大学1年で再び世界を舞台に

幼少期に海外で生活した経験、中学3年生で短期留学した経験から国際交流、語学、異文化交流が好きでした。

2019年、日本国内の医学部医学科に進学。

大学1年生の時間に余裕がある時期を活用してたくさん海外に行きたい、と意気込んでいました。

旅行、留学、ボランティア… さまざまな選択肢を検討し、インターネットで情報収集をしていたときProjects Abroadのウェブサイトに出会いました。

活動内容、場所、時期、期間を自由に選べること、日本人以外のボランティアと関わりが持てること、1年生という医学の知識がまだ少ない状況下でもヘルスケアに携わる経験ができること、がProjects Abroadを選んだ決め手でした。

コロナ禍に見舞われて

2020年3月、フィリピンで公衆衛生の海外インターンシップに2週間参加する予定でしたが、COVID-19の影響によりプロジェクトは無期限延期に。

パンデミックが落ち着き、大学の実習や部活がひと段落したことをきっかけに、2023年8月、3年半ぶりにプロジェクトを再開しました。

大学5年生になり、医療に関する学習経験が1年以上あり、地方保健ユニットではなく病院での活動が可能であるため、プロジェクトを当初参加予定だった公衆衛生から医療に変更し、フィリピンで医療の海外インターンシップに2週間参加しました。

現地到着後の不安

マクタン・セブ国際空港に到着するとProjects Abroadの現地スタッフが温かく迎えてくださいました。

車で5時間ほど揺られ、滞在・活動場所のあるボゴシティに到着。

整備されきれていない道路は見慣れないトライシクル(サイドカーのついたバイク)で溢れていました。

翌日からはそのトライシクルに乗って病院に向かうと説明を受けましたが、交通状況への恐怖、言語の壁など不安なことばかりでした。

 

活動は主に、ボゴシティ内の公立病院である Cebu Provincial Hospital で行いました。

外来患者の身長、体重、バイタル測定を中心に、救急外来でのバイタル測定、外傷の消毒、検査科での備品作りなどを行いました。

病棟、手術室、分娩室も希望に応じて見学ができ、普段実習している日本の病院との違いを目の当たりにしました。

同時期に同プロジェクトに参加している他のボランティアはいなかったため、病院内に一人でいる時間もありましたが、病院のスタッフの方も患者さんもとても温かく迎え入れてくださり、セブの人の優しさを感じました。

院外では、Projects Abroadの他のプロジェクト(公衆衛生やチャイルドケア)に参加しているボランティアと交流する時間も設けられ、海外からのボランティアと話してみたり、日本人と話して安心したり、ととても充実した時間でした。

フィリピンならではの生活

ホストファミリー宅では同時期に同市内で公衆衛生のインターンシップに参加していた日本人ボランティア2名と共同生活をしました。

ホストファミリー宅のお手伝いさんが毎日3食用意してくださり、フィリピン料理をたくさん食べることができました。

ボゴシティではお湯が出る家はほとんどなく、洗濯は手洗い、冷房はなく、アリやヤモリと共存するのがあたりまえ。

私たち日本人の普段の生活からは想像し難いですが、活動国ならではの経験ができたと思います。

活動後や活動のない日にはホストファミリーやボランティア同士で出かけ、楽しい思い出がたくさんできました。

なりたい医師像が見えた

プロジェクトから帰国して、“あたりまえ” という言葉について考えました。

自分にとってのあたりまえが人にとってのあたりまえではないこと。

人にとってのあたりまえが自分にとってのあたりまえではないこと。

蛇口をひねればお湯が出る、暑かったら冷房をつける、トイレはボタンを押せば流れる、病院の衛生面は整っている、病棟に行けば医師や看護師がたくさん働いている。

これらは自分にとってはあたりまえです。

ですが、ボゴシティの多くの人はそんな世界があることすら知りません。

その状況がそこで生活する人にとってのあたりまえであれば、生活に不自由はないかもしれません。

それに、世界に目を向ければボゴシティ以上に支援が必要とされている地域は山ほどあります。

すべての地域にひとつひとつ出向いて現状を調査することは不可能です。

それでも、今回のプロジェクトを通して、自分のおかれている環境への感謝、必要としている人に必要な支援(物資・金銭・医療)が届く重要性、少しでも多くの人が暮らしやすくなるようにという願い、を再確認することができました。

これだけでプロジェクトに参加したことに意味があると思います。

今の自分に何ができるかはまだわかりません。

ですが、このプロジェクトを通して学んだこと、感じたことは医療者として持っておくべき感情だと思います。

具体的には未定ですが、いつかは医学生ではなく、医療支援を必要としている人に医療を提供できる医者として発展途上国で活動したいと考えています。

これから参加する方へ

Projects Abroadの医療の海外インターンシップは医療系の道を志している学生にとって最適なプロジェクトだと思います。

先進国に留学に行くのとは全く違う経験が待っています。

日本や先進国にはない現状について学び、恐れずに現地の生活に飛び込むことで得られることは大きいと思います。

常夏の気候で冷房が完備されていない環境は日本人にとってはハードかもしれません。

自分自身、熱中症になりました…

体調管理には十分気を付けて、フィリピンの文化、自然豊かな環境を楽しんでください!

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フィリピンで医療 K.F.

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。