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鈴木萌 - 南アフリカ法律&人権プロジェクト2週間スペシャル

南アフリカという国は、私にとって途方もなく遠い国。それでも、2週間という貴重な時間を通してこのプロジェクトに参加していなかったらきっと一生出会えなかったものであろうものに触れられました。
英国で勉強し始めて4年目。全てのきっかけは、日本のニュースで目にした難民たちの実情でした。私はソファーの上でのんびりテレビを見ていられるのに、なぜ彼らはあんな現実を突きつけられているのだろう?なぜ、私たちの人生はこんなにも違うのだろう?渡航後も、本や先生、インターネットで得られる情報には限りがあり、なかなか私に答えを示してくれるものがありませんでした。そこで、インターネットで発見したプロジェクト アブロードを通して2週間の人権プログラムに参加することにしました。夏休みのうちの2週間を南アフリカという活気に満ちた素晴らしい国で過ごすというオプションは私にぴったり。そのうえ、この経験が少しでも大学の学科選択の手助けになることも期待していました。
南アフリカに着いた日は雨風と共に激しく、ここの冬を甘く見ていたことを反省しました(英国は夏真っただ中だったので)。それでも、この天気とは裏腹にホストファミリーのHowaファミリーは私をとっても快く迎えてくれました。そして2週間という短い期間の中で、この家族からたくさんのことを習い、人生観が180度変わりました。一番印象に残っているのはNawaal(ホストマザー)が人生においてチャレンジすることを怖がってはいけない、という話をしてくれた時。音楽への情熱と、目標を達成する為の努力と決意に溢れた彼女の語る生い立ちは私の励ましと希望になりました。そして、今まで当たり前だと思っていた、私の周りにあるたくさんの機会が恵まれている証拠なのだと気付かされました。

このプログラムの参加者は12人いて、一週目はケープタウン周辺を巡りつつ、南アフリカのユニークな文化と社会格差の理解を深めました。ツアー形式のアクティビティが出来るのが1週目だけだったのにも関わらず、とにかくたくさんの経験が出来ました。数多い中から例を挙げると、Cango-caving(洞窟探索)、Zip-lining(木から木へとロープに乗って空中移動)、Elephant Sanctuary(象と触れ合える貴重な体験)、Robben Island(マンデラが収容されていたところ)、そして忘れてはいけないTable Mountainにもちゃんと行きました。行った先々の地元のマーケットでお土産を買う機会もたくさんあり、ネイティブの人々との触れ合いも新鮮でとても楽しかったです。
初めて南アフリカに存在する格差と出会ったのは、到着日に空港からホストファミリー宅へと車移動しているときでした。ただ何気なく窓から外を眺めていたら、道路の左側にはスラム街が広がっており、反対に右側には立派なコンクリート造りの家が堂々とそびえ立っていました。こんな光景に日本で出会ったことがなかったのでただ呆然とすると同時に格差問題の深さを痛感しました。滞在中に、数回このようなInformal Settlement(Vrygrond CommunityとLavender Hill)を訪れることが出来ました。Vrygrond Communityにワークショップを主催した時に受けた歓迎は今でも忘れません。と同時に、あんなにも明るくて好奇心旺盛な子どもたちが英国や日本にいる子どもたちのように学ぶ機会を与えられないということに悲しくなりました。他にもSt George’s(女の子対象のシェルターホーム)やYoungsfield難民キャンプを訪問したり、Lucinda(プロジェクトアブロードのスタッフ)のガーデニングプロジェクトにも参加しました。難民キャンプを訪れた時には、同年の女の子からどういう風に政府が彼女の家に突入して全てを奪い取っていたのか、という話を聞いて胸が潰れる思いでした。ただ違う国に生まれたというだけでこんな危険にさらされてしまうなんて…。こんな状況を変えなければいけない、そんな義務を感じた瞬間でした。
2週間グループの皆が難民キャンプでの時間で充実した時間を過ごせたので、帰国日前日の金曜日にスポーツデイを開催することにしました。町で購入したシャボン玉、サッカーボール、カラフルな毛糸、そしてチョークを持参して子どもたちと触れ合いました。大半の子が英語を話さなかったので、ただ一緒に遊んでいる、今一緒に過ごしている時間を精一杯楽しんでいる、そんな言葉を超えたコミュニケーションの強さを実感しました。

私にとってこの経験は長年の目標(人々を助けること、そして全ての人に平等をもたらす活動に参加すること)を再確認させてくれただけでなく、自分が持って生きてきた開発途上国への大きな偏見を気付かせてくれました。いつでも南アフリカや他のアフリカ大陸の国を見るのはメディアを通してで、彼らは開発途上国をとてもネガティブに映し出します。例えば、開発途上国はあたかも常に外国からの助けを必要としているかのように報道されています。たった2週間過ごしただけでも、これは大きな誤解であることを知りました。社会格差は国別に存在するのではなく、各国内で存在するのだということ。そんなことに気付かされました。毎日のように聞いたLucindaからの話は、英国や日本で広く受け入れられているいわゆる「Western」の考え方や解釈とはかけ離れていて、たくさんの視点から物事を捉える大切さを教えられました。
もしかしたら、「2週間」と聞いて短すぎると思うかもしれません。でも、このプロジェクトは私には最良の選択でした。ボランティアってどんなことをするんだろうと思いを巡らせている人、人権・貧困・開発に関心がある人、ただほかの人の人生を変える手助けをしたい(今でも将来でも)と考えている人。どの道に進んでいいのか迷っている人、どんな人が参加しても最後に言って良かった、と自信を持って言える経験が出来ます。2週間という短い期間の中で人々の人生を変えようなんて無理があるかもしれません。それでも、私は私なりにどんなに小さなことでも相手の為にし、心が揺れるような場面にたくさん出会い達成感を感じました。こんな時代だからこそ、「恵まれている」私たちの世代だからこそ、実際に体験しなければどうしても理解出来ないことがあります。そんなものをこのプロジェクトは私に与えてくれました。

