プロジェクトアブロードとの出会い

私がプロジェクトアブロードについて知ったのは半年前のことでした。

私の高校はスーパーグローバルハイスクールに認定されているため、毎年多くの生徒が海外に飛び立っています。その中で、去年プロジェクトアブロードの活動に参加された先輩に話を伺うにつれて、私も参加したいと思うようになりました。

私が今回ベトナムを渡航先に選んだのは、以前からベトナムと日本の農業について研究していたことがきっかけでした。しかし、この二週間で机上では知りえない、多くのことを学ぶことができました。

実際のボランティア活動

私は今まで二度の海外経験がありましたが、一人で海外に行くのは初めてでした。文化も違えば、言葉も通じない、そんな国に一人で飛び出して大丈夫なのだろうか、そんな不安がずっと私の心にまとわりついていました。

そんな気持ちのまま日本を飛び出した 7 月 29 日。「自分を変えてみせる」そんな格好つけた言葉を家族に放って飛行機に乗ったのを覚えています。正直、機内での5時間はとても長く感じ、最初は涙をこらえるのに必死でした。

そうして首都ハノイに到着し、最初は不安だらけでしたが空港でスタッフの方がすぐに迎えに来てくださっていたので安心することができました。その日はずっとホテルで過ごしました。

私のルームメイトはイギリスから来た女の子で、初めは速いスピードで流れてくる英語にただ相づちを打つことしかできませんでした。しかし、徐々に変なプライドは捨ててしまおうという気持ちが芽生え、文法なんてお構いなしに知っている単語を次々と口にしました。それからは一気に楽になり、ルームメイトとの会話を楽しむことができました。

翌日からはハノイの観光をし、スタッフの方との壁もすぐになくなっていきました。そして、ハノイに到着してから4日目、ついに幼稚園でのボランティアが始まりました。

子供たちは予想以上に元気で、言葉が通じないがゆえに大変なこともありました。言葉の壁の大きさを痛感した瞬間でもありました。しかし、そんな感情はすぐに消え去られました。

それは、活動の中で日本の伝統行事を知ってもらいたいという思いで七夕について紹介したときのことです。

七夕について説明するとき、もちろん言葉は通じないので身振り手振りや写真を使ったり、スタッフの方に協力して頂いたりして、必死に紹介しました。すると驚いたことに、あんなに元気だった子供たちがじっと私のほうを向いて話を聞いてくれたのです。

実際に制作に取り掛かってからもそうでした。文字が書けない子供たちも必死に欲しいおもちゃの絵を短冊に書こうと頑張っていました。そんな姿を見て、言葉の壁なんてすぐに乗り越えられるのだなと感じるようになりました。

その他にも手の洗い方、歯の磨き方を音楽に合わせて教えたり、教室の壁のペンキ塗りを行ったりしました。そしてあっという間に幼稚園でのボランティア最終日を迎えてしまいました。

最終日に園長先生から「またベトナムに戻ってきて、この幼稚園を訪れてほしい。」と言われ、とても幸せな気持ちになったのは一生忘れないと思います。

これから自分が生きていくうえで大切にしたいこと

幼稚園でのボランティアが終了し、翌日は障がい者施設を訪れました。これもまた私にとっては初めての経験でしたが、この時にはコミュニケーションをとることに怖気づくような私はいませんでした。

この施設でも私は身振り手振りを使いこなしながら、基本的な歯の磨き方を教えたり、一緒にビーズでブレスレットを作ったりしました。

あの時の生徒たちが向けてくれた満面の笑みは今でも忘れられません。

そんな経験をさせていただいた障がい者施設ですが、日本と比べ環境は劣悪で驚きを隠せなかったのも事実です。この施設で働いているスタッフの方はみなさんボランティアで、経済的な問題からおもちゃや本もほとんどない状態でした。

そんな環境を目の当たりにして、私はあることに気付きました。それは、本当に怖いのは自分と違うことではなく、知らないことだということです。

インターネットを使えば違う国のことでさえ、すぐに机上で知ることができます。それなのに、私たちのほとんどは何も行動を起こそうとしません。それはやはり、その状況を目の当たりにしていないからだと思います。知っているつもりになっているだけなのだと思いました。

私はこの施設で目にした光景、経験を無駄にしたくないという思いで、他のボランティアメンバーやスタッフの方とも話し合い、募金を集めるためのホームページを立ち上げることにしました。まだ実行には移せていませんが、必ず実行してみせます。

このような素晴らしい経験をし、二週間などあっという間に過ぎていきました。そして、ベトナムを去る頃の私は、出発する前の無駄なプライドをもって格好つけていた私とは明らかに違っていました。

さらに私は、人生の目的、生きる意味についても考えられるようになっていました。私の人生の目的、それは私にも想像できないような私になることです。これから生きていく中で、何度も自分を驚かせ続けられるような成長を成し遂げたいです。

そんな自分になるために、私は今日も私の知らない世界に飛び出していきます。

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ベトナムでチャイルドケア&地域奉仕活動 新村華子

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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