語学研修以上の経験を得たい
単なる語学研修ではなく、海外でボランティア活動ができるプロジェクトアブロード。
そんな多様な分野にわたる海外ボランティアに強く惹かれました。
また、多国籍の仲間と密に関われることも大きな決め手でした。
私はこれが初めての海外ボランティアだったため、直行便があり安心できる国、そしてもともと関心のあった環境保護や海に関連する活動ができる場所として、スリランカのウミガメ保護プロジェクトを選びました。
スリランカでの活動
ウミガメ保護活動:
私が参加したスリランカ・ウミガメ保護プロジェクトには、合計26人が参加しており、イギリス・スイス・フランス・オーストラリア・日本など様々な国から集まっていました。
特にイギリスからの参加者が多く、国際色豊かな環境の中で活動することができました。
ウミガメ保護センターでの活動は多岐にわたりました。
水槽の清掃、ウミガメの餌やりや体の洗浄、水槽に描くアート、卵を管理している孵化場の清掃、さらには海から直接海水を汲んで運ぶ作業など、さまざまな仕事を経験しました。
センターには赤ちゃんから大きな個体まで多くの種類のウミガメが保護されており、その背景には漁業網による怪我など、人間の活動による影響があることも学びました。
スタッフの方々から保護当初の写真を見せていただいたときは、自然保護の重要性を改めて強く感じました。
最も心に残っているのは、最終日に行われた赤ちゃんウミガメの放流です。
ビーチで一人一匹ずつウミガメを海に返すのですが、懸命に小さな体で波へ向かって進んでいく姿に、命の尊さや生きる力強さを感じ、深い感動を覚えました。
自分の手で命を自然へと送り出す体験は、なかなか得られない貴重なものであり、私にとって大切な思い出になりました。
週末旅行(キャンディー):
このプロジェクトではウミガメ保護の活動だけでなく、スリランカの文化を学ぶ機会も多くありました。週末には一泊二日でキャンディを訪れ、さまざまな体験をすることができました。
ハーブ園やお茶の工場では、香り豊かな植物や茶葉の加工工程に触れることができ、とても新鮮で興味深い体験でした。
さらに、伝統的な踊りの鑑賞では色鮮やかな衣装と力強い演舞に魅了され、木彫りや宝石、バティックといった工芸品を通じて、技術の奥深さを実感しました。
有名な寺院である仏歯寺にも足を運び、仏教文化に直接ふれることができたのも印象的でした。
旅の最後には市場でお土産を選びながら、地元の人々の暮らしや活気を肌で感じることができました。
こうした経験を通じて、日々の活動だけでは得られない多様な文化に触れることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。
アクティビティー:
ウミガメ保護や週末旅行以外にも、スリランカでの滞在中にはさまざまなアクティビティを体験することができました。
ボートクルーズでは、美しい景色を眺めながら風を感じ、穏やかな時間を過ごすことができました。
また、古くから港町として栄えてきた街・ガルを散策し、歴史的な建物や独特の街並みに触れ、スリランカの長い歴史を身近に感じました。
さらに、カネリヤ熱帯雨林を歩いた際には、大自然に圧倒されると同時にヒルに噛まれるという少し驚きの体験もありましたが、それも含めて忘れられない思い出となりました。
このように、ボランティア活動の合間にも多彩なアクティビティに参加できたことで、スリランカの文化や自然をさまざまな角度から知ることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。
かけがえのない現地生活
滞在中は、スイスやイギリス、オーストラリア、そして日本から来た仲間と一緒にホームステイをしました。
私たちを受け入れてくれたホストファミリーはとても親切で、常に温かくサポートしてくれました。
洗濯が必要なときは洗濯機を自由に使わせてくれたり、活動が遅くまで続いた日には夜ご飯を用意して待っていてくれたりと、生活面でも安心して過ごすことができました。
到着して最初の朝には、お姉さんが池まで一緒に散歩に連れて行ってくれ、その景色や会話が今でも思い出に残っています。
お兄さんはスリランカの現状やウミガメのことをたくさん教えてくれ、活動の理解を深める大切なきっかけになりました。
お母さんは英語を話せませんでしたが、いつも優しく見守ってくれていて、言葉を超えた温かさを感じました。
二週間の滞在の最後の日、どうしても感謝を伝えたくて、お母さんにはシンハラ語で書いた手紙を渡しました。
また、お兄さんやお姉さんにも感謝の気持ちを込めた手紙を渡しました。
すると家族のみんなが本当に喜んでくれて、その姿を見たとき、むしろ私のほうが幸せな気持ちになりました。
このホームステイを通じて、生活のサポートだけでなく、家族の一員として迎えてくれた温かさを感じることができました。
かけがえのない時間を共に過ごし、心に残る思い出となりました。
日本とは違う時間感覚
滞在中に一番大変だと感じたのは「時間の感覚」の違いでした。
スリランカの人たちは基本的にとてもゆったりしていて、日本のようにきっちりと時間通りに物事が進むことはあまりありません。
到着初日も、空港で送迎のバスを待っていたのですが、なかなか来ず、結局2時間ほど待つことになりました。
そのときは正直戸惑いもありましたが、次第に「これがスリランカの文化なんだ」と思えるようになり、だんだんと慣れていきました。
時間の流れ方の違いに最初は苦労しましたが、ゆっくりとしたリズムを受け入れることで気持ちにも余裕が生まれ、スリランカらしい生活を楽しめるようになったのは大きな学びでした。
財産となった人とのつながり
このプロジェクトを通じて最も有意義だったと感じるのは、さまざまな国の人と関わりを持てたことです。
ただ一緒に過ごした時間を楽しむだけではなく、プロジェクトが終わった後も関係が続いていくような仲間に出会えたことは、私にとって大きな財産となりました。
国境や文化の違いを越えて築ける友情やつながりは、このような国際的なプロジェクトだからこそ得られるものだと思います。
多様な価値観や背景を持つ仲間と一緒に活動できたことは、自分の視野を広げるきっかけにもなり、何よりこの経験を特別なものにしてくれました。
今後への抱負
このプロジェクトに参加したことで、人とのつながりの大切さや文化の違いにふれる面白さ、そしてボランティア活動だからこそ得られる経験の貴重さを強く感じました。
活動を通じて学んだことは自分にとって大きな財産となり、これからも海外でのボランティア活動に積極的に挑戦していきたいという気持ちにつながりました。
また、単に自分が体験するだけでなく、「自分の活動が現地の人々や環境にどのような影響を与えられるのか」ということについても、これからしっかり考えていきたいと思います。
この気づきは、今後の行動や選択にも大きく影響していくと感じています。
これから参加する高校生へ
このプロジェクトの魅力のひとつは、ウミガメ保護を通して命の大切さや自然環境の大切さを肌で感じられることです。
水槽の掃除や餌やり、そして最終日の放流など、どの活動も心に残る学びや感動につながります。
もうひとつの大きな魅力は、人とのつながりです。
世界中から集まった仲間やホストファミリーとの出会いは、活動の時間だけでなく、その後も続いていく特別な関係になるはずです。
積極的に話しかけることで活動も交流もより充実したものになります。
ウミガメ保護で得られる貴重な体験と、人との出会いから生まれるつながり。
その両方が、きっとあなたにとってかけがえのない宝物になると思います。

この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。