大自然を体験したい

ケニアに行ったのは、単純に雄大な自然を見てみたかったからだった。

普段は特別に動物が好きというわけでもなく、日本ではせいぜい動物園で見るくらいだった。

だから、実際に野生のライオンやチーター、ヒョウ、クロコダイル、キリン、シマウマ、ゾウを自分の目で見られるというのは、まるで別世界のような体験だった。

湖の方へ行くと、そこは世界遺産にもなっている湖で、たくさんのフラミンゴが群れを成していて、その美しさに圧倒された。

今回の滞在はボランティアの一環で、現地での活動内容は主に動物の観察だった。

特に調査というほど専門的なことではなく、毎日フィールドに出て、どんな動物がどこに現れたかを記録するようなものだった。

ボランティア仲間との交流

滞在先のボランティア施設には、イギリス人、フィンランド人、イタリア人の三人の外国人が一緒に参加していた。

最初は会話のきっかけをつかむのが難しかったが、みんなフレンドリーで、すぐに打ち解けることができた。

特にイタリア人のF君とは仲が良くなり、彼にチェスを教えてもらった。

もともとルールすら知らなかったけれど、毎晩のように対戦しているうちにだんだんわかってきて、最後には一度だけ勝つことができたのがうれしかった。

ケニアの街

活動の中盤には、ナクールという町に立ち寄った。

町の中心部には物乞いをする人も多くいて、少し驚いた。

日本ではあまり見ない光景で、最初はどう接していいかわからなかった。

しかし、それ以外は普通の街だった。

ケニアならではの体験

ボランティア活動の終盤、最後の二日間だけはF君と一緒に観光もかねてマサイマラというキャンプ施設に泊まった。

そこではサファリツアーに参加し、朝からジープに乗って草原を走り回った。

運転手が双眼鏡で遠くを見つめながら、「あそこにチーターがいる」と教えてくれると、実際に草の中で動く姿が見えて感動した。

夜にはキャンプファイヤーの近くで星を見ながら話をした。

周りは真っ暗で、空には日本では見たことのないほどの星が広がっていた。 

不便さが教えてくれたこと

唯一つらかったのは、ネットがほとんど通じなかったことだ。

写真を送ったり検索したりしたくても電波がなく、最初のうちは少しイライラした。

でもそのうち、そうした不便さも含めて「現地の生活を体験している」という実感がわいてきた。

スマホを気にせず過ごす時間というのは、日本ではなかなかない貴重な経験だったと思う。

自分の中の変化

ケニアで過ごした日々は、動物を見るために行ったつもりが、結果的には人との出会いや、普段の生活との違いを通して、自分の感覚が少し変わったように感じた。

自然の中で過ごす時間や、言葉や文化の違う人たちとの交流が、自分にとってかけがえのない体験になった。

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ケニアでアフリカ東部サバンナ環境保護  高田和慶

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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