自分の目でアフリカを見たい
アフリカに行くことは大学に入った際に掲げた目標の一つでした。
理由はただ一つです。
「自分の目でアフリカを見たい」
国際協力に前から興味があり、アフリカに関する映像や資料を度々目にしてきましたが、その度に「いつかは自分も現地に行きこの目で現実を見たい」と思っていました。
大学に入り、ボランティアやインターンで海外に行った先輩の話を聞いていると「アフリカ」という存在が近く感じ始め、自分でも行けるんじゃないかと思い始めました。
そこで大学1年の夏に、ある団体のタンザニアでの活動報告会に出席し話を伺いました。
その時、「2年の夏は絶対にタンザニアに行こう!」と決意したのです。
偶然の出会いに導かれて
大学2年生になった僕は、1年の時に参加した活動報告会の団体名が曖昧だったので「タンザニア ボランティア」で検索してその団体を見つけようと思っていました。
すると、その団体とは別に「プロジェクトアブロード」という団体があり、興味本位でページを開きました。
調べていくうちに、自分に合っているのはこっちの団体だと思い始め、プロジェクトアブロードでタンザニアに行くことにしたのです。
これが僕のプロジェクトアブロードとの出会いです。
つまり偶然です。(笑)
マサイ族村での活動
「Maasai Community Project」と題されたこのプログラムは、とりあえず最高でした。
どのプログラムにしようかとサイトを見ていると「マサイ族」というワードが目に入りました。
まさかと思いながら詳しい内容を見てみると、本当にあのマサイ族の村で1ヶ月生活をしながら活動をするというものでした。
主な活動は、Endulenという村にある孤児院で授業を教えるTeachingと、先生の家の建設を手伝うBuildingの2つです。
しかし、実際は帰国する1週間前までボランティアが僕一人だったので、ずっと孤児院に行き、Buildingは2日間しか行いませんでした。
その代わりに、子供達や先生と多くの時間を一緒に過ごせたことは本当に良かったです。
約50人の子供達が通う学校は、単純な作りでアルミ製の倉庫のような感じでした。
電気や水道はもちろん通ってなく、限られた勉強道具と教材を使いながら、英語、算数、理科、美術、家庭科、保健を全て英語で教えました。
つまり、スワヒリ語の授業以外全部です。
子供達は皆熱心で、教えている身としてもやりやすかったです。
子供達が新しいことを覚え、正解のチェクマークを書いた時の喜ぶ姿を見ることが毎日の楽しみでした。
Buildingは、10kmほど離れた隣の村で行いました。
現地の方と一緒に穴を掘り、大きな石を積み重ねるという作業でしたが、なかなか大変でした。
午前中だけの作業でしたが、午後は疲れ切ってほとんど寝るほどでした。
たった2日間だけでしたが、かなり作業は進み終わった時の達成感はすごかったです。
タンザニアの大自然での生活
僕が1ヶ月滞在したEndulenは、タンザニア北部に位置するンゴロンゴロ自然保護区の中に位置していたため、たくさんの野生の動物が身近にいました。
シマウマはあちこちにいて、もう見ても驚かなくなるレベルでした。(笑)
他にもキリン、ゾウ、ヒヒ、アンテロープ…etc など、多くの動物が普通に生活をして、平和に人間と共存しているような場所です。
基本英語を使って生活していましたが、現地の人と中を深めるのに一番早い方法は現地の言葉を話すことだと思ったので、マサイ語とスワヒリ語を教えてもらいながら、積極的に使っていきました。
普段の生活は、村にある教会の教父さん2人が管理する家でしました。
タンザニアの一般的な食べ物や、マサイ族伝統の食べ物などを振舞ってもらい、毎日ご飯が楽しみでした。
シャワーはもちろん冷たかったですが、予想していた通りだったので、なんとか耐え抜くことができましたが、やっぱり寒かったです。
正直、夜に入るとありえないほど寒かったので、いつも夕方頃に入っていました。(笑)
暇な瞬間はないほど充実していた
週末は、地元のマーケットに行ったり、結婚式に参加したり、サッカーをしたりと充実していました。
1日たりとも暇だと思ったことはなかったです。
何もイベントがない時は、自分が教えている孤児院に行って、一日中子供達と遊んでいました。
当初はサファリにも行こうと思っていたのですが、子供達に毎日会うにつれ「もっとこの子達と一緒にいたい」という気持ちが強まり、今回の滞在中はサファリに行きませんでした。
そのくらい子供達は魅力的です。
旅立ちの時
別れはとても辛かったです。
子供達はこの別れを何度も経験してきていると思うと、複雑な気持ちにもなりました。
しかし、自分なりに子供達にとってベストなことはなにかを考えてそれを実行できたので、悔いはありません。
今でも学校の先生とFacebookを通じて連絡を取り合っています。
そうです、現地にもFacebookやっている人がいるんです。(笑)
時折、子供達の写真が送られてきて、とっても嬉しいです。
便利な世の中ですね。。。
きっかけをもらった経験を今後へ
1ヶ月現地で生活をしながら活動をして、明らかに自分の意識も変わりました。
それはどういうものかというと、「現地で生活をしないと本当のNeedsは見えない」ということです。
一概にそうとは言い切れないかもしれないですが、僕はこれをずっと念頭に置きながら今後、大学で国際学を学んでいこうと思いました。
マサイ族のような固有の文化を持ち、昔ながらの伝統的な暮らしをしている人たちにとって本当に必要な援助はなにか、そもそも援助が必要なのかなど、頭が痛くなるような疑問が残りました。
今の状態で社会が成り立っているのなら、そのままにしておくのが一番なのではないかとも思いました。
とても難しいものですが、これを考えるきっかけになった今回の滞在は、非常に意義のあるものになりました。
それと同時に、自分が普段生活している環境はとても恵まれていると痛感しました。
遠い距離を短時間で移動したり、冷えたペットボトルをどこでも買えたり、暖かいお風呂に入れたりと、「当たり前」に思えることが、実は特別なことなのだと感じました。
来年の春か夏に、もう一度Endulenを訪れようと思っています。
今度はこの夏経験してきたことを活かして、今回よりも実のあるものにしようと思います。
あと、マサイ語とスワヒリ語をもっと勉強します!
最後に、日本とタンザニアのProjects Abroad関係者の皆さま、貴重な体験をありがとうございました。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
この体験談は孤児院での活動に言及していますが、現在プロジェクトアブロードは地域型のチャイルドケアに焦点をあてた活動に取り組んでいます。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。