物に出会えてとても楽しかったです。

他にも農村部での鳥調査や緩衝地帯での植林、学校でプレゼンを行うなど、幅広い活動を行いました。

ネパール生活のリアル

チトワン国立公園近くの農村部にあるゲストハウスに滞在しました。

トイレットペーパーや水、ティッシュは毎日無料でもらえ、ご飯もとても美味しかったです。

モモやロティロールなどネパールの伝統料理をたくさん食べることができ、食文化も体験できました。

農村部ということもあり、毎晩停電が生じ、ネットが繋がらないことやシャワーからお湯が出ないことはほぼ毎日で、生活に慣れるのがとても大変でした。

しかしながら、ご飯は生野菜やフルーツを食べてもお腹を壊すことはなく、お腹いっぱいバランスのとれた食事を取れたことはとても良かったです。

現地で得た知見と成長

野生動物保護について学べたことはもちろん、英語力の向上や一人で行動することで精神的にも成長することができました。

ネパールでは、国立公園でのサファリツアーなどの観光産業が盛んであり、野生動物保護の意識が国全体で高いと感じられました。

しかしながら、洪水の影響で国立公園を囲うフェンスが一部壊れており、経済的理由から修復できていないことを知り、途上国での野生動物保護の大変さを感じました。

特に個体数調査は全て目視によって行われており、瞬時に種名を判断する専門家がいなければ成り立たないので、専門家の育成という課題もあると思いました。

外国人ボランティアとの出会い

現地では、ネパールのスタッフの方と同時期に同じボランティアに参加していたアメリカから来た女の子と活動しました。

もちろん日本人はスタッフにも参加者にもいないため、毎日英語を使っていました。

野生動物に関する専門的な内容も英語で説明を受けるのはとても大変でしたが、わからない場合は翻訳機を使ってくださったり、文字に起こしてくださったりして、専門的な踏み込んだ内容についてもどんどん質問し学ぶことができました。

また、週末にはアメリカから来た女の子とポカラへ2泊3日の旅行に行きました。

私自身は3週間セブ島で短期留学をした程度で、英語は簡単なことしか話せなかったのですが、このボランティアを通して、2人で旅行する際も英語を使って楽しくショッピングやジップライン、ハイキングなど充実した旅行を楽しむことができました。

その子が使っている英語を真似したり、その子から英語を教えてもらったりすることで、3週間の間に自然な会話やお店での注文などがスラスラできるようになりました。

カトマンズから活動拠点へ

ボランティア初日はカトマンズ市内に一泊し、空港に到着した次の日の朝、約7時間バスで移動して滞在先まで行きました。

コンクリートの道路はほぼなく、ガタガタの道を砂埃を立てながら進み、空港にはほかのボランティアに参加する日本人がいたのですが、空港を離れてからは日本人は一切おらず、本当にプロジェクトアブロードのスタッフなのか信じられないまま長時間移動し、とても不安で怖かったのを覚えています。

最終週には、食あたりと風邪になり、活動はなんとか終えましたが、カトマンズ市内のホテルへ向かうためにスタッフなしで1人で7時間以上のバス移動とタクシー移動は、座席も狭く体調不良もありとても辛かったです。

ホテルに着いた時には、頭痛と熱があり帰国できるかとても不安で、精神的に一番辛かったです。

長時間のバス移動や帰国のための空港乗り継ぎなど、全て1人で体調不良にも関わらず乗り越えることができたのは、今思えば自信につながりました。

夢の具体化へ

私は将来野生動物の保護をしたいという夢があり、この経験はその夢をより具体的にするきっかけになったと考えています。

野生動物の保護といっても様々なアプローチがあり、その中で私は動物の生態や行動を学術的に学び研究したいという気持ちが強いことに気づけました。

今回は発展途上国での野生動物保護を学んだので、次は先進国での野生動物保護を学び、その上で、野生動物保護に貢献していきたいです。

さらに、野生動物保護を日本だけでなく世界で行えるよう、IELTSの勉強に励みたいです。

現在、野生動物保護に興味がある人がいてもその情報が得にくいという課題の解決のために、インスタグラムアカウントにおいて、野生動物保護団体やボランティア、インターンシップなどの情報を発信しています。

この活動にも力を入れていき、私のように野生動物に興味がある学生などを支援していきたいです。

これから参加する方へ

毎日行う活動の目的や意味を確認し、わからないことは積極的に質問することで、野生動物保護について深く学ぶことができとても充実した経験となると思います。

そのため、野生動物が観れたことだけで終わらず、積極的に話すと良いです。

1人で不安になった時、誰かと話したり、敢えて逃げず何が辛いのか自分と向き合うことで、より活動に積極的になれたし将来を考えることができました。

ネパールの方はとても優しいので、不安なことや困り事は遠慮なく言えばとても親切になって対応してくださりました。

そのため、1人で抱えず、不安を溜める前に解消することで、活動を存分に楽しめると思います。

活動に集中するためにもその国の生活を知り、自身の健康を保てるように対策をすべきだと、今になって思いました。

日本では当たり前のことが海外では通用しないので、慣れるまでとても不便に感じると思います。

ボランティアの活動を十分に体験するためにも、以下のものを持っていくと安心して過ごせると思います。

薬、防虫スプレー、トコジラミなどのダニ対策、(旅行先ではエアコンがないまたは機能せず寒い場合もあるので)寝袋、のど飴、ハンガー(洗濯物は生乾きのことが多いので)、(壁や水道管周りに大きい穴や隙間が空いていることが多いので虫が怖い方はあると良い)ガムテープ、部屋やお風呂場で使うスリッパ(布ではなく濡れてもすぐ乾くもの)、動物を見る場合は性能の良いカメラ、スーパーまで車でしか行けないので行ける日がかなり限られるため、現地で手洗い用の洗剤、シャンプーなどの日用品は自分で持っていく方が安全です。

プログラム詳細へ

体験談一覧へ

ネパールでサイ生態保護 M.M.

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。